石田さんは、50代後半の好奇心旺盛なおじさん。
ずっと夢見ていた北海道移住を決意して、東京で長年勤めていた職場を前年度末で早期退職。2022年4月から移住先を探すべく、おひとりで下川町でお試し暮らしを始めました。徒歩と自転車で生活中。
下川町での1ヶ月、何を感じ、この先どのような道を進んでいくのでしょうか?
下川町や北海道に移住を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
以下、石田さんご本人が書いてくれている日記です。
5月2日(月)
下川町は昨日からちょっと天候不順です。今日もちょっと冷え込んでいてジャンパー程度の上着がないと寒いです。
北海道新聞が好きで今朝もセイコーマートまで買いに来ました。
そんなに大きくない下川町の町中ですがまだ足を踏み入れていない郵便局のあたりを知りたいので行ってみることにしました。
国道を真っ直ぐ東に進み矢内菓子舗の交差点まで来たところ何やら空模様がかなり怪しく雷鳴⚡️が聞こえてきました。ふと振り返ったら南西の空が真っ暗です。
さすがにマズいと思い近くのnicot(ニコット、最近開店した食品も扱う日用品店)に避難しました。お買い物をして出てきたら道路に水溜まりができるほど一気に雨が降った後でした。
一旦ヨックルに退避するためにコモレビの前を歩いていたらタウンプロモーション推進部の方とバッタリ、地元の方が言うには「南西の空が曇ったら天気が悪くなる」ということを知りました。
よく見るとまだ空模様がよくないのでこの日は町歩きをやめてヨックルで過ごすことにしました。
お試し体験生活は1ヶ月あるので焦る必要はないのでマイペースで町を歩くことにしました。
5月3日(火)
朝から弱い雨、気温も最高でも10℃には届きません。しかし、地元の中学生はハーフパンツにTシャツで自転車に乗ってました~、若い(笑)
そんな天気なので先週の買い物時に忘れてしまった薬を買いに再度名寄市まで行くことにしました。
下川町には町立病院の裏に薬局はありますが、ドラッグストアはありません。そのため場合によっては名寄市まで買いに行くこともあります。
下川バスターミナルから名寄駅まで路線バスに乗り、そこからショッピングセンター(西條)までは先週来たばかりなのですぐに到着。
前回見落としたツルハドラッグが少し小さめですが1階にありました。探していた薬も無事購入できました。
ついでと言ってはなんですが、下川のスーパーマーケットでは魚にあまりお目にかかれなかったので、今夜の晩御飯のおかずも一緒に買うことにしました。
冷凍のホッケと生鮭の切り身、タコのぶつ切り、刺身ワカメも購入。野菜売り場では下川町産のしいたけとジャンボいんげんなるものも発見、食べ方は後で考えるとして買い物かごに入れてレジにて精算。
帰りのバスまで少し時間があるので他のフロアーも探検して下川町行きの路線バスにて帰ってきました。名寄市から下川町までは路線バスも本数があるのであまり不便を感じることはありません。
追伸ー北海道で見つけた食材
①下川町産のしいたけ
菌床栽培された地元下川町のしいたけ。厚みもあり風味豊かです。
②ジャンボいんげん
北海道産とは書いてありませんが長さが30㎝くらいあるいんげんです。筋が少なく柔らかな食感で食べ応えがありました。
5月4日(水)
今朝は朝からあいにくの雨で、気温も低く寒いです。ゴールデンウィークあたりでも冷え込むことはあるとは聞いていましたが本当でした(笑)
昼前にタウンプロモーション推進部の方から僕と同じように移住を検討されている若者が来ていて「モレーナへ案内するので一緒にどうですか?」との願ってもないご連絡を頂きました。
モレーナは下川町を知った時から是非とも訪れたいと思っていたレストランです。写真で見ていたお店の雰囲気はまさにタイムスリップしてドラマにでも出てくるような雰囲気、名物のインドカレーも楽しみですが、店主さんが飼われているマリオ(ワンちゃん)とアーネスト(猫ちゃん)に会いたくて仕方ありません。
モレーナに到着するとお店の外までマリオがお迎え、しっぽを振って歓迎してくれているように思えました。アーネストは当然店内のストーブの前の椅子の上で気持ち良さそうに寝ています。
一緒に行った若者と共に一瞬にしてやられてしまいました~(笑)
店主お手製のインドカレーを二人で食べながら移住のことや下川町を訪れようと思ったこと、それぞれの夢や思いを話し合ってしまいました。
まだ会って30分も経っていないのに話は尽きることなく2時間近くも過ぎてしまいました。とても素晴らしい出会いを与えて頂いたことに感謝しています。
マリオは食事中も近寄ってきてくれてとても接待上手でした~。
追伸ー町内の気になるお店に行ってみました。
⑤レストラン「モレーナ」(HPができました)
北町にある町中からは少し離れているレストラン。お店の中は懐かしい昭和のメロディが流れ、店内の雰囲気と共に一気に引き込まれます。
世界中を旅した店主さんの旅の記録を記した本やポストカードも販売されています。
本日のメニューは店内奥のボードに書かれてありました。
名物はインドカレーです。
5月5日(木)
朝、気温は低いものの天気はすごく晴れ渡りました。
昨日出会った若者がタウンプロモーション推進部を通して下川町を自転車で回るツアーを申し込んであり、僕も自転車を趣味にしていることもありツアーに誘ってくれたので遠慮なく一緒に出かけることにしました。
午前9時にコモレビに集合。
ツアーガイドは地蔵サイクルの田中さん、皆さんからはヤスさんと呼ばれていて、とても話しやすい方です。ヤスさんも埼玉県からの移住者で、副業をしつつツアーガイドをされています。
用意してくれた自転車はマウンテンバイクと電動アシスト自転車だったので若者にマウンテンバイクを任せて、僕は楽チンな電動アシスト自転車です
\(^-^)/
コモレビから名寄本線が走っていた道を進み下川町に2ヶ所だけ残っている踏切跡を見てから名寄川支流を渡る鉄橋で一息、そこから名寄川沿いのサイクリングコースを走りました。
風は少し寒いですがとても気持ち良いです。遠くにまだ雪が残る山々、木材を燃料にして発電する発電所、牛の堆肥を満載したでっかいトラクター、下川町に初めて入植した岐阜県の方たちが暮らしていた地域に架かる岐阜橋、美瑛を思わせるような丘等下川町の暮らしや産業、素晴らしい風景等3時間のツアーでもとても満足感あるものでした。
お昼に町中に戻ってきたのでヤスさんセレクトではるころカフェでぶっかけうどん(天ぷらものっていて600円!!)の昼食を頂いてツアー終了。
とても満足です🚴♀️
夕方ヨックルのコテージにいたらどこか覚えのある匂いがしてきました。ツアーの時に何台もすれ違った牛さんの堆肥を沢山積んで走っていたトラクターのあの匂いです。
天気もよくなり牧場から運んで畑とかに撒いたんだと思います。現場を見ていたので納得です(笑)これも北海道らしさの一つと感じました。
5月6日(金)
昨日までの気温の低さが嘘のように暖かく、、、というより暑いくらいになりました🌞
今日は予定を立てていないので10時過ぎまでゆっくりしてからヨックルにあるレンタサイクルで昨日案内してもらったルートを1人でトレースしてみることにしました。
まだ、そんなに下川町の道に詳しくはありませんが、生来お気楽なんで、まぁ、何とかなるでしょう~(笑)いざ、出発~🚴♀️
出発してすぐに喉の渇きを感じましたが、飲み物を持ってくることを忘れていました。下川は東京と違いそんなすぐに自動販売機はありません。コンビニも町内に一軒なので飲み物を持参することの大切さを知りました。たまたまコモレビに自販機があることを覚えていたので立ち寄ってお水を確保して一安心です(笑)
昨日は三人の団体行動ですが、今日は気ままな1人での自転車旅なのでめちゃめちゃマイペースです。昨日通過した三の橋やさくら堤防、名寄川に架かるちゅうおうはしを渡り下川商業高校にも立ち寄って本当にポタリングです。
そうこうしているうちにレストラン「モレーナ」へ向かう道を渡ろうとしたらお腹はそんなに空いていないのにマリオ会いたさにモレーナに向かっていました。ちょうどお昼時に到着し、自転車でもマリオがお出迎えしてくれました~✌️
お客様がある程度少なくなったら、店主の栗岩さんがお得意のギターを弾きながら「時代」や「あの素晴らしい愛をもう一度」「なごり雪」「花はどこに行った」「アザミ嬢のララバイ」「Stay By Me」等など、次々と懐かしいメロディを披露してくれました。僕も中学生の頃からギターを弾いたり、文化祭では演奏を楽しんでいたのでつい口ずさんでしまいました。
音楽を楽しんだ後栗岩さんと下川のこと、海外で生活していたこと、移住するきっかけのこと、下川町に移住して来る人のこと、住んでみての感想や楽しいこと、マリオとアーネストのこと等次々話してしまいまたまた長居をしてしまいました。
なお、モレーナで提供しているケーキは近くの方が石窯を使って焼いているスペシャルなものでお店で食べられるのはモレーナだけとのことです。今度はケーキを食べに行きます(笑)
このまま帰ってしまうとあまりに短いので、モレーナを出発してさらに名寄川沿いに走ったところ舗装路がいきなり途切れてしまいました。どうやら道を間違えてしまったようで迷子になってしまいました。
最悪戻ればいいと思い未舗装の道をしばらく進んでいくと大きめな道路にぶつかりました。どうやら国道のようで少し先に町並みや看板が見えたのでそちらに進んでいくとセイコーマートにたどり着きました。迷子から無事に脱出できました~\(^-^)/
いい歳して何をやっているのやらですが、こんなのも楽しみながらやっています。
5月7日(土)
朝のうちは晴れているのでさっさと起きて今日はコテージの部屋の掃除と洗濯Dayです。
東京で暮らしていたら無駄に睡眠をむさぼりますが、下川町に来てからは寝るのも早いし、その結果起きるのも早くなり健康そのものです(笑)
今日はヨックルの暮らし方を少し書いてみます。
コテージには掃除用具も用意されていますが部屋の中はすべてフローリングなのでクイックルワイパー(バッチリ商品名(笑))の方が手軽に早く掃除ができそうなので町中のnicotでとうとう買ってきてしまいました~。帰る時どうするのかは、、、その時考えます(笑)
部屋を見渡すとそんなに汚れは見当たりませんが玄関、キッチン、リビング、トイレ、洗面所、寝室をスイスイとクイックルしたらビックリするくらいホコリが取れました。毎日ではないけど掃除機をかけていたのにな~(笑)
それから生活するとごみはどうしても出てしまいます。ヨックルでは以下の6種類に分けます。
今回僕は1人で生活していますが、今日で13日目になります。
東京では2日か3日で45リットルのごみ袋1つを出しているのに、下川町で暮らしてみてごみがすごく少なくなっているのを感じています。今までで排出したのはリサイクル・プラの1袋だけでした。
なお、ヨックルでは生ごみはコンポストで処理するのでごみにはなりません。
5月8日(日)
昔はどんな田舎町でも町民の娯楽として映画館があったものですが、今はシネコンみたいに施設も設備も多大になり、下川町のような小さい町で映画を見ることは難しくなってしまいました。
下川町で起業型の地域おこし協力隊として活動している安部さんは、そんな中でも知恵を絞って、映画館がない下川でも映画が楽しめるような取り組みを行っています。将来的には町内で映画館を作ることを目標としているそうです。
5月7日(土)と5月8日(日)、下川町の恵林館(元営林署)の建物を利用して上映されます。こんな機会はなかなかないので昨晩早速出かけ、沢山の町民と映画&ライヴを楽しみました。上映されたのは「バグダッド・カフェ」という映画です。
映画はアメリカの砂漠に佇む寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」に集う人々の交流を描いたヒューマンドラマ。
ドイツから夫と共にアメリカ旅行に来たジャスミンは、夫婦ゲンカの末に車を降りてモハーベ砂漠にあるモーテル兼カフェの「バグダッド・カフェ」にたどり着く。
バグダッド・カフェにはいつも不機嫌な女主人と一癖も二癖もあるような人々が集い、いつも気だるい雰囲気が漂っていた。しかし、ジャスミンの出現により彼らの心が次第に癒されていくというストーリーです。
僕は日本語しかわからないので、字幕を追うとスクリーンになかなか集中できないのですが、それなりに楽しめました。
会場には町の人たちの協力でソファーが集められていて、スクリーンも結構大きく本格的です。50人は入れる部屋でしたがほぼ満員。大人も子供も楽しんでいました。
また、会場には安部さんに協力する町内の事業者たちがカフェを設置しています。メニューはクッキーやラムバーガー、飲み物等が楽しめます。
この日は映画だけではなく、町に住む音楽家たちが演奏するライヴもありました。映画の中で流れていた「Calling you」から始まりボサノバやジャズ、ワルツ等夜遅くまで楽しめ、大満足なひとときでした。
こんなことが楽しめる下川町はとても素晴らしいなと感じました。
▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■▢■
石田さんの『お試し暮らし』二週目の様子、いかがでしたでしょうか?
つづきはまた次回・・・
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※下川町産業活性化支援機構タウンプロモーション推進部は、2024年4月より社名が一般財団法人しもかわ地域振興機構(しもかわ財団)に変わっています。