2011年の福島第一原子力発電所事故による避難指示が徐々に解除され、新たなまちづくりが進む福島12市町村(南相馬市、田村市、川俣町、浪江町、富岡町、楢葉町、広野町、飯舘村、葛尾村、川内村、双葉町、大熊町)。この地域は多様な働き方ができる地域として現在注目されており、自然環境を活かした農林水産業から、医療・介護などの専門職、ドローン・ロボット開発などの先端産業まで幅広い仕事の選択肢があることから、新たなチャレンジに訪れる移住者が年々増加傾向にあります。

今回はそんな福島12市町村の暮らしや文化、多様な働き方ができる環境について詳細に紹介します。アンケート回答によるプレゼントもご用意しておりますので、移住に興味のある方はぜひご一読ください。

ふくしま12市町村の「食」「自然」「文化」を楽しむ

海の幸「常磐もの」

福島の沿岸地域は常磐沖とよばれ、カレイ・タコ・ウニ・サンマ・サバなどさまざまな魚が水揚げされます。黒潮と親潮がぶつかり合うこの海では、黒潮とともにやってきた様々な魚が親潮で発生した豊富なプランクトンを食べて育つため、身が引き締まり、昔から「常磐もの」と呼ばれ上質な海の幸として名産となっています。

秋から冬にかけては、1mを超えることもある「寒びらめ」が獲れたり、「鮟鱇(あんこう)」は全国有数の漁獲量を誇ります。また、福島12市町村の近隣に位置する相馬市では、12月になると太平洋側随一の「ズワイガニ」の水揚げ地、相馬市松川浦漁港でたくさんのズワイガニが水揚げされています。

ヒラメのお造り

あんこう鍋

ズワイガニ

ブランド地鶏「川俣シャモ」

川俣町で飼育される「川俣シャモ」は全国的に知名度のあるブランド地鶏です。江戸時代に絹織物の生産で栄え、町の旦那衆が闘鶏用に飼っていたシャモ(軍鶏)を食用に改良した「川俣シャモ」は、適度な弾力の肉質と噛んだ瞬間に広がる旨味が特徴で、全国から取り寄せされているブランド地鶏です。

川俣シャモ

自然の恵みたっぷりのふくしま12市町村はレジャーも楽しめる!「カリフォルニアライディング」「ホップガーデンオートキャンプ場」など人気キャンプ場を紹介

福島12市町村には人気のキャンプ場もたくさんあります。例えば南相馬市の「カリフォルニアライディング」。全国でも珍しい、馬と一緒に過ごせるキャンプ場です。乗馬クラブと10区画のキャンプサイト、バーベキュー場が一体になっていて、キャンプをしながら乗馬体験や餌やり体験を楽しめます。

全国でも少ない馬と一緒に過ごせるキャンプ場「カリフォルニアライディング」

飯舘村の「村民の森あいの沢キャンプ場」も人気です。自然の中でのんびりリフレッシュしたい人におすすめで、「宿泊体験館きこり」が同じ敷地内にあり、日帰り入浴や岩盤浴で体をゆっくり休めることができますし、テニスコートや遊歩道、自然体験学習館などもありファミリーでもグループでも楽しめるキャンプ場です。

日帰り入浴もできる飯舘村の「村民の森あいの沢キャンプ場

さらに田村市には「ホップガーデンオートキャンプ場」があります。標高700mの自然豊かな阿武隈高地の中央に位置する自然公園「グリーンパーク都路」内にあり、隣接するクラフトビール醸造所『ホップガーデンブルワリー』の作りたてクラフトビールが味わえます。

また広大な自然公園内には、ディスクゴルフコースやスポーツ広場があり、ボールやフリスビー、自転車、ディスクゴルフ、インラインスケートなどの貸し出しもあります。クラフトビール好きの大人も、外遊びが好きな子どもも、どちらも思い切り楽しめるキャンプ場となっています。

クラフトビール醸造所『ホップガーデンブルワリー』の作りたてクラフトビール

その他にも人気のキャンプ場は各地域にあります。自然やレジャーが好きな方はぜひ楽しんでみてください。

キャンプ場の詳細はこちら
https://mirai-work.life/magazine/6310/

1000年以上の歴史を誇る神事「相⾺野⾺追」

また、福島12市町村は歴史と文化を楽しめる地域でもあります。全国的に知名度のある「相⾺野⾺追」(そうまのまおい)は毎年5月の最終土・日・月曜日の3日間にわたって行われます。1000年以上の歴史を持つ文化を受け継ぐ神事として、国の重要無形⺠俗⽂化財にも指定され、今も全国から多くの方が観覧に訪れています。400騎あまりの騎馬武者が駆け抜ける「甲冑競馬」や御神旗を数百の騎馬武者が奪いあう「神旗争奪戦」の迫力は圧巻です。

神旗争奪戦©Mai Shionuma

幅広い選択肢から新たなチャレンジができる地域「ふくしま12市町村」

福島12市町村はスタートアップビジネスに適した環境が拡大していることも魅力の一つです。ドローン開発や自然エネルギーなど今後注目が集まる分野や、映像や広告クリエイティブに関わる仕事など、挑戦できるビジネスの幅は多岐にわたります。働き方も様々で移住起業をされる方から、就職をして地域の企業で働く方、さらにはリモートワークで都市圏の仕事をしながらフリーランスとして活動する方まで様々です。

また、移住支援金が他地域と比較して手厚く、福島県外の全国からの移住を対象としています。家族移住の場合で最大200万円支給となり、東京圏からの移住者のうち子育て世帯には18歳未満の子ども一人につき最大100万円が加算となります。さらに起業をされる場合には起業経費の4分の3以内、最大400万円が補助されることもあり幅広い選択肢の中で新たなチャレンジができます。

さらに各地域には共創の場があり、南相馬市にある「小高パイオニアヴィレッジ」や大熊町にある「大熊インキュベーションセンター」などは新しいことにチャレンジしたい人が集まる代表的な施設となっています。

旧大野小学校をリノベーションした施設「大熊インキュベーションセンター」。現在はトヨタ自動車やスタートアップ企業まで多くの入居者が利用している。

支援制度についての詳細はこちら 
https://mirai-work.life/support/

ふくしま12市町村に移住して、新しいチャレンジをする人のリアルな声を紹介

福島12市町村ではリモートワーク、UIJターンでの就職から移住起業まで希望の働き方に合わせた支援の幅が非常に広いことをお伝えしました。ここでは実際に移住して新しいチャレンジをされている方の暮らしや移住者の声を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

16,000本の葡萄の木から究極のまちづくりへ

一般社団法人とみおかワインドメーヌ代表
富岡町在住・遠藤 秀文(しゅうぶん)さん

ワイナリーでまちづくりに取り組む富岡町在住の遠藤 秀文さん

富岡町でワイン用ブドウを栽培する一般社団法人とみおかワインドメーヌ代表の遠藤秀文さん。2016年に遠藤さんは10人の仲間と共にブドウ栽培を始め、2025年4月には富岡駅前に待望のワイナリーができます。
遠藤さんは、高校卒業まで富岡町で育ち、大学進学で故郷を離れています。「35歳になったら富岡に戻って恩返しをしたい」という思いを持って、卒業後は海外で働くチャンスが多い東京の建設コンサル会社に就職。13年間で二十数カ国以上を行く中でも富岡町のことは頭の隅っこでずっと考えていたといいます。

「富岡は海も山も川もあって、豊かな食材があるから、富岡でやるんだったらワイナリーだなと思ったんです」。震災を経験する中、そんな遠藤さんの想いに賛同してくれた仲間と山にぶどうの苗木を植えたのが2016年3月。一緒に汗をかいて畑が広がり、200本から始まったブドウの木は2023年には10,000本を超え、今年には16,000本になる予定だ。「できるだけ富岡町に来てもらって、この地域を感じてもらえるワインにしたいので、数じゃなくて質の良いワインを作る。そのためにブドウの木を一本一本丁寧に育てていきたいなと思っています」と気持ちを語ってくれました。

2022年産のシャルドネとメルロー

田村市のUターンで得た、余白を持ちつつ仕事と子育てを両立できる暮らし

田村市在住
橋本吉央(よしちか)さん、あやさん

左からあやさん、吉央さん夫婦

2023年に田村市へUターン移住をされた橋本さんご家族。夫婦だけで子育てに必要なすべての役割を果たすことが大変と感じていた中、2022年に立て続けに吉央さんの祖母と父が亡くなり、実家の福島に戻ったといいます。

お仕事は2人とも変えずにUターン移住をされ、吉央さんは東京の障がい児の保育園を運営するNPOで管理職として働き、週の半分はリモート、残りの半分は東京都千代田区の本社や運営している園に出勤しています。あやさんはフリーランスのまんが家、イラストレーター、ライターの仕事に取り組み、夫婦で家から車で5分ほどの距離にある田村市テレワークセンターテラス石森の一室を借りて仕事をしています。

夫婦で借りているテラス石森の一室

お子さん2人とも転校となると負担になるため、下のお子さんが小学校に入るタイミングで移住されています。移住後の転校当初、上のお子さんの登校時間が徒歩30分に増えて心配だったそうですが、集団登校で上級生がついてくれて、みんなでおしゃべりしながらだとあっという間だという話を聞いて安心したそうです。よく食べよく寝るようになり、体力もかなりついている様子だと話します。

また、日々の生活でお二人が切羽詰まることが減ったようです。千葉にいた頃は家事、育児、仕事のぜんぶを頭に入れて常に時間に追われ、気持ちに余裕がなかったといいます。お二人は「着実に今のスタイルで生活していくことを大事にしながらもいつか地域に何らかの形で貢献したり、まだ知られていない良いサービスを伝える仕事をしたい」と今後のチャレンジについても語ってくれました。

取材や記事制作を通して目の前の人に伴走していきたい

南相馬市在住
フリーランスライター 蒔田 志保さん

結婚を機に、2018年に愛知県から南相馬市に移住した蒔田志保さん。2023年秋からライターとしての活動を中心に、フリーランスとして働いています。蒔田さんと南相馬市との縁は京都府の大学に通っていた大学2年生の時にまで遡ります。当時入っていたサークルで踊りを披露しに、福島市や二本松市にあった東日本大震災で被災された方向けの仮設住宅を訪れ、その時にもっと福島の人と話がしたいと思ったといいます。その後、サークルの先輩が学習支援のボランティアをしに福島に行っていることをFacebookで知り、子どもと関わるのが楽しそうで、頼んで連れて行ってもらったのが南相馬市で、旦那様ともこの時に出会ったと話します。

大学卒業後は地元・愛知県で就職をされたものの、南相馬市で暮らすご主人との結婚を機に移住されました。さらに現在のライターの仕事は妊娠したことをきっかけに本格的に取り組み始め、3ヵ月ほどオンラインでライター講座を受けて、文章の組み立て方や論理的な伝え方を学んだと言います。その後、徐々にライティングの仕事が増え、2023年9月にフリーランスライターとなりました。

現在はWebのインタビュー記事や、南相馬市サポーターの会報誌「ミナミソウマガジン」の制作に携わったり、地域の企業や自治体から、これまでのつながりをきっかけに仕事の依頼をいただくことが多いといいます。ライターの仕事を始めて3年近く経ち、認知されるようになってきたこともあってか、イベントの撮影など、仕事の幅の広がりを感じていると話します。

蒔田さんは最後に「この地域のことを、手を取り合って伝えてくれる人が増えるとうれしいです」とこれから移住を考えているフリーランスライターさんへメッセージも送ってくれました。

【11月28日まで】アンケート回答で抽選20名に「12市町村特産品詰め合わせセット」無料プレゼント

アンケートに回答いただいた人の中から抽選で20名に、ふくしま12市町村地域の特産品を詰め合わせた3000円相当のセットをプレゼントします(写真はイメージです)。

11月28日までが回答期限となりますので、ぜひお早目にご回答ください。回答後の当選連絡は11月29日以降にアンケートにご登録のメールアドレス宛にお送りいたします。

「12市町村特産品詰め合わせセット」
・葛尾村産米 2Kg
・福福堂の黒米甘酒
・楢葉町産 干し芋
・小高一味
・富岡町産天のつぶ100%玄米めん