和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
マルサン野田商店(株式会社野田商店)
住所:和歌山県海南市藤白189-1 事業内容:乾物の販売・食品の卸売
大阪や関西国際空港からのアクセスが良く、都会と自然のあいだに位置する海南市。古代の甘味・橘が植えられていたことから「お菓子発祥の地」と呼ばれています。海南市の橘本神社では、毎年4月に全国銘菓奉献祭が行われ「お菓子の街」としても知られています。
そんな海南市で食品の卸売業「マルサン野田商店」を営むのは、野田智也さん。食品を給食事業者や小売店などへ配送する卸売業と、量り売りの乾物や乾物を使ったスイーツなどを取り扱う「3時のかんぶつ屋さん」を運営しています。
乾物という伝統的な食材を使い、子どもにも食べやすく栄養価の高いスイーツを作っているマルサン野田商店。「3時のかんぶつ屋さん」にはひじきのシフォンケーキ、ごまのプリン、わかめのパウンドケーキなどの乾物スイーツが並びます。
「3時のかんぶつ屋さん」はスイーツを中心に取り扱っていましたが、2021年にこだわりのある食品やストーリー性のある商品も提供するセレクトショップへとリニューアルされました。昔ながらの食材を大切にしながらも、現在の消費者のニーズに合わせた食品も取り扱っています。
今回体験できる内容
今回の体験では、卸売の仕事から小売の仕事まで幅広い業務を体験できます。乾物スイーツ作りやお店での販売業務のほか、希望があればルート配送の仕事にも同行できます。また「3時のかんぶつ屋さん」を開くまでの道のりについてお話を伺うこともできます。
もともと食品の卸売業のみ展開していたマルサン野田商店。野田さんが3代目を継いでから、「マルサン野田商店らしいオリジナルのブランドを持ちたい」と考えるようになりました。
創業者である野田さんの祖父がかつて乾物屋に丁稚奉公していたことから、乾物にスポットを当てたいと思い、考えついたのが乾物スイーツでした。
周囲の力も借り、1年以上試行錯誤の末に「ひじきシフォンケーキ」が生まれ、「3時のかんぶつ屋さん」をオープンしました。
将来、自分のお店や食品のセレクトショップを開きたい人にとって、多くのヒントを得られる時間になることでしょう。
しごと・暮らしの特徴
マルサン野田商店の代表にとどまらず、地元の観光協会にも携わっている野田さん。お菓子の街・海南の魅力を広めるため、市内の小学校や幼稚園で出張教室を行ったり、「海南市お菓子の振興に関する条例」を推進したりと、地域とつながりながら活動しています。
「海南に来て、人に話したりSNSで発信したりして何らかの形で海南のスイーツを広めてくれたら嬉しい」と野田さんは話します。
お菓子だけでなく、みかん発祥の地とも言われる海南市。収穫から2〜3ヶ月ほど蔵の中でじっくりと熟成させて出荷する「蔵出しみかん」は海南市の特産品です。
地域を巻き込みながら「スイーツの街」としてますます盛り上がりを見せる海南市にぜひ訪れてみてください。
スケジュールイメージ
1日目(10:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.3時のかんぶつ屋さんの仕事の説明/会社(倉庫や工房など)案内
(ルート配送:配送先や回るエリアについて説明)
3.3時のかんぶつ屋さんの店頭販売の見学・お手伝い
2日目(8:00~12:00)
1.ルート配送希望ありの場合:配送同行
2.かんぶつ屋さん:スイーツづくりの見学・店舗販売の見学・お手伝い
3.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答
※仕事の状況により変更があります。
補足事項
最少催行人数:1名
宿泊場所 :近隣宿泊施設
体験経費
参加費:無料
宿泊費:3,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:実費負担
交通費(自宅~集合場所):実費負担