青森から“海のまち・千葉県富津市”へ——自信がなかった私を変えたザ・フィッシュで働く人々との出会い[ 求人情報あり]

「青森から千葉県富津市へ。最初は洗濯機も冷蔵庫も買わなかった。すぐ帰るかもって思ってたんです」

そう話すのは、千葉県富津市（ふっつし）の観光複合施設ザ・フィッシュ内にある寿司店地魚鮨船主総本店の店長・成田詩織さん。

富津市は、東京湾を望む千葉県南部位置し、房総半島の西側にある海沿いの町。海と山が同居し、晴れた日には富士山も見えるという贅沢な自然に囲まれた場所です。

青森県弘前市から遠く離れた関東へ、その距離およそ700㎞。
「なんとなく関東ならどこでもよかった」と言っていた彼女が、今では地域の人々とふれあいながら、笑顔で接客を続けています。

東京湾を望む自然豊かな富津の暮らし。

仕事と暮らしの間に“ちょうどいい”を見つけた彼女のストーリーには、自分にもできるかもしれない！と感じさせてくれる、等身大のリアルが詰まっています。

青森から千葉富津市へ——移住のきっかけと決断

「いつかは県外に出たいと思ってたんです。正直、“千葉県富津市”のことも、“ザ・フィッシュ”のことも、知らなかったんですよ」

そう振り返る成田さん。
青森県弘前市で育ち、飲食店へ就職をしたものの「とにかく県外に行きたい」という気持ちから、偶然見つけたのが富洋観光開発株式会社の求人でした。飲食店勤務の経験から、比較的馴染みのある業態という安心感も後押しになったそう。

「実際に富津市を訪れたのは面接のとき。初めての土地で、初めて見る景色。でもそこで出会った“ある女性”が、決断の後押しになったんです」

その女性とは、現在ザ・フィッシュ内で複数の店を統括し広報も担当しているAさんのこと。彼女が語ってくれた女性のキャリアや生き方についての話が、強く印象に残っているといいます。

「“結婚か仕事か”じゃなくて、どちらも選んでいい。キャリアを諦めない女性もいていいんだよ、って言ってくれて。ああ、こういう人が上にいる会社なら、信じて飛び込んでも大丈夫かもって思えたんです」

「続かないかも」が「ここでやっていける」へ変わった瞬間

そうはいっても、最初の3ヶ月は「洗濯機も冷蔵庫も買わずに来た」と語る成田さん。
「一人暮らしも初めてで、“もしすぐ帰ることになったら…”って思ってて(笑) 買ったら大荷物になるし、って」

本音を言えば、どこかで「自分は続けられないかも」という気持ちがあったそう。
けれどもその不安を吹き飛ばしてくれたのは、やっぱり“人”でした。

「実は、私、結構落ち込みやすいタイプで。ある日ミスしてしまって、職場の人の前で泣いてしまったことがあったんです。でも、みんなが温かくって声をかけて励ましてくれて。その時、“この場所なら大丈夫かもしれない”って思ったんですよね」

ありのままの自分で働ける職場。誰かに支えてもらえる安心感。それが彼女を「ここで暮らし続けよう」と思わせた、大きなきっかけでした。

地魚鮨船主総本店での日々と、地元の温かさ

2025年4月、成田さんは地魚鮨船主総本店の店長に就任しました。
「正直、“できるのかな？”って思いました。店舗の中では私が一番年下で、周りはみんな大ベテランばかり。私が何か言わなくても、勝手に物事が進んでいくような環境ですから」

そんな中でも、少しずつ“店長としての自分”を確立していけたのは、やっぱり周囲の支えがあったから。

「毎日、『今日も天気いいね』『今日は忙しいかな』なんて、そんな雑談から始まるんです。お母さん、お父さんみたいな存在がそばにいて、気軽に相談もできる。そんな職場、なかなか無いですよね」

接客のやりとりも、地元ならではの温かさがあります。
「『どこから来たの？』『嫁に来たの？』って、もう初対面から聞かれます（笑）でも、そんな距離感が面白くて。『結婚はまだ先ですね～』なんて返したりして」

2ヶ月が経ち、顔を覚えてもらえるお客様も増えてきた。
「今はまだ、“見守られてる感じ”ですけど、そのうち友達感覚で話してくれるんじゃないかなって思っています。そんな関係が今から楽しみなんです！」

レストラン時代と今——働き方の変化とやりがい

成田さんのザ・フィッシュでのキャリアは、レストラン部門のホールスタッフから始まりました。当時は若手中心の職場だったこともあり、まるで部活のように毎日を過ごしていたといいます。レストランでは団体のお客様が多かったこともあり、嵐のように忙しい毎日だったそう…

「『今日は○万円売りたい！』っていう目標を立てて、みんなで走り回って。学生時代みたいな雰囲気もありましたけど、しっかりとプロ意識を持ったチームでした」

目標を達成して、クレームもゼロ。「今日は100点だったね！」と笑って帰る日々。
その達成感と一体感は、社会人になってからなかなか得られない貴重な体験だったと言います。

一方、現在の寿司店では、また違うやりがいがあります。
「地元のおじいちゃん、おばあちゃんが、『また来るね』って言ってくれる。味の感想を直接聞けるのって、すごく嬉しいんですよ」

忙しさの質も違う。今は、お客様とゆっくり会話ができる時間があるからこそ、心が整う。
「数字目標ももちろん大事。でも、“今日この人と話せてよかったな”っていう小さな満足が、今の自分にすごく合ってる気がします」

自然と街のバランスがちょうどいい、富津の暮らし

「故郷のと雰囲気が似てて、あんまり不安はなかったですね。都会に行くより、むしろ安心できました」
そう語る成田さんが暮らす富津市は、東京湾を望む自然豊かなまち。
目の前に海、少し足を伸ばせば山。日常のすぐそばに、癒しの風景があります。「車がないとちょっと困るかもですね。でも、私は運転が好きなのでむしろ楽しいです。木更津や千葉市まで40〜60分くらい。ドライブがてらちょうどいいんですよね」実際、休みの日はお気に入りのスポットを決めずに、ただ“走る”。
「目的地を決めずに、裏道をぐるっと遠回りして帰るのが好きなんです」

Nativ.media編集部コメント

“自信なんてないし、続かないかも”って思ってた成田さんは、今現在も富津市でこうして働き続けています。成田さんの話からは「地方で働くって、特別なことじゃないのかも」と思わせてくれるリアルがたくさん詰まっていました。

現場で自然体で働く成田さんの姿や、地域と企業の未来にまっすぐ向き合う鈴木さんの想いにふれて、“富津市で暮らしながら働く”という選択肢が、ぐっと身近に感じられました。

とくに印象に残っているのは、職場や地域の人たちとのつながりを話すときの成田さんの表情。うれしそうに笑いながら話す姿が、本当に素敵でした。

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