和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
はこにわ
住所:和歌山県東牟婁郡串本町田原3647番地 事業内容:ゲストハウス&シェアハウスの運営・管理
「海と山、両方があるところに住みたかったんです」
航空写真とサンゴマップを片手に旅をしながら移住先を探し回っていた橋本果奈さんは、サンゴ礁のある海から目と鼻の先という立地ながら、裏手には里山が広がる理想的な空き家を見つけ移住します。そこで開業したのが、田舎暮らしが体験できるゲストハウス&シェアハウス「はこにわ」です。
「はこにわ」がある串本町は、橋杭岩や海金剛などの自然が生み出す迫力ある絶景スポットをはじめ観光資源が豊富なエリア。新型コロナウイルスが5類感染症に移行した2023年の夏には、観光客数が前年度比で30%以上増加しました。
最近では、町内にある日本初の民間ロケット射場「スペースポート紀伊」から第1号ロケット「カイロス」の打ち上げが計画されていることもあり、「はこにわ」への問い合わせも一段と増えているそうです。
「朝、山を散歩してから仕事に取り掛かったり、天候の良いタイミングを見計らって海に出たり」フットワーク軽く自然を楽しめるのが田舎暮らしの良さだと橋本さん。
ゲストハウス&シェアハウスのお仕事をお手伝いしながら、海水浴をしたり、釣りをしたり、温泉に行ったり、地元グルメを味わったり…、串本町の魅力を存分に味わってください。さらに地域のイベントへの参加や滞在者との交流を通じて、その時々の出会いを楽しみましょう。
「あれもやりたい、これもやりたい、ここに連れてってほしい、こんな話聞きたい!と貪欲に田舎暮らしを満喫したい方には、充実した体験が提供できると思います」
今回体験できる内容
「はこにわ」は、1泊から利用できるゲストハウスと移住希望者向けの1週間の短期滞在から数ヶ月、年単位の長期滞在まで受け入れ可能なシェアハウスを併設した宿泊施設です。
「夏の繁忙期には、ゲストハウスを中心にお部屋の掃除やセッティングなどの受け入れの準備をお願いします。希望者にはDIYのお手伝いをしていただいても面白いかな」
「庭にある畑や温室で農作業をしたり、飼育しているヤギやカモの世話をしたり、焚き火やバーベキューを楽しんだり、夜には満天の星空が眺められ、リアルな田舎暮らしを体験できます」と橋本さん。
「海が近いので、風で海の塩が飛んできて畑で作っている野菜が枯れてしまうこともありますが、この辺りは、温暖な気候で雨も多いですし、家庭菜園ぐらいの規模なら作物も育てやすいんですよ」
また、空き家をリノベーションしているので、不要になった家具や廃材などの処分も地味に大変な作業なんだとか。湿気で傷みの激しかった床板は、(公財)わかやま産業振興財団のわかやま地域課題解決型起業支援補助金を活用して貼り替えました。
こうした暮らしのリアルは、実際に滞在してみないとわかりません。移住相談にも応じている橋本さんなら、空き家の見極め方や自治体支援などの活用法、地域の方との付き合い方など田舎暮らしを始めるためのノウハウを惜しみなく教えてくれますよ。
しごと・暮らしの特徴
大阪府の中核市で育った橋本さんは、自然の中での暮らしを求めて大学卒業後、地域おこし協力隊として高知県に赴任します。2度の移住経験が橋本さんの強みです。
自身も移住者だからこそ、「本格的な移住の前に田舎暮らしを体験できて、同じ立場の人とつながれるような場所があれば、もっと不安や孤独を解消でき、安心して移住できるのではないか」と「はこにわ」を開業したのだそうです。
「移住を考えている人にまずお話しするのが、気になっている地域に滞在し、現地の方と交流して自分との相性を確かめることと、自分がどんな暮らしを実現したいのかを自己分析することの大切さです」
橋本さん自身、地域おこし協力隊の任期終了後には、生活の糧を得るためWEBデザインの仕事をしていた時期もありました。しかし今は、「自然に関わる比重を増やしたい」とジオパークガイドの仕事を始め、いずれは「はこにわ」発のツアーを作ろうと自分の理想に向かってチャレンジを続けています。
自分にとって心地よい暮らしと仕事のバランスを追求するためにも自己分析が大切なんですね。
「はこにわ」は、田舎暮らしに興味がある人たちが集まって暮らしを創造することができる場所です。ここで、橋本さんと一緒に自分に合った田舎暮らしのスタイルを見つけてみませんか?
体験スケジュール
1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.「はこにわ」の仕事の説明
3.仕事のお手伝い
・清掃、草取り等の施設メンテナンス
※実際の仕事状況によって変更があります。
2日目(9:00~17:00)
1.仕事のお手伝い
・農作業や動物の飼育
・施設内のDIY作業
・清掃、草取り等の施設メンテナンス
2.地域交流体験
・周辺環境の見学や地域の方とのふれあい
※参加者の希望や実際の仕事状況によって変更があります。
3日目(9:00~15:00)
1.仕事のお手伝い
・清掃、草取り等の施設メンテナンス
2. 地域交流体験
・施設内でバーベキューまたは釣りと魚料理体験
3.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答
※実際の仕事状況によって変更があります。
注意事項
最少催行人数:1名
宿泊場所 :はこにわ
集合場所:はこにわ
体験経費
参加費:無料
宿泊費:5,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:自費負担
交通費(自宅~集合場所):自費負担