福岡県への移住や就職に興味のある方向けに、地域や仕事場に訪れ、
「くらし」と「しごと」を体験いただく企画が「福岡くらしごと体験」です。

利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。

cafe＆gallery SIKI（試器）

住所：福岡県朝倉市杷木星丸1167-1／事業内容：飲食店の経営、器の仕入れ

福岡県朝倉市は、福岡県の中央に位置する自然豊かなまち。九州一の河川である筑後川が流れ、漁業や農業がさかんです。

朝倉市の杷木地区で、食事と食器を楽しめる”cafe＆gallery SIKI(試器)”の店主である加藤美咲さんは「食器を試せる」をコンセプトにしたお店を運営しています。

”cafe＆gallery SIKI(試器)”は、加藤さんが作った料理を、隣町の東峰村で作られている小石原焼の器に盛り付けて提供。お昼のランチは日替わりで、選べるメイン料理の他、惣菜はビュッフェスタイル方式。棚に並ぶ好きな器を選び、食事とともに使ってみることができます。

気に入った器があれば、ギャラリーで新品の器を購入することができる、試着ならぬ「試器」ができる希少なcafe&gallery。

「洋服を試着するみたいに、器も試せるところがあったらいいなと思って。料理も好きだったので、器を試せるというコンセプトにしました」

ありそうでなかった、器を試せるお店。地域の伝統的な焼き物である小石原焼の魅力を届ける加藤さんのもとでの、しごと暮らし体験をご紹介します。

今回体験できる内容

”cafe＆gallery SIKI(試器)”での体験は、営業日はお客さんが使用した食器洗いや厨房業務、接客などがメイン。水・木の定休日は、器の仕入れや料理の仕込みなど、幅広い体験もできます。

料理はすべて加藤さんの手作り。お客さんの流れを考えて、メニューや仕込みの量などを工夫しているといいます。
cafe＆gallery SIKI(試器)は現在、一緒に働いてくれるスタッフも募集しています。田舎へ移住したいけど働ける場所があるかわからないといった人にもおすすめです。
もちろん、将来自分のお店を持ちたいと考えている人や、地域貢献の仕事に興味のある人、かつて加藤さんが活動していた地域おこし協力隊（※後述）の仕事に興味のある人も大歓迎。
伝統的な器は、知れば知るほど奥が深く、つい集めてしまいたくなります。料理や器といった「人の手」で作ったものを仕事にする体験を、加藤さんのもとでしてみませんか？

偶然の縁が重なってうまれたアイディア、”試器”

杷木地区出身の加藤さんは、元々自衛隊に所属しPRの仕事をしていたそう。その後、隣接する東峰村で地域おこし協力隊として活動をはじめ、小石原焼の器を販売するギャラリーの仕事に携わっていたといいます。

「はじめから興味があったわけではないんですが、関わっているうちにハマってしまって。器ができるまでの工程を知ったり、職人さんの想いを感じたことで、自分にできるかたちで地域貢献したいと思うようになりました」

元々料理が好きだったという加藤さん。得意な料理と小石原焼を組み合わせ、小石原焼の器を試せるお店を作ってみたいと思ったのだそう。

「杷木地区は災害があって、自衛隊時代に派遣されたことがあるんです。地元に戻ろうと思ったタイミングで地域おこし協力隊の募集を見つけて。たまたま携わったギャラリーで小石原焼の器が好きになって…それが今の活動に繋がっています」

昼営業では小石原焼の器に興味のあるお客さんが多く、夜の営業では地元のお客さんがメインだそう。加藤さんは、今後は福岡以外でも同じコンセプトのお店を展開してみたいと、明るい笑顔で展望を話してくれました。

福岡県は移住先として人気ですが、地域によってさまざまなカラーがあります。地域の人たちとの繋がりの中で暮らしたいという人にとって、”cafe＆gallery SIKI(試器)”での体験は、新しい繋がりを得るひとつのきっかけになるのではないでしょうか。

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