福島県一の商業都市郡山市から車で30分程に位置する田村市は、豊かな自然に恵まれ、1年中天の川が見られるほど夜空が澄んでいる星の町。
田村市の観光名所「あぶくま洞」に隣接する「星の村天文台」では、星空観察や県内一大きい望遠鏡を使った太陽観察、プラネタリウムなどを体験することができます。

今回は、天文台の台長を務める大野裕明さんと、息子で副台長を務める大野智裕さんに「星の村天文台」について教えていただきました。

星の村天文台の名物親子

鍾乳洞という“地底の宇宙”があるから、“本物の宇宙”として天文台が作られた

天文台がある田村市滝根町には、悠久の歴史が作り上げた「あぶくま鍾乳洞」「入水鍾乳洞」があります。「地底の宇宙」とも言われ、いくつもの鍾乳石が立ち並ぶその姿はとても幻想的。そんな「地底の宇宙」に対し、「本当の宇宙も見せたい」という想いで、1991年に星の村天文台は創設されました。当時の滝根町は、鍾乳洞と天文台を町おこしの中心に据え、「天に星、地に鍾乳洞、人に愛」という標語をかかげました。

星空観察だけじゃない!昼でも夜でも楽しめる充実コンテンツ

星の村天文台の建物に入ったら、まずは入口の券売機で目的のチケットを購入します。天文台で提供している主なメニューがこちら↓
・県内一大きい望遠鏡見学(晴れていたら太陽観察付き)
・夜間公開(夜の星空観察)
・プラネタリウム上映

夜間公開は日時が指定されているので、あらかじめホームページで確認してからお出かけください。
おすすめとしては、せっかく来るなら、望遠鏡を使った天体観測とプラネタリウム両方を楽しめる組み合わせチケット(大人1枚¥900)。

【開始時間】
プラネタリウム:10:00~、11:00~、12:00~(土日祝日のみ)、13:00~、14:00~、15:00~、16:00~(夏期限定)
巨大望遠鏡見学:10:35~、11:35~、13:35~、14:35~、15:35~(夏期限定)
※開始時間は変更になる場合があります。最新の情報は、星の村天文台までお問合せください

目的のチケットを購入したら、所定の時間に合わせていざ、天体観測のスタートです。
実際のコースを案内していただきました。

福島県最大の65cm反射望遠鏡見学(1回の定員15名/所要時間約15分)

まずは入口を入って進み、階段を3階まで登ります。3階に着いて屋上にでると、目の前には阿武隈高原を見渡す雄大な景色。さすが標高640m!夜間公開時は、こちらで肉眼での星空観察も行います。そこから連絡橋を渡り隣の建物に入ると、噂の巨大望遠鏡。ゆっくりと自動で屋根が開き、快晴の下、その姿がはっきり映し出されます。

晴れの日は、太陽専用望遠鏡を使って太陽を観察。黒点や、場合によっては太陽の表面に炎が噴き出したようなプロミネンスと呼ばれる現象を見ることができます。今は太陽が活発な周期にあり、太陽観察に適している時期だそう。太陽を見てみたい!という方は今この時期をお見逃しなく!

星空観察時は、巨大望遠鏡で月や木星、火星など、様々な惑星を観察することができます。

せっかくなので、この望遠鏡がどのくらいすごいのか聞いてみました。例えるなら、「20キロ先のゴルフボールが見える」すごさだそうです。距離だけではなく明るさにも関係していて、人の目(視力2.0)で見られる星が6等星までだとすると、この望遠鏡を使えば21等星まで見ることができるそうです。(想像もつかない数の星が見られそうですね)

この望遠鏡を使えば未知の惑星だって発見できちゃいます。実際、台長や副台長の名前が付いた小惑星があり、それぞれ「Hiroakiohno」「Tomohiroohno」と名付けられています。

プラネタリウム上映会(1回の定員60名/所要時間約30分)

入口に戻り、一度本館を出てすぐ隣の建物へと向かいます。そこにあるのは60人を収容できるプラネタリウム。上映されるストーリーは、星の村天文台で手作りしたオリジナル。その年の宇宙関連のニュースや天文イベントの話題を取り入れ、年に2,3本は新調しています。何回来ても新しい映像が見られるのはうれしいポイント。

サービス精神旺盛な大野さん親子。今回も実際にプラネタリウムを使って「都会の星空」と「田村で見られる星空」を比較して見せてくれたり、冬の天の川を見せてくれたりと、要所要所で好奇心をくすぐる説明が盛沢山です。

そのほかの見どころ、遊び処

1.化石鉱物発掘体験コーナー(1回¥600)
「化石鉱物発掘」なんだかワクワクする響きですね!星の村天文台では、化石鉱物発掘体験ができるコーナーを用意しています。白っぽい土?粘土?のようなものが入った容器を掘ってみると…中には化石や宝石、鉱石がざっくざく!

2.宇宙関連の本コーナー
星の村天文台の入口を入ってすぐ右側には、一段高くなったお座敷席が用意してあります。周りには、天文に関する本や雑誌、漫画、図鑑、資料などがずらっと並んでいます。まるで図書館。実際に星を観察して興味が湧いたら、ここのお座敷でじっくり星について調べてみるのも、良い勉強になりそうです。

3.グッズ販売
星の村天文台の1階では、宇宙関連のグッズ販売も行っています。星座早見表や組み立て式望遠鏡などの星観察グッズはもちろん、本や雑貨、ケーキやアイス(!?)などの宇宙食も購入することができます。

一番の見どころは、大野さん親子の宇宙解説♪

宇宙を知って、実際に宇宙を見て、ロマンあふれる星の村天文台ですが、一番の見どころはなんといっても大野親子の宇宙解説。この親子が宇宙の話を始めたら、もう誰も止められない!!というか、おもしろくてずっと聞いていたい!

実際に今回ご案内いただいた中でも、
「ウルトラマンの星(M78)って本当にあるって知っていました?Mのつく星雲や星団、惑星は全部で110番まであるんですよ」
「アニメで言えば、キャプテンハーロックや宇宙戦艦ヤマトは、現実に忠実に描かれています。イスカンダル(宇宙戦艦ヤマトに出てくる架空の星)は(地図を指さして)この辺りに存在している設定です」
「宇宙には、一面ダイヤモンドの星もあるんです」
と、私たちの身近な話題からどんどん宇宙の話へと広げてくれます。

「地球と同じ物質でできている惑星がいくつかあることも、すでにわかっています」そう言われると、「え!じゃあ宇宙人いるじゃん!」「将来、地球人が他の惑星に移住することもあるのかな?」と、どんどん興味や疑問が沸き起こってきます。
こんなに楽しい授業は、学校ではなかなか受けられません。

宇宙についてたくさん話を聞いて、もう日も暮れかけたころ、外に出るとそこにはきれいなお月様。それを見た瞬間の大野副台長。「あ!月が見えていますね」と早速どこからか個人用の望遠鏡を持ってきて、セッティングを始めました。そして「月、見てください」と勧めてくれた望遠鏡をのぞくと、そこには肉眼で見るのとは全く違った、とても大きくて、リアルなお月様。「月のウサギはこの部分…スマホで写真撮りますか?あ、木星も見えますね。ちょっと調整するので待っててください」
最後まで、サービス精神旺盛な大野さんです。

スマホで撮影してもらったお月様

田村市は、関東の光が届かない星空がきれいに見える町。
ぜひ1度、宇宙のロマンをのぞきに、遊びに来てください。

 

今回お話を伺ったお一人、大野裕明さんの紹介記事はこちら↓

星の村天文台についてのお問合せ

星の村天文台

住所:〒963‐3602 福島県田村市滝根町神俣字糠塚60‐1
電話番号:0247‐78‐3638
URL: https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/20/
休館日:毎週火曜日(12~3月中旬は火・水曜日、年末年始休館あり)
駐車場:200台(無料)

移住に関するお問合せ

たむら移住相談室

電話 :050-5526-4583
メール:contact@tamura-ijyu.jp
URL  :https://tamura-ijyu.jp/
※たむら移住相談室は株式会社ジェイアール東日本企画と(一社)Switchが共同で運営しております。