「移住して収入が減っても、生活は成り立つんですか?」
そんな言葉を、移住相談の中でよくいただきます。魅力的に見える暮らしほど、現実に引き寄せて考えると、不安になるものです。
※この連載では、「おすそわけでつながる暮らし」を4つの視点から紹介しています
▶ 違和感からはじまる
▶ 【この記事】暮らしは本当に成り立つのか
▶ 暮らしはどうやって形になっていくのか
▶ 暮らしは何で満たされるのか
※気になる回からでも読めます
北海道下川町で移住コーディネーターをしている立花です。第1回では、「このままでいいのかな」と感じる違和感についてお話ししました。今回は、その先にある“暮らしの中身”についてご紹介します。
実際に暮らしている方々を見ていると、ひとつ感じることがあります。それは、暮らしは「お金だけ」で成り立っているわけではない、ということです。
おすそわけで、暮らしは回っていく
畑で採れた野菜や、手づくりの保存食。「これ、食べきれないから」と渡したものが、別の形になって返ってくることがあります。それは、得か損かでやり取りされるものではなく、ゆるやかに“回っていく”感覚です。必要なものをすべてお金で手に入れるのではなく、人とのやり取りの中で受け取っていく。そうした関係の中で、日々の暮らしが成り立っています。
また、こうした環境の中では、暮らしそのものが学びになっていきます。誰かの仕事に触れたり、人との関わりの中で役割を持ったりしながら、日々の中で自然と経験が積み重なっていきます。
そして、小峰さんの暮らしには、どさんこ馬との時間もあります。思いと行動が一致していなければ伝わらない、自分の状態がそのまま現れる存在。そんな関係の中で、自分自身と向き合う時間が生まれていきます。
「減る」だけではなく、「増える」もの
もちろん、こうした暮らしは楽ではありません。手間もかかるし、思い通りにいかないことも多い。それでも続いているのは、単に我慢しているからではありません。収入が減る代わりに、人との関係や、季節の変化、自分の手でつくる実感が増えていく。「減るもの」と「増えるもの」が、少しずつ入れ替わっていく感覚です。だからこそ、「生活が成り立つかどうか」という問いも、少しずつ違った意味を持ちはじめます。
第1回で触れた違和感に対して、この暮らしはひとつの現実的な形を見せてくれます。これは、誰かにとっての正解ではありません。ただ、その中にある考え方や視点は、自分の暮らしを見つめ直すヒントになるはずです。
暮らしの中身を、もう少しのぞいてみる
気になるエピソードから、ぜひ読み進めてみてください。
EP.2 物々交換で紡ぐ、地域との縁
EP.3 地域という学びの場で、子どもと共に育つ
EP.4 馬とふれあうことで広がる、心と体のリハビリ
※この連載では、「おすそわけでつながる暮らし」を4つの視点から紹介しています
▶ 違和感からはじまる
▶ 【この記事】暮らしは本当に成り立つのか
▶ 暮らしはどうやって形になっていくのか
▶ 暮らしは何で満たされるのか
続けて読むなら、「暮らしはどうやって形になっていくのか」から。
