橋本 果奈(はしもと かな)さん
[大阪府]→[高知県]→[串本町]
―串本町に移住し、2022年から「シェアハウス&ゲストハウス はこにわ」を運営する橋本さんに「移住」と「起業」、和歌山での暮らしを実現するまでのお話を伺いました―
串本町を選んだ理由
橋本さんは元々、高知県にて、地域おこし協力隊として活動。任期終了後、高知県でゲストハウスの運営を行っていました。その後、住みたい理想の地域を探すことに。
自然が好きなので山、海、川全ての自然が豊かな地域を探していたそうです。
「まずは、『全国サンゴ礁マップ』を見て決めようと思いました。そのマップでは串本町にサンゴ礁が多かった。沖縄県の離島も候補にはありましたが、移住前から飼育しているヤギを診てもらえる病院が離島にはなかったので、関西か四国で移住先を検討しました」とのこと。
移住経験者である橋本さんは串本町に滞在し、地域の人々との出会いや住まい探しをする中で、移住を決めたそうです。
「よそ者(地域外から転入する人)に対して抵抗がない、逆に言えば、移住者だからと特別扱いもされない」「自分の生活も大事にしたい、でも田舎の良さも感じることができるちょうどよいところ」というのが住んでみた感想とのことです。
起業について
「最初はゲストハウスを始める予定はなかったんですが、良いお家に巡り会えたので、ここでゲストハウスをしたらおもしろそう」と思った橋本さん。「高知県ではできなかったことを、ここでチャレンジしたい」との思いで起業に向けて取り組んだそうです。
串本町役場の移住担当職員の方から「県内で事業をはじめるなら・・・」と、「わかやま地域課題解決型起業支援補助金」を紹介され、申請に着手。「申請するのに、事業計画書の作成やプレゼン資料の作成が大変だった」とのことで、自宅をゲストハウスと兼ねるため「家庭用」と「事業用」の線引きが難しく、大工さんに何度も見積書を作成してもらうことに。役場の移住担当職員の方にも色々調べてもらいながら、申請を行い、補助金の採択を受けることができたといいます。
補助金申請の事業計画を考える中で、事業の「軸」をどの様にしようかと考えていた時に、「始めるゲストハウスは、庭での作物づくりを連想してもらい『箱庭』をつくるように、ここに来た人たちが自分たちの暮らしを作っていけるような場所にしたい」という想いに至り、ゲストハウスの名前を「はこにわ」に決めたそうです。
「はこにわ」をみんなで作った
インターンにはベッドづくりや壁紙貼り、ヤギ小屋づくりなどを手伝ってもらっていました。中でも畑の開墾が一番助かったとのこと。インターンで来た農学部の大学生からは、土づくりから、ヤギとカモの糞尿を原料にした堆肥(たいひ)づくりのアドバイスをもらうなど、学ぶことも多くありました。インターンの方とは、今でも良い関係を保っているとのことです。
これからは移住者支援のために
「シェアハウスは自治体が実施している“お試し移住住宅”を意識しています。」
串本町のお試し移住住宅は、特に夏場には満室となり、移住を検討している人でも断る場合や宿泊日数に制限があるとのこと。「はこにわ」はリーズナブルな価格設定にしているため、「町のお試し移住住宅を利用するように、移住を考えている人に使ってもらいたい」とのこと。
また、自身も移住経験者であるため、移住相談を含め、移住を検討している人の色々な相談にのることができると考えており、「今後は、オンライン相談や、移住体験合宿などにも取り組んでいきたい」と意気込みを話されていました。
まずは、一度現地をゆっくり見ることが大事
「人伝いに良い地域と聞いても、それが本当に自分にとって良い地域(自分に合う地域)とは限らない」。勢いで決めてしまうのではなく、「じっくり地域を見てみることから始めてみてはどうか」「自分と地域とのミスマッチがなるべく生じないよう、『はこにわ』を拠点としたお試し移住をおすすめしたい」とのことです。
―今後については、「もっと楽しい場所にして、色んな人が集まる場所に育てていきたい。体験とかをもっとできるようにしていきたい」という抱負を話されていました。そして、「もっと地元の人達と仲良くなりたい」と楽しそうに語る姿が印象的でした。移住を考えている方は、「はこにわ」を拠点に現地に飛び込んで、現地の生の情報を取りに行ってみてはいかがでしょうか―
取材日:2023年7月4日
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