地方移住してからの仕事が不安。ならば地域のお助けマンはいかがでしょう? サラリーマンで経験してきたことが、きっと地方で役立つ。国は地域おこし協力隊の隊員数の倍増計画を掲げた、地方企業も副業正社員という新しい働き方を提案している。きっとあなたの経験を待ち望んでいる地域があるはず。
この記事の目次
地方のお助けマンになろう!
地方移住を考えた時、仕事が一番大きな問題だ。今の仕事をテレワークで継続できれば良いけど、出来ない場合のBプランを考えておきたい。と言っても起業するとか、就農するという話ではない。地域のお助けマンになろうというお話し。地域おこし協力隊員や地域企業での副業正社員など、お助けマンの活躍の場が広がっている。
総務省は、地域おこし協力隊を現状の5500人から2024年度に8000人とする目標を掲げた。今年からは「地域おこし協力隊インターン」と「地域プロジェクトマネージャー」制度もスタートさせた。自治体によっては、民間企業から広報戦略など副業人材も受け入れている。地方でお助けマンが活躍できる環境が整ってきた。
地方に優秀な人材を集めるための動き
地方に優秀な人材を集める動きが、より具体化されてきた。新型コロナの影響で地方移住が注目され、テレワークという新しい働き方が浸透してきたのも大いに影響している。
・地域プロジェクトマネージャー制度がスタート(地域おこし協力隊の次のステップとしてもあり)
・優秀な人材、専門スキルを持つ人への報酬額アップ(地域プロジェクトマネージャーは650万/年)
・地域副業のマッチングプラットフォームが続々登場(Skill ShiftやGlocal Mission Jobsなど)
・副業正社員という新しい働き方(大手企業はじめ副業が解禁)
・地域おこし協力隊員が増員(5500人→8000人)
地方移住検討者としては、自分に何ができるかを棚卸ししつつ、地方に求められる人材であるよう日々切磋琢磨したいものだ。自分を必要としてくれる地域へ移住できるなら、それほど嬉しいことはない。
地域おこし協力隊のイメージが変わった
ある自治体さんから地域おこし協力隊に興味ありますか? と連絡を頂いた。あるも何も、「地域おこし協力隊員」は自分には関係のない仕事と思っていた。地域の何でも屋さんで、給料も安く、役所に期限付きでこき使われる仕事と思っていた。今、思えば、何とも貧素な知識と想像力で、我ながら恥ずかしい。
ご担当者の方と現役の地域おこし協力隊員の方のお話しも聞いて、これは「あり」だなと思った。本業を辞めなくても出来る。もちろん住民票を移して移住することは前提条件だけど、週3休みで、テレワーク勤務も可能という。給与やサポート費(家賃やガソリン、通信費など)なども手厚いと感じた。本業を副業にして、地域おこし協力隊を本業にしても良いと思った。
最終的に、お話しを頂いた自治体での地域おこし協力隊への応募は見送ることにした。今年4月からの移住が必須条件だったので、家族のことを考慮した場合見送らざるを得なかった。でも、お話しを頂いて、その概要や地域おこし協力隊について、より深く知ることが出来て良かった。
地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターンとは?
■地域おこし協力隊とは?
地域おこし協力隊は、地域ブランドの開発や商店街活性化、住民の生活支援などが主な活動。任期は1〜3年、その後の定着率は6割り程度。自治体からの支援額は年間440万円。
■地域おこし協力隊インターンとは?
地域おこし協力隊がよりイメージできるように、2週間〜3ヶ月程度のインターン制度を2021年からスタート。学生はもちろん社会人も参加でき、より本気度の高い人材の獲得を目指す。
地域プロジェクトマネージャーとは?
地域活性化において、地域おこし協力隊で成果を出している自治体も多いが、長期的な取り組みが難しかったり、優秀な人材を確保できない自治体も多い。また外部組織と連携して取り組むような自治体プロジェクトでは、それらをマネジメントできる人材が不足している。そこで総務省は、地域活性化におけるプロジェクトをマネジメントできる人材「地域プロジェクトマネージャー」を任用できる支援措置(地方財政措置)を新たに創設した。
■制度概要
人物像
・地域の実情の理解、専門的な知識、仕事経験を通じた人脈、受入団体及び地域との信頼関係 etc
・地域おこし協力隊OB・OG、地域と関係の深い専門家 等
地方財政措置
・地域プロジェクトマネージャーの雇用に要する経費を対象に、650万円/人を上限に特別交付税措置(1市町村あたり1人を上限)
地域要件
・3大都市圏内又は3大都市圏外都市地域から、条件不利地域へ住民票を異動(地域おこし協力隊と同様)
・ただし、現地の協力隊から任用される場合には移住は求めない。
今回の制度は、年間650万円に支援額が増えたことに加え、対象となる人材について「地域おこし協力隊」の経験者やコンサルタントなど専門性の高い人たちが想定されている。より高額の報酬を実現することで、専門性の高い地域おこしプロジェクトの実現を目指す。
地域活性化に求められるスキルとは?
もちろん各自治体によって求められるスキルは違うのだろうが、ひとつだけ言えそうなことがある。それは「デジタルで改革を加速できる人であれ」ということ。スキルが足りないと思うなら、会社が取り組んでいる「新しい働き方」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)」などのプロジェクトに積極的に参画しスキルを磨けばいい。
ある自治体の職員さんが言っていた。「専門的な知識をもった優秀な人よりも、やる気があってコミュニケーションが取れる人の方がいい」と。地域のことを真剣に考え、自分の出来ることをしっかり周りの人に伝えることができれば、きっと地域のお助けマンにはなれるはず。
地域おこし協力隊などの仕事情報の収集について
以下のような地域情報プラットフォームで確認可能。
Nativ.media > 地域おこし協力隊
ニッポン移住・交流ナビ JOIN > 地域おこし協力隊
筆者の地方移住の進捗
会社がリモートワークを推進していることもあり、移住へのハードルはかなり下がった。とは言え、大学までは都内で学びたいという娘の要望があるため、完全移住は少し先になりそう。なので第一ステップとして週末移住あるいは週中移住を検討中。家族としては、私が単身移住することで、ひと部屋自由に使えることになるし、思春期まっさかりの娘にとってパパ不在は願ったり叶ったりらしい(笑)
今のところ、移住第一ステップとして都内アクセスが良いテレワーク移住を検討
・山梨県(都留市、大月市、甲州市)
・茨城県(結城市、那珂市、土浦市)など