「にんじんの葉っぱって見たことある?」
そう聞かれて思い浮かべる葉っぱは、どんな形でしょう。スーパーで見かける“葉のついていないにんじん”しか知らない方も多いかもしれません。
2026年1月24日(土)・25日(日)に、茨城県鉾田市の五右衛門.farmで「にんじんの収穫体験」が開催されます。小学生以上が対象で、親子でも一人でも、農業が初めての方でも気軽に参加できる少人数の体験プログラムです。
冬にんじんを収穫し、袋詰めや箱詰めまで体験しながら、野菜が食卓に並ぶまでの“背景”に触れられます。迎えてくれるのは、地域に親しまれ、気さくであたたかい五右衛門.farmの菅谷さんご夫妻。
菅谷さんの農業への並々ならぬこだわりや、食育への想いに直接触れることが出来るのは、この体験ならではのものです。
鉾田市とチイオシが取り組む“地域と人をつなぐ”農業体験
茨城県鉾田市は、温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれた、まさに「野菜王国」。
同市はチイオシ自治体アンバサダー第1号として、地域と人をつなぐ関係人口創出の取り組みを進めています。

その中心となるのが、農業体験と、フェノロジーカレンダー制作を一体で進めるプロジェクト。
2025年9月から2026年2月まで、月1回(2月のみ2回)実施する農業体験プログラムを通じて、地域の旬や季節のうつろいに触れながら、フェノロジーカレンダー(地域資源の旬を示した年間暦)制作に必要な情報を蓄積していきます。
今回の五右衛門.farmでの体験は、その第五弾。
冬にんじんの収穫に向き合いながら、生産者の声や季節感を学べる内容となっています。
「五右衛門.farm」という名前の由来

五右衛門.farmの名前の由来は、昔から続くご先祖様の屋号「五右衛門」。
「昔の屋号が“五右衛門”だったんです。出荷などではフルネームで出すけど、直売をやるときに親しみやすい名前のほうがいいよねと思って。」その印象的な響きから、地域の方々にもすっかり「五右衛門さん」と親しまれています。
土へのこだわりは徹底的に
「こだわりは数えたらきりがないんです(笑)」
そう語る菅谷さんご夫妻の姿勢は、畑づくりの随所に現れています。農園では、にんじん・さつまいも・山芋を中心に生産し、ご主人が種まきから収穫までをすべて担当しているんだそう。菅谷さんが何度も口にしたのは、土づくりの大切さでした。
「連作障害が出ないように、次の次まで考えて輪作する必要があるんです。春と冬の2回にんじんを作り、その間にさつまいもと山芋を入れ込んで…。畑の水はけを見たり、組み合わせを考えたり。旦那は頭を抱えながらやってます(笑)」
どれも味わいが違う。個性豊かなにんじんたち

五右衛門.farmでは、色も香りも異なる複数の品種を育てています。
- アロマレッド:香りがよく、生食でも楽しめる
- 紅ひなた:鮮やかなオレンジ色。クセがなく食べやすい
- 金美:やさしい黄色で香りが穏やか
「人参が嫌いな子どもでも、うちの人参は食べてくれるんです。」そんな声も届くほど、五右衛門ファームのにんじんは臭みがありません。
菅谷さんは、おいしい人参の選び方も教えてくれました。

「葉っぱを切った部分が“キュッ”としているほうがいいんです。大きすぎると栄養が葉に行ってしまうので。」
体験では、葉付きの人参をそのまま手に取り、選び方を学べます。畑の空気の中で触れる人参は、スーパーの棚で見かけるものとはまったく違った姿をしています。
「知ってもらうこと」も農業、食育への思い

「食べるだけでなく、知ってもらうことも大切にしたい」と話す菅谷さんは、Instagramで日々の畑の様子を発信しています。
「子どもたちって、葉っぱのついたにんじんを見たことがないんです。給食には毎日入っているのに、どこから来ているか知らない子が多くて。だからこそ、知ってほしいと思って。」
ご主人は小学校に講師として招かれ、食育講座も実施。地域とともに歩む農園としての活動が広がっています。
「子どもたちが給食で毎日食べるにんじんが、どこから来ているのかを知ってほしい」という想いから、活動を続けているんだそう。本からの情報だけじゃない、子どもたちが本物を触って知ることこそ、五右衛門.farmが大切にしてきた食育のかたちです。
次のチャレンジはキャロットパウンドケーキ、ドレッシング…
今後は、にんじんを使ったキャロットパウンドケーキの販売を計画中。
「キャロットパウンドケーキは、帯のパッケージまでできてるんです。3年後には道の駅などで売りたいですね。」
明るい声で語ってくださったのが印象的でした。
さらににんじんドレッシングの構想もあるそうで、少しずつ準備を進めているところです。農園にはタイからの研修生も加わり、20代の若い力とともに試行錯誤を重ねています。
🥕農業体験の概要
日帰りのご参加も大歓迎です!
■スケジュール
1日目|1月24日(土)
9:00 大洋駅集合
9:30〜10:00 説明・準備
10:00〜11:30 にんじん収穫体験
11:30〜13:00 昼食(各自持参)
13:00〜15:30 袋詰め・箱詰め体験
15:30〜17:00 ヒアリング
18:00〜20:00 交流会
2日目|1月25日(日)
「ほこたツアー」&ヒアリング 〜12:00解散
(案内:鉾田市地域活性化起業人 坂田)
👥 定員
3〜5名
🥕 体験内容
収穫するのは、「にんじん」。
収穫から袋詰め・箱詰めまでを体験します。
また農業のやりがいや地域の暮らしについて、菅谷さんから話を聞くことができます。
🧢 持ち物
・防寒具
・汚れてもよい服
・ニット帽
・長靴
・エプロン
※作業用の手袋は農園で用意しています。
※小学生以上の方が対象です。
応募方法
参加をご希望の方は、以下のボタンよりお申し込みください。
募集締切:2025年12月7日(日)23:59まで
菅谷さんからのメッセージ
「こだわりを持って野菜を作っています。畑の空気を吸って、リフレッシュしてほしいです。
ほかの地域から来た人によって、新しい風が吹くのが嬉しいので、ぜひ交流しましょう!」





