株式会社サンクスホーム(本社:三重県津市)は、三重・愛知を中心に住宅事業を展開。特徴は「売らない営業哲学」と、未経験者でも成果を出せる「再現性のある仕組み」。
自社開発のミニマル平屋「LIMINI(ゼロLDK)」を軸に、新市場の開拓とDXビルダーズネットワークによる全国連携を推進している。
コロナ禍以降は資材高騰や物価上昇の影響を受けながらも、売上は25億円規模で推移。 2023年の社長就任以降は第二創業期と位置づけ、教育・コミュニティ・ネットワークを柱に多角化を進めている。

■プロフィール

会社名:株式会社サンクスホーム(本社:三重県津市)
代表者:代表取締役社長 䑓堂 貴也(だいどう たかや)
生年月日:1983年8月3日
出身地:愛知県犬山市
略歴: 幼少期はサッカーに打ち込み、協調性と主体性を培う。
思春期のヘアチェンジを機に自己肯定感が高まったことをきっかけに美容師に。
その後、未経験で住宅業界へ転身し、「家を売らない」「—顧客の人生に寄り添う提案」でトップセールスを確立。
商品・営業導線・人材育成を一体設計した“再現性のある仕組み化”で事業拡大を牽引し、2023年6月 代表取締役社長就任。

<大切にしている言葉>

「夢を語り続けろ」

■美容師から建築業界への運命の伏線

私はもともと美容師でした。毎日は充実していましたが、キャリアを築く中で次第に、将来への迷いが生まれました。技術を磨き、顧客に尽くしても、努力に見合った報酬が得られず、心身ともに疲弊していく先輩たちを多く目の当たりにしていたからです。
そんなとき、あるご高齢のお客様から思いがけない言葉をいただきました。長年私を指名してくださっていた方が、ふと「あなたはスポーツ系か、建築系の仕事が向いていると思う」とおっしゃったのです。
サッカーに熱中していた学生時代を思えば「スポーツ系」は納得できましたが、「建築系」は完全に想定外でした。
ただ、その言葉が妙に心に残り、自分の可能性を見つめ直すきっかけになったことは間違いありません。
そんなタイミングで、思いがけない事実を母から告げられました。「実は今お世話になっている会社がある」と。そしてその会社こそ、現在私が率いているサンクスホームだったのです。
後に母の再婚相手となった現会長と初めて会い、直接ビジョンを聞いた初対面の場で、私は衝撃を受けました。語られる言葉には熱量があり、「この人の下で、新しい挑戦をしてみたい」と直感的に感じました。
美容という世界から建築へ。業界も職種もまったく違う世界でしたが、この出会いがすべての転機になりました。

■家を売らないことが、成長の原点

住宅営業として新たな一歩を踏み出した私には、「売り方」がまるでわかりませんでした。だからこそ、他の営業マンとは異なるアプローチを取りました。
それは、聴くこと。
家族構成、休日の過ごし方、将来の夢や不安まで、お客様の人生に寄り添うように耳を傾け、暮らしを共に思い描くことを何よりも大切にしたのです。
この姿勢が徐々に信頼を呼び、紹介や指名が増えていきました。
結果として、気づけば社内でもトップセールスに。ただし、個人の力だけでは会社の成長には限界があると痛感していました。
そこで注力したのが、「人を信じて育てる、未経験者でも挑戦できる仕組み」づくりです。
私自身が未経験からのスタートだったからこそ、誰でも成果を出せる環境をつくりたい。そう強く想い、「出店戦略」「人材採用」「商品開発」を三位一体で整備し、入社当初は年間30棟ほどだった受注数を、現在では120棟規模にまで拡大することができました。

■常識を疑い生まれた「ゼロLDK」という発想とネットワークへの挑戦

こうした想いをカタチにした1つが、「ゼロLDK」というコンセプトで生まれたミニマル住宅『LIMINI(リミニ)』です。
どの業界にも往々にして常識という枠があるかと思いますが、住宅業界も同じで、間取りはこうあるべき、収納はこれくらい必要、土地は広い方が良い、などの固定概念があります。
しかし、あるホテルで過ごした空間体験を思い出しました。リビングと寝室がゆるやかに繋がる、無駄のない心地よさ。その感覚こそが、16坪の平屋「LIMINI(ゼロLDK)」の原型です。
この住まいは、必要最小限の空間としつつ、家具や衣類はサブスクで補うデザインを採用。住むことそのものが負担にならないように設計しました。
シングル、セカンドハウス、高齢者など、従来ターゲットではなかった層に特にこの発想は響きました。

■「商品力」と「営業力」を分離する、ネットワーク型の新戦略

こうして「商品力」を備えた段階で、「商品力」と「営業力」を分けるネットワークモデルをつくりたいと考え、工務店の全国ネットワーク作りました。名付けて「DXビルダーズネットワーク」。
これは、1棟あたりのフィーが不要なネットワーク型組織で、加盟店同士が商品やノウハウを相互に活用できる点が最大の特徴です。 たとえば、ある加盟店が開発したオリジナル商品を、別の加盟店がそのまま販売することも可能です。
さらに本部が集客から施工支援、営業研修まで一貫してサポートし、加盟企業の成長を全面的に後押ししています。
実際に、ある26歳の女性が未経験からネットワークに参加し、わずか3ヶ月で住宅受注を獲得した事例もあります。
現在は、住宅会社にとどまらず、不動産会社や新聞社、さらにはサウナ運営会社まで、多様な業種がこのネットワークに参加しています。繰り返しになりますが、目指すのは、「属人性に頼らず、仕組みで成果を出せる業界の未来」です。

■ 経営者としての信念と、これからの道

2023年6月、正式に社長に就任しました。
そこから「第二創業期」と銘打ち、ミッション・ビジョン・バリューを再構築。
住宅事業に加え、ネットワーク・教育・コミュニティ事業の柱を据え、揺るぎない基盤を築こうとしています。なぜなら、社員とその家族を守るのは、会社しかないからです。
常に胸に置いている言葉があります。
「成果は努力だけでは生まれない。正しい方向で努力しなければ意味がない」。
そして、「自分の視点を変えて見ること」。
正面だけでなく、横・後ろ・斜め。
違う角度から見ることで、答えは変わることがあると信じています。
また、自分の目標を言語化し、成果を数値化し、得意に集中することを大切にしています。オフタイムはサウナ・ゴルフを通じて頭と体を整え、異業種交流で新たな刺激を受けます。
そうして、自分自身を“整える”ことが、お客様と社員に対して良い仕事をするための源になると感じています。

■「夢を語る勇気」が、仲間を引き寄せる

いつも社員に「夢を語り続けよう」と言っています。夢が本質的に叶うかどうかは自分で見極める。
でも、その夢を誰にでも語ることで、同じ志を持つ人たちと出会い、共感して支え合い、共に道を切り拓けると信じています。
41歳を過ぎても、まだまだ道半ば。
けれど、どこかで応援してくれる人がいるはずと信じて、毎日を過ごしています。
これからの時代、住宅業界はかつてないほどの変革期を迎えます。
市場は縮小し、原価は高騰し、従来のやり方は通用しなくなってきました。だからこそ私は、変わることを恐れない。
夢を持ち続け、仲間と共有し、仕組みで未来を切り拓く。
それが、私の信じる経営のかたちです。

「ゼロLDK」のミニマル住宅『LIMINI(リミニ)』

工務店の全国ネットワーク「DXビルダーズネットワーク」の活動の様子

「夢を語る勇気」が、仲間を引き寄せる