ものづくりの街・燕三条から、精密な刃物づくりで世界にその名を轟かせるマルト長谷川工作所。特にニッパーやペンチなどの工具は、国内外のプロから愛用されています。今回は、入社3年目の若手社員・神山さんと、総務部次長の皆川さんに、会社の魅力と未来についてお話を伺いました。
「岩手から燕三条へ」若手社員・神山さんが語る、マルト長谷川との出会い

上の写真は社員の神山さん
Q. 岩手県から新潟へ。どのようにしてマルト長谷川工作所を見つけられたのでしょうか?
神山さん:もともと、コロナ禍で子どもの頃にやっていたプラモデル作りを再開したのがきっかけです。最初は趣味のプラモデルをそのまま仕事にしようかと考えたのですが、好きなものを仕事にすると嫌いになってしまうかもしれないという思いもありました。そこで、プラモデル作りに少し関連する、ニッパーなどの工具に興味を持ちました。
元々ものづくりが好きだったので、ニッパー作りを調べているうちに職人の世界に惹かれたんです。大学では食品関係の勉強をしていたのですが、コロナで実習がなくなったり、卒業した先輩の話を聞いたりして、違う道に進みたいと考えるようになりました。
「一度、県外に出て、一人で頑張ってみよう。」という気持ちも強くなり、ちょうどニッパーを作っている会社を調べていたところ、マルト長谷川工作所を見つけました。岩手出身で大学も岩手だったので、新潟は初めての地でしたが、県外での活動経験があったので、あまり抵抗はありませんでした。新しいことにチャレンジしようという気持ちが大きかったです。
Q. 現在、担当されているお仕事について教えてください。
神山さん:現在は、一番最初の工程である鍛造の現場で「ハンマー」をメインで担当しています。ハンマーは足で操作する大きな機械で、職人が材料を叩いて形を整える作業です。私は今年からメインで入るようになったのですが、まだまだ先輩に補助してもらうことが多いです。

ハンマー担当者は、ひたすら打つことに専念します。周りの補助メンバーが材料を供給したり、流れてきた製品を整えたり、型の準備をしたりと、バックアップしてくれます。みんなでチームになって一つの製品を作り上げるという意識があります。
Q. 入社して驚いたことや、大変だったことはありますか?
神山さん:一番驚いたのは、とにかく周りの人がフレンドリーなことです。黙々と作業する職人気質なイメージがあったのですが、職場の人も課外の人もすごく気にかけてくれます。特に、単身で知り合いがいない私にとっては、声をかけてもらえることが本当に心強かったです。
大変だったのは、三条市内の道です。特に、国道八号線などの大きな通りは走りやすいのですが、細い道に入ると一方通行が多くて、最初は慣れるまで少し怖かったです。今でも覚えている途中です(笑)。
Q. プライベートの時間はどのように過ごされていますか?
神山さん:基本的にはインドアなので、プラモデルを作ったり、映画を観たりしています。でも、入社してから会社の人にゴルフに誘ってもらい、打ちっぱなしに行くようになりました。新しい趣味ができて、仕事以外でも交流の輪が広がったのが嬉しいです。
「おやすみなさい」に込められた想い -家族的で温かい社風の秘密-
次は総務部の皆川さんにお話を聞きます。マルト長谷川工作所で15年以上勤務する中で見えてきた歴史や社風、やりがいについてお伺いします。
Q. 2008年に入社されてから、どのような道のりを歩んでこられたのでしょうか?

上の写真は総務部の皆川さん
皆川さん:入社当時は総務で採用されましたが、「まずは製造を知ってこい」と言われて、現場で働くことになりました。生産管理として2年ほど働いた後、品質保証に異動となり、ニッパーの切れ味検査を担当することになりました。最初は検査だけだったんですが、切れ味の悪いニッパーを自分で直しているうちに、ヤスリを使って切れ味を調整する「刃付け」ができるようになってきて。それがきっかけで刃付けの手伝いを頼まれるようになり、気づけば入社してから7年ほど経っていました。
その頃、当時の総務部長から声をかけてもらい、総務の仕事を少しずつ兼務するようになり、現在は総務部次長として働いています。現場の仕事を経験したことで、社員の気持ちや大変さがわかるようになり、今の仕事に活かせていると感じます。
Q. マルト長谷川工作所の社風について教えてください。
皆川さん:昨年の100周年を機に、過去の資料を調べたりOBの方々とお話する機会がありました。そこで分かったのが、昔から家族的な社風だったということです。
創業当時は、初代社長が社員を自宅に泊めたり、一緒に食事をしたりと、文字通り家族のように接していたそうです。その名残で、今でも社員が帰るときに「おやすみなさい」と言う文化が残っています。全員が同じ敷地内で働いているので、他の部署の人と顔を合わせる機会も多く、コミュニケーションが活発です。
また、3ヶ月に一度は全社員で集まって経営計画会議を行うので、会社の方向性を全員が共有できます。真面目に、そして素直に仕事に取り組む社員が多く、お互いの意見を受け入れられる風土があると思います。
世界を舞台に活躍する「やりがい」と未来への挑戦

Q. マルト長谷川工作所で働く「やりがい」とは何でしょうか?
皆川さん:最大のやりがいは、自分たちで製品を開発し、製造し、販売まで一貫して行えることです。当社の製品は、世界30カ国以上で使われています。自分が作った製品が、どんな場所で、どんな人に使われているのかを想像できるのが面白いですね。
実際に、海外の職人が、我々の製造した商品を使っている様子などを聞くと、仕事に対する誇りが生まれます。社員全員が、自分たちの製品に自信と愛着を持っています。


上の写真はマルトパドック。訪れた人は実際に商品を手に取り、購入することができる。ここが工場見学の出発点となるが、材料の投入から包装までを一貫して生産しているすべての工程を見学することが可能だという。
Q. マルト長谷川工作所の今後の課題と展望について教えてください。
皆川さん:昨年100周年を迎え、次の100年に向けての経営計画を立てています。現在の課題は、新商品の開発です。新しいアイデアはたくさんあるのですが、それを形にできる人材が不足しています。
今後は、高度な技術を持った人材を積極的に迎え入れて、新商品の開発はもちろん、作業の効率化・省人化も進めていきたいと考えています。それによって、手作業でしかできない繊細な工程や、付加価値の高い仕事に注力できる体制を整えていきたいです。
働く人々に優しい環境づくり
Q. 働き方について、特に伝えておきたいことはありますか?

皆川さん:当社において残業というものが、ほとんどありません。(月平均残業時間5.2時間※2024年時月平均)当社は海外への輸出が多く、年間でオーダーが決まっているため、急な納期というものが少ないんです。体力を使う仕事ではありますが、定時でしっかりと帰れるので、退社後の自分時間を確保しやすいです。
また、工場内には緑が多く、水槽を置いたりと、社員が自分たちで働く環境をより良くしようと活動しています。休憩時間には、仕事以外の趣味の話で盛り上がることも多く、職場全体が活気にあふれています。


工場内の各所に緑の空間や水槽がある。これは社員の提案と自発的活動によって維持されているそうだ。

工場内のトイレも新しく、クリーンな空間。まさに「トイレの神様」が宿りそうなほどの清潔さを感じられる。
求める人物像
Q. どんな人と一緒に働きたいですか?
皆川さん:当社の社員は、一言でいうと「真面目で、素直」な人が多いです。自分の意見をきちんと伝えられ、他者の意見も受け入れられる協調性のある方がいいですね。
そして何よりも、自分で考えて行動できる人。当社では、最初の工程である鍛造から包装に至るまで、工具づくりに必要な50以上の工程すべてを社内で行っています。だからこそ、ものづくりに深く関わりながら、さまざまなことにチャレンジできる環境が整っているんです。
こういった環境では、自分で考えて行動できる人が、やっぱり活躍していますね。真摯にものづくりに向き合いたいという熱い想いを持った方と一緒に働けるのを楽しみにしています。
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