フラペチーノはなくても、船ペチーノならある

「期間限定」——なんと心躍る響きだろう!
コンビニやチェーン店の限定メニューには、策略だと分かっていながらもつい惹かれてしまう。購買意欲をそそられる言葉だ。
しかし、隠岐にはコンビニも飲食チェーン店もない。テレビやネットでマックの月見バーガーやスタバの冬期限定フラペチーノの広告を見かけても、手に入れることはできないのだ。
「スタバの冬季限定クラシックショコラ…。いいな、飲みたいな…」
そんな思いで広告を眺めていると、スマホからインスタグラムの通知音が響く。通知音の正体は、私が足繁く通うカフェ『喫茶ゆらぎ』の新作案内だった。

「冬季限定『船ペチーノ』を始めました」

そうだ…!
隠岐には確かにフラペチーノはない。でもその代わり、船ペチーノがあるのだ!

隠岐には全国チェーン店こそないものの、独立系のカフェやお菓子専門店が頑張っている。各店が季節ごとに期間限定スイーツを提供してくれる。それぞれのお店には個性やこだわりがあり、それを味わうのもまた楽しい。
今回は、私が通うお気に入りの中から、無理やり絞り込んだ3店舗をご紹介しよう。

泊まれる喫茶店『喫茶ゆらぎ』

隠岐の玄関口「西郷港」のすぐ向かいに、一軒のホテルがある。その名も『hotelのち』。そして、その1階にあるのが『喫茶ゆらぎ』だ。

ずっと「1階にカフェがあるホテル」だと思っていたが、最近店長さんから「ここは『泊まることもできる喫茶店』」だと聞いて驚いた。カフェが本体だったとは…! いや、どちらが本体であれ、このお店が私にとって馴染みの店であることに変わりはない。

ドリンクや軽食を楽しみながら、フェリーを待つも良し。ゆったり読書を楽しむも良し。コワーキングスペースで仕事するも良し。カウンターで相席した他のお客さんと、楽しくお喋りするも良し。色んな過ごし方を許容してくれる…それがこの喫茶ゆらぎなのである。

ゆらぎには、少し風変わりなオリジナルメニューがある。それが前述したドリンク『船ペチーノ』である。このダジャレのような名前の飲み物について簡単に説明すると「フェリー型のクッキーが上に乗ったフローズンドリンク」である。これが季節ごとにフレーバーが変わるから楽しい!春はイチゴ、夏はマンゴー、秋はお芋、そして冬はチョコレート…という風に。見た目も愛らしいので、頼むとついつい記念撮影をしてしまう。

こちらは季節関係なくいつでも頼める『抹茶 船ペチーノ』

でも正直、冬に冷たいドリンクを飲むのは少々堪える…。そんな時はソイラテをお願いする。このお店の、スチームで丁寧に淹れられた、こっくりまろやかなソイラテが、じんわり体を温めてくれるのだ。

隠岐初のドーナツ専門店『ベイクハウス ベンチ』

約1年半前、Uターンした店長さんがオープンした、超人気のドーナツ店。
大きくてふわっふわの生地、見た目だけで美味しさが伝わってくるビジュアル。ファストフードに飢えた隠岐の人々(移住者含む)の心を、あっという間にガッツリ掴んでいった。
ショーウインドーに並ぶドーナツはどれも美味しそうで、毎回選ぶのに時間がかかる。
あ〜あ、もし私に 血糖値スパイクを耐えられる強靭な肉体 があれば、迷わず 「端から端まで全部ください!」 って言うのにな〜。

ちなみに、年明け最初の限定メニューは、出雲抹茶を使った「抹茶ドーナツ」だった。抹茶好きの私にとっては絶対に食べたい一品!と、意気込んでお店へ向かった。
到着したのは昼前。しかし、結果は惨敗…。開店直後に、あっという間に売り切れてしまったとのこと。無念…!

でも、それだけ多くの人に愛されているお店なのだと思うと、一ファンとして嬉しくもある。別の限定メニューを買って、楽しむことにしよう。

抹茶ドーナツの代わりに買って来た冬期限定ドーナツ『パウダースノー』ココア味のドーナツにホワイトチョコパウダーがかかっていて、とても美味でした♪

目と舌で季節を味わう『月あかりカフェ』

隠岐に古くからある和菓子屋「秀月堂」さんが営む、趣のある古民家カフェ。その佇まいは、田舎暮らしに憧れる女子なら 絶対好きになるヤツ。
店内には、色とりどりの帯や花、ちりめん細工があしらわれ、 純和風だけどモダン。可愛らしくも華やかで、温かみを感じる空間。
店主のセンスと細やかな気配りが光る、まさに 癒しのカフェ なのである。

窓からは八尾川が一望できる。たまに遊覧船が通る。手を振ると、船頭さんと観光のお客さん達が手を振り返してくれる。和やかなひと時。

こちらのお店も、期間限定・季節限定のメニューを次々と展開するので、つい通ってしまう。
中でも私のお気に入りは、季節の果物をたっぷり使ったパフェ。グラスに盛りに盛られたフルーツは、特別感があって見た目も華やかだ。
そして私は、自分へのご褒美として「大きな仕事を達成したときは、このお店のパフェを食べてOK!」と決めている。そう思うと、頑張るモチベーションも上がるのだ。

メロンたっぷりのパフェ。メロンとクリームのマリアージュが最高でした。

でも、このお店の一番の目玉『期間限定商品』といえば、やはり 『岩ガキバーガー』だろう。
バンズからはみ出るほど大きな LLサイズの岩ガキフライ が豪快に挟まれた一品。サクサクの衣に包まれたジューシーな岩ガキは、一口食べればその旨みが口いっぱいに広がる。
機会があれば、ぜひ読者の皆様にも味わっていただきたい。

付属の手作りタルタルソースがまた合うのよ。

以上、私の愛する期間限定スイーツを提供してくれるお店をご紹介した。
もし隠岐へ来ることがあれば、是非足を運んでみて欲しい。ただ、隠岐のお店は 野外イベントへの出店 などで急にお休みすることもある。訪れる前に インスタグラムなどで営業情報をチェック するのがおすすめだ。

それにしても、この記事を書いていたら無性にカフェ に行きたくなってきた。とんだセルフ飯テロ である。

週末は「ゆらぎ」へ行こう。
港に新しくできた スコーン専門店 も気になるし、「月あかりカフェ」の 冬季限定・自家製肉まん もまだ食べていない。

楽しみは尽きない。

月あかりカフェの会計カウンターの上にぶら下がる暖簾 人がデザートも食べようかどうしようか悩んでいる時に、この暖簾はズルい(笑)

 

▼あーささんの記事一覧

隠岐の自然に背を向け、私は引き籠る
《第1話》移住のきっかけ~
《第2話》地域おこし協力隊で漫画を描く【前編】
《第3話》地域おこし協力隊で漫画を描く【後編】
《第4話》隠岐の夏・隠岐の盆
《第5話》隠岐の虫事情
《第6話》大根の間引
《第7話》冬の憂鬱の特効薬?!隠岐の冬を10倍楽しむ方法
《第8話》隠岐ならでは?隠岐の『期間限定スイーツ』
《第9話》『隠岐移住の決め手は?→生活そのものがレジャー』

◆◇◆━━━━━━◇ プロフィール ◇━━━━━━◆◇◆

【ペンネーム】あーさ
【居住市町村】隠岐の島町
【UターンorIターン】Iターン
【移住前の居住地(都道府県)】愛媛県
【年代】40代
【お仕事】漫画家
【好きなこと】仕事で漫画を描くこと 趣味で漫画を描くこと
隠岐の美味しいご飯屋さん巡り インコを吸うこと
【Love shimaneとしてひと言】
隠岐の島町に愛鳥と共に移住して早4年。暇さえあれば家にこもって漫画を描いているため、まだ訪れたことのない隠岐の観光地がたくさんあるという、なんとも残念な体たらく。
そんなインドア派でオタクでおひとり様の私ですが、ここ隠岐の島町で豊かな暮らしを楽しんでいます。
普段は引きこもり、たまに外に出て隠岐の自然や人々との交流を楽しむ…そんな私の日々の感動をお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。