和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
株式会社エンジョイワークス
住所:和歌山県紀の川市粉河2086(MIKASAKAN) 事業内容:不動産業、建築設計、ファンド事業、まちづくり、空き家再生等
2005年に打田・粉河・那賀・桃山・貴志川の5つの町が合併して生まれた紀の川市。その一つ粉河町は、1,300年の歴史を誇る粉河寺の門前町として栄えた歴史のある地域です。
粉河寺は、日本最古の観音巡礼「西国三十三所巡礼」の第三番札所。JR粉河駅から粉河寺へ向かう「粉河とんまか通り」は、かつては約180もの店舗が軒を連ねる商店街でした。しかし、現在はそのほとんどが暖簾を下ろしています。
そんな「粉河とんまか通り」の地域活性化に紀の川市と連携して取り組んでいるのがエンジョイワークスです。遊休不動産・空き家を活用したまちづくりに長年携わってきました。
2024年6月には、粉河寺の目の前にある大正時代創業の旧旅館「三笠館」をリニューアルオープンさせ、「MIKASAKAN」とし、地域に賑わいを取り戻すための一歩を踏み出しています。
「まちづくりは、ハード面以上にソフト面の整備が重要」と語るのは、エンジョイワークス事業企画部マネージャーの彼末茂樹さんです。地域住民のベクトルを合わせて、成功体験を積み重ねていく中で、いつのまにか地域住民が主体となっている姿が理想的だと話します。
地域の方々を巻き込んだ「価値共創」を目指すエンジョイワークス。この体験で、地域の人や歴史・文化を最大限に活かして、魅力を引き出す「エリアリノベーション」の真髄を学んでください。
「地方にチャンスを見出し、地域活性化の担い手として活躍する可能性を探りたいという方にぜひ来ていただきたいです」
今回体験できる内容
「MIKASAKAN」は、カフェ、宿泊、サウナの機能を兼ね備えた複合施設です。大正レトロな風合いの残る客室が4室用意され、カフェでは、紀の川市のフルーツをふんだんに使ったスイーツを提供しています。
開業したばかりの「MIKASAKAN」は、より効率的な運営オペレーションを整えていかなければなりません。接客や清掃などの施設運営のお手伝いをしながら、新事業をどう軌道に乗せていくのかを学びましょう。
リノベーション後に生まれた開放的なウッドデッキでは、マルシェや映画祭などのイベントを開催するなど、集客につながる「MIKASAKAN」の活用方法も模索中です。
「例えばイベントの企画を考えてみたり、粉河を活性化するための情報発信の方法を考えてみたり。クリエイティブなアウトプットにも挑戦してもらいたいですね」
そう話すのは、地域活性化起業人として現地に出向しているエンジョイワークス事業企画部の和田拓将さんです。
地域活性化起業人とは、自治体が民間企業の社員を一定期間受け入れ、社員の専門的な知見や、ノウハウを活かしながら、業務に従事することで地域の価値向上に繋げる取り組み。紀の川市では、地域おこし協力隊の受け入れ業務をエンジョイワークスに委託し、地域活性化起業人の元で協力隊員が活動する体制を整えています。
「すでに2名の協力隊員が活動中で、現在さらに1名募集しています」
今回の体験では、和田さんの元でエンジョイワークスのまちづくりに触れることができる上に、紀の川市の地域おこし協力隊として働くイメージを掴める点も特徴です。
さまざまな形で粉河に関わる方々と交流し、自分と地域との関わり方を見つけてみてはいかがでしょうか?
しごと・暮らしの特徴
「自分の役割は、プロジェクトに携わる“チーム”の仲間の輪を大きくし、“街の人を主役にする”ための後方支援」と和田さんは言います。
本格的に活動拠点を粉河に移してからは、地元の方と空き家のDIYを一緒に進めたり、粉河をより良くするためのアイディアを出し合ったり。地域の方々を巻き込むための場作りを積極的に行ってきました。
2023年に4年ぶりに開催された紀州三大祭「粉河祭」では、オープン前の「三笠館」2階のスペースを開放して地元の方々に観覧を楽しんでもらったそうです。こうした積み重ねが、地域住民の理解と協力を引き出しているのでしょう。
「聞く姿勢を持つことが本当に大切」
和田さんはプロジェクトを進めるために、地域住民との関係構築に力を入れてきました。地域住民も一枚岩ではありません。地域の方々と一対一で丁寧に向き合うコミュニケーション能力が求められます。和田さんの仕事ぶりに接して、まちづくりに関わるための心構えを身につけましょう。
「今後は、空き家を提供したいオーナーと新たに事業を始めたい人を結びつけて商店街に新たなお店を増やしていきたいですね」
空き家の活用方法や、事業アイデアを自分の得意な分野を活かして提案してほしいと和田さん。一緒に活動するスタッフの中には、空き家から出る古材を再生させる事業を起こしたいと語る家具職人の方もいるそうですよ。
地域活性化を成功に導くためには、共創パートナーの存在が不可欠です。これからますます広がる粉河の仲間の輪に、自分らしく関わっていきたい方をお待ちしています。
体験スケジュール
1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.「粉河とんまか通り活性化プロジェクト」の説明
3.「エンジョイワークス」の仕事の説明
4.仕事のお手伝い
・MIKASAKANの運営業務(接客、清掃等)
※実際の仕事状況によって変更があります。
2日目(9:00~17:00)
1.仕事のお手伝い
・MIKASAKANの運営業務(接客、清掃等)
・イベント開催に関する業務
・空き家再生事業に関する業務
2.地域交流体験
・地域住民・事業者、スタッフ等との交流
※実際の仕事状況によって変更があります。
3日目(9:00~15:00)
1.仕事のお手伝い
・MIKASAKANの運営業務(接客、清掃等)
・粉河のプロモーションに関する業務
2.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答
※実際の仕事状況によって変更があります。
注意事項
最少催行人数:1名
宿泊場所 :粉河のシェアハウス(エンジョイワークス運営)
集合場所:MIKASAKAN
体験経費
参加費:無料
宿泊費:3,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:自費負担
交通費(自宅~集合場所):自費負担