公益財団法人東北活性化研究センター(会長:増子 次郎・東北電力㈱会長)は、「副業・兼業による新たな人材・人口還流方策」報告書を公表いたしました。
本報告書では、働き方改革やコロナ禍の影響を受けて新たな働き方として関心が高まっている副業・兼業について、首都圏人材および東北圏企業を対象にアンケート調査を実施し、地方での副業・兼業意向および副業・兼業人材受入れ意向を把握し、東北圏への人材・人口還流を促す上での課題と対応策を提案しております。
<報告書本編PDF>
https://www.kasseiken.jp/kassecms/wp-content/uploads/2022/02/03fy-03-00.pdf
<プレスリリース資料>
https://www.kasseiken.jp/kassecms/wp-content/uploads/2022/02/20220218_press02.pdf
アンケート調査概要
アンケート調査概要
回答者属性
回答者属性
アンケート結果から明らかとなった都市部人材の地方における副業・兼業の意向と実態
首都圏在住の20~60代有職者を対象としたアンケート調査から、首都圏人材の地方企業での副業・兼業に関する意向や実施状況などを把握し、副業・兼業への興味関心別に分析を行いました。アンケート調査の主なポイントは以下の通りとなりました。
① 副業・兼業実施・実施意向者の割合は半数超となり、年代が低いほど実施意向者が多い
② 副業・兼業に興味関心を抱いたきっかけは昨今の働き方改革やコロナ禍の影響によるキャリアの見直し
③ 都市部人材が希望する副業・兼業先地域の割合は、9割が首都圏で、地方圏は1割(うち、東北圏は2.8%)
④ 地方での副業・兼業を希望する理由には、「(希望する仕事があれば)地域はどこでもよい」「地方でチャレンジしたい」という2つの傾向がある
⑤ 東北圏での副業・兼業に抱かれるイメージはネガティブなイメージ(「報酬が少なそう」「求人が少なそう」など)が多く、他の地方圏とイメージの差別化が図られていない
⑥ 副業・兼業先企業を選定する際の重視点は、柔軟な勤務形態や明確な仕事内容の提示など
⑦ 地方の副業・兼業先企業を探す手段として、人脈や民間のマッチングサービス活用への期待は高い
⑧ 副業・兼業先の仕事内容に期待することは、副業・兼業を長期で続けられることや副業・兼業を通じたスキルの向上
⑨ 副業・兼業先の地域に期待することは、多様な人材の受入れに対して寛容であることや休暇を取りながらリフレッシュできる環境
⑩ 地方企業での副業・兼業実施者の総合的な満足度は、仕事内容が明確であることや勤務形態が柔軟であることを中心に総じて高い
⑪ 地方企業での副業・兼業実施者のうち、地域に愛着を持つ人の割合は約6割、地方への移住や二地域居住の意向がある人の割合は約5割
都市部人材の地方企業での副業・兼業プロセス
3つのアンケート結果(「①全体調査」「②地方抽出調査」「東北圏企業調査」)をもとに、首都圏を含む都市部人材の地方企業での副業・兼業プロセスを体系的に整理しました。当該プロセスは2つのフェーズから構成され、フェーズⅠは都市部人材が副業・兼業に興味関心を持ち、地方企業での副業・兼業開始というゴールを目指す準備段階(5つのステップ、2つの課題)、フェーズⅡは実際に地方企業での副業・兼業を開始し、その先に地方への移住や都市部との二地域居住を実現するまでの段階(5つのステップ、3つの課題)となっています。
さらに、各フェーズのゴールを目指す上で障害となる課題を解決し、東北圏への人材・人口還流を促すべく、企業
や地域、自治体、金融機関、経済団体に向けて5つの方策を提案しております。
都市部人材の地方企業および地域との持続可能な関係構築プロセス
課題と対応策としての提言