あのリンダ・グラットン氏の「LIFE SHIFT」が大きな反響を呼んだのが、2016年10月〜翌年半ばころでしたでしょうか。私もその当時、話題になっていた同書を読んで非常に大きな衝撃を受けた記憶があります。

「これは、本当に大きな転換期が来たんだな…。」そう思った人も多かったと思います。

その後間もなく「人生100年時代」という言葉が数多く使われる様になり、今はもうすっかり当然の枕詞になっています。

そうした流れの中で、実はまだ「LIFE SHIFT」を読んでおらず、なんとなくわかっているつもりだけど、実はちょっと不安…という人には、この「まんがでわかる」版はうってつけです。漫画ならではの脚色なので、その演出やシナリオに対する好き嫌いはあるかもしれません。しかし、4人家族の典型的な日本人家庭で、誰もがLIFE SHIFTの流れに大きく影響されるのを自然に描いている点で、オリジナル版の主旨を上手く噛み砕いた良書だと言えると思います。自分は30分で読み切ることができました。なにせオリジナル版は、かなり分厚く400P以上もあるので、まあまあの決心で取り掛かる必要がありますからね。

ただ、やはりその意図のインパクトをしっかり受け止めるには、漫画版は少し物足りないかもしれません。なぜならそのインパクトは、概念的な論理展開だけに終止することなく、科学的なデータや緻密な社会的な分析かによって、これからの世界の多くの人の人生の転換期であることを紐解いているからこそ生まれているからです。ですので、この「まんが版」は例えて言うなら、大ヒット映画の、よくできた長めの予告編と捉えるとちょうどいいかもしれません。

それでも、勘がいい人で「まあ、だいたい理解できれば十分」だとか、「実はイメージでしか捉えてなくて、主旨は今さら聞けないかも…」という人にとっては、この本は非常にいいかもしれません。
個人的には、それでもオリジナル版にはトライしてもらいたいのではありますが…。それはおまかせします!(笑)

Nativ.mediaの大きなテーマでもある「LIFE SHIFT」。その意味と実像をサクッと理解するために、是非ともおすすめしたい一冊です!

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文:ネイティブ倉重

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【著者】ネイティブ株式会社 代表取締役 倉重 宜弘(くらしげ よしひろ)
愛知県出身。早稲田大学 第一文学部 社会学専修 卒業。金融系シンクタンクを経て、2000年よりデジタルマーケティング専門ベンチャーに創業期から参画。大手企業のデジタルマーケティングや、ブランディング戦略、サイトやコンテンツの企画・プロデュースに数多く携わる。関連会社役員・事業部長を歴任し、2012年より地域の観光振興やブランディングを目的としたメディア開発などを多数経験。2016年3月にネイティブ株式会社を起業して独立。2018年7月創設の一般社団法人 全国道の駅支援機構の理事長を兼務。