花桃やヤマシャクヤク、ウグイスと共に迎える春、アジサイを始め、カエルやセミの鳴き声が盛り上げる夏、コスモスやトンボが告げる秋の訪れ。

福島県田村市にある「薪の里ながとろ」は、そんな草花や虫の変化から季節の移ろいを感じられる自然豊かな花園です。「自然環境を守りたい」という管理者の佐藤満雄さんが実家の山を整備し、10年以上をかけて見事な花園を作り上げました。数年前から地域の人に開放し、今では誰でも自由に訪れることができます。

自然観賞だけではなく、ピザ窯、焚火スペース、焼き芋窯や休憩場所も整備されているので、自然散策や森林浴はもちろん、子どもの自然体験にもおすすめです。

管理者の佐藤さんに、薪の里ながとろを案内していただきました。

見どころ① 森林浴や自然観察におすすめ!絶滅危惧種も自生する森の散策

訪れたのは4月の中旬。薪の里ながとろはこの時期、一面赤、白、ピンクの花桃で覆われます。黄色い菜の花とのコラボレーションや花桃のトンネルなど、満開の花桃に囲まれた様子はまさに桃源郷のよう。

「花園入口」とかかれた看板から遊歩道に沿って進むと、その先は木漏れ日が差し込む森の中。足元をよくよく見ると、様々な草花が芽吹いているのがわかります。ヤマユリ、カタクリ、ユキザサ、アマドコロ、クサソテツ、どれも元々この山に自生していた植物です。

佐藤さん「この山は、50年近く放置されていたんです。整備していくうちに段々と色んな植物が芽吹いてきました。種が残っていたんでしょうね。中には今では絶滅危惧種に指定されている『ヤマシャクヤク』や『クマガイソウ』、栽培が非常に難しいとされる『キンラン』も自生しています」

【クマガイソウ/絶滅危惧種】

【ヤマシャクヤク/絶滅危惧種】

遊歩道には木や竹のチップが敷き詰められており、足元はフカフカ。聞けばこのチップ、山の整備で倒した木を砕いて使っているそうです。その他、あちこちに置かれている休憩用の椅子やテーブルも、山から切り出した木を利用しています。山のものは山へ返す。自然環境を守りたいという佐藤さんのこだわりです。

地元を象徴する移ヶ岳(うつしがたけ/標高994m)が一望できる展望台で、休憩がてらお弁当を広げて眺める景色は最高です。

【展望台から見える花桃と移ヶ岳】

見どころ② 県外の専門家も注目する希少生物の生息地

2022年、自然環境保護のため、虫が生息する環境を守ろうと『第1回全国クワガタサミット2022』が田村市で開催されました。その際、サミットに参加した日本各地からの虫専門家が昆虫採集に訪れたのが、この薪の里ながとろです。

珍しいクワガタやチョウチョはもちろん、山間に広がる田んぼや池では、何種類ものカエルやイモリ、トンボ、ドジョウなどが生息しています。

中でも薪の里ながとろに生息する「アカハライモリ」は生息地が限られており、県外の研究者が調査に訪れる程貴重な生物です。清流などが存在する極めてキレイな自然環境でしか生きられないゲンゴロウやギンヤンマも、ここ薪の里ながとろには生息しています。

佐藤さん「ぜひ休みの日には、子どもたちと昆虫採集に訪れてほしいですね。虫が多いということは、自然が豊かな証拠です。ここでしか見られない生き物をぜひ観察してみてください」

【人と虫と植物が共生する薪の里ながとろ】

見どころ③自然の恵みを享受できる充実の設備!

見て楽しむだけが薪の里ながとろではありません。薪の里ながとろには、様々な設備が用意されています。焚火場や、ピザ窯、焼き芋窯、囲炉裏など、来た人が「食」や「交流」を楽しめる場所、薪風呂や屋内休憩室などの休憩施設も備えています。

屋内休憩室があると、小さなお子さんのおむつ替えやお昼寝スペースとしても使えるので、お子様連れのご家族にはとってもありがたいですね。

【ピザ窯(右)と焼き芋窯(左)】

【ヒノキが香る薪風呂はシャワー付き】

【数棟ある東屋の1つ】

地元の小学生が見学に来た際には、みんなで焼き芋パーティーをしたり、田舎体験イベントでは、東屋を使って木工ワークショップを開催したりと、交流や自然体験の場としても活躍しています。

【上2枚:イベント開催時の様子】

これらの設備を使いたい方は、事前に管理者の佐藤さんまでご相談ください。

 

いかがでしたか?
大人から子どもまで楽しめる薪の里ながとろ。
日常の忙しさから一歩離れて、たまにはのんびり季節の変化を感じて、楽しんでみてはいかがでしょうか。

薪の里ながとろは基本的に出入り自由です。
虫の生息地は花園から少し離れているので、場所を知りたい方は事前に佐藤さんまでお電話をお願いします。

 

薪の里ながとろについて

住所:福島県田村市船引町長外路字西ノ久保116
電話: 0247-76-5550
入場料:無料
Instagram: https://www.instagram.com/makinosatonagatoro/
(インスタグラム始めました。四季折々の山野草を中心に紹介しています)
HP: http://www.kansoumaki.com/nagatoro/272.html
(薪の販売もやっています)

※佐藤さんのご厚意で開放している花園です。佐藤さんや近隣の方の迷惑になる行為はご遠慮ください。

 

この記事を読んで田村市での生活に興味を持った方、移住を検討している方は、お気軽にたむら移住相談室へご相談ください。

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