地震、台風、線状降水帯に起因する豪雨や洪水の自然災害が頻発し、南海トラフの脅威にさらされている我が国において、防災に対する意識は益々高まっている。そのような状況のなか、早稲田大学ビジネススクール根来龍之ゼミで多くの時間を共に過ごした株式会社Spectee代表の村上建治郎氏が、書籍『2040年の防災DX』を出版した。

村上さんは大学生の時、阪神淡路大震災でボランティアを経験し、その後アメリカの大学に留学。帰国後はデジタルコンテンツ、マーケティングの仕事に従事。ビジネススクール卒業直前に発災した、2011年の東日本大震災でボランティアを続ける中、被災地からの情報共有の脆弱性を実感し、被災地の情報をリアルタイムに伝える情報解析サービスの開発を目指し株式会社Specteeを創業した。

現在では、200を超える日本の自治体にサービスを導入、私の古巣のメディア業界でも数多くの報道機関が、より正確な情報を求め同社のシステムを導入している。また最近では、企業のサプライチェーン向けに危機を可視化するサービスを提供し、高い評価を得ている。同じゼミの仲間として嬉しくもあり、刺激もうけている。

さて、『2040年の防災DX』だが、以下の4つの章で構成されている。

第1章 2040年「防災DX」はここまで変わる
第2章 日本の自治体の課題・問題点
第3章 企業における防災DX戦略
第4章 グローバルケーススタディ(世界の自治体、企業)

第1章では、15年後の2040年に「AI」「ドローン」「ロボティクス」「デジタルツイン」「人工衛星」「インターネットコネクテッド」の6つの領域が防災においてどう進化しているかを記述。第3章・4章では、企業において防災が経営戦略上どれほど重要で、実際にDXをどう活用しているかをレポートしている。これらの内容もとても興味深いものであるが、本記事では「第2章 日本の自治体の課題・問題点」に注目してみた。

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