茨城県鉾田市は、温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれた、まさに「野菜王国」。
2026年2月21日実施の農業体験をきっかけに、そんな鉾田市に訪れてみませんか?

「憧れを持ってもらえる、『かっこいい農業』を伝えていきたい。」

そう語るのは、いちご一筋で向き合い続ける鉾田市の農家、村田農園の村田和寿さん

村田農園のいちごは、その品質の高さから「鉾田市産」という産地名だけでなく、生産者の顔が思い浮かぶ「村田さん家のいちご」として親しまれています。愛情を込めて育てられた村田農園のいちごは、都内の有名ホテルや国内航空会社のファーストクラスの機内食にも採用されるなど、全国トップクラスの評価を受けています。今回のチイオシ鉾田市農業体験では、この村田農園を舞台に、いちごのパック詰めや人気の直売所カフェの運営など、「かっこいい農業」を体感できるプログラムを開催します。

・地域での活動に興味はあっても現場に触れるきっかけがない
・農業に興味があるけど、チャンスがない

そんな方にピッタリな体験になっています!

対話の積み重ねが、いちご一本の農業をつくった

鉾田市といえば、全国有数のメロンの産地として知られる地域。村田さんのご実家も、かつてはメロン栽培を中心とした農業を営んでいました。

「当時の鉾田市は、冬に作る作物がほとんどなかったんです。その中で、少しずついちご栽培が広がり始めていました。」

転機となったのは、村田さんが28歳の頃。
メロン中心の経営から、いちご一本に切り替えるという大きな決断でした。周囲の農家からは、「なぜメロンをやめるのか」と、不思議がられることも少なくなかったそう。

「きっかけは、出荷先からの声でした。“村田さんのいちご、もっと出してほしい”って言われたんです。」

当時、いちごの出荷は3月までが一般的でしたが、出荷先からの声をもとに、試しに4月、5月まで延ばしてみると、反応はさらに良くなっていきました。村田さんは、そうした声を一つひとつ受け取りながら、出荷先と丁寧に対話を重ねていきます。そのやり取りの積み重ねが、「いちご一本でやっていける」という確信につながっていきました。

一方で、春先のいちごは非常に傷みやすいという課題もありました。
そこで村田さんは、出荷先や資材屋と相談を重ねながら、箱詰め方法を見直していきます。

「輸送時の衝撃を抑えるため、箱の下や実の間に緩衝材を入れるようにしました。たまたま選んだものが、ハート型のピンク色だったんです。」

もともとは、品質を落とさずに届けるための機能的な判断でしたが、結果的に、そのやわらかな見た目や上品さが、お客さまからも好評を得ることになります。

味や品質だけでなく、どう届けるかまで含めて農業を考える。
出荷先や資材屋など、関わる人たちとの真摯な対話を重ねてきたからこそ、村田農園のいちごは、名前で選ばれる存在になっていきました。

若いうちの失敗が、「自分で判断する力」を育てた

より良いいちごづくりに向けて、新しい堆肥を導入した年のこと。
なぜか一部のハウスだけ、味が大きく落ちてしまう事態が起こりました。

「最初は堆肥屋さんのせいにしていました。でも父に“判断したのはお前だろ”。って叱られて…」

原因を突き止めるため、村田さんは圃場内の土壌を詳しく調べていきます。すると、新しく取り入れた堆肥が、畑の状態に思わぬ影響を与えていたことが分かってきました。

「そこから本気で土を勉強しようと思ったんです。いいものかどうかじゃなく、“うちの畑に合うかどうか”を自分で判断しなきゃいけないって。」

この経験について、村田さんはこう振り返ります。

「若い時に失敗したからこそ、勉強するきっかけがつかめました。品質に責任を持つ立場として、避けて通れない経験だったと思います。」

出荷先や資材屋と対話を重ねながらも、最終的に品質に責任を持つのは、経営者である自分自身。
だからこそ、分からないことから目を背けず、学び続ける姿勢を大切にしてきました。

この土づくりの失敗と学びが、現在の村田農園の品質への向き合い方を形づくっています。

一流の現場とつながる、“かっこいい農業”という考え方

村田農園のいちごは、ホテルのレストランや国内航空会社のファーストクラスの機内食などの一流の現場で使われています。

「自分はエコノミーしか乗ったことがないのに、いちごは先にファーストクラスに乗ってるんですよ。」
そう笑いながら話す村田さん。

村田さんが影響を受けたのが、福島で行われている「フードキャンプ」の取り組みでした。農園を舞台に、その土地でしかできない食体験を通して、地域そのものを好きになってもらうという考え方です。

「茨城こそ、やるべきだと思うんです。」

実際に村田さんも、いちごをテーマにしたフルコースをふるまう食体験を農園で行いました。完熟した実だけでなく、花や青い実まで含め、いちごという作物を丸ごと伝える試みです。都会ではなかなかできない体験だからこそ、農家や茨城の魅力の発信につながると感じたといいます。

敷居を下げるよりも、日々の仕事や取り組みを通して背中を見せる。そうした姿が憧れの対象になり、その先で、「農家ってかっこいい」と感じる人が増えていけばいい。村田さんは、そんなふうに考えています。

「関わる人を、家族のように」人が育つ農園へ

村田農園では、働くスタッフ一人ひとりとどう向き合うかを、とても大切にしています。

かつては作業を担う存在として捉えていた時期もありましたが、会社勤めをしている娘さんや実習生との関わりを通して、成長を見届けるという考え方に変わっていきました。

「実習生の親御さんに、“日本に行ってこんなに成長したんだ”って思ってもらいたいんです。」

研修生寮の整備、1日3回のミーティング、技能実習生へのアルバム贈呈、誕生日会や社員旅行… こうした日々の積み重ねの中で「関わる人を家族のように」という理念は形づくられています。

開催概要

■体験内容

今回のプログラムは、一般的な「いちご狩り」とは異なります。
いちごが“商品”としてお客様に届くまでの仕事を体験する、実践型プログラムです。

主な体験内容は以下になります。

  • いちごのパック詰め・箱詰め作業
     品質を保つための並べ方、資材の意味を実践から学びます。

  • 直売所カフェでの運営補助
     農家直営店舗における接客の現場を体感できます。

  • 村田さんのお話・質疑応答
     就農の経緯、経営判断、将来のビジョンを直接伺う時間です。
  • スタッフミーティングへの同席(お茶の時間)
     チームの雰囲気や対話の場を体感していただきます。

■日時

■ 開催日
2026年2月21日(土)

■ 時間
9:00〜16:00(予定)
※15:00頃よりスタッフミーティング同席を予定

■ 場所
村田農園(茨城県鉾田市)
※詳細はお申し込み後にご案内

■ 定員
3〜5名程度

■ 参加費
無料
交通費補助 補助は上限5000円
宿泊施設の手配は各自でお願いいたします。

■ 服装・持ち物
汚れてもよい作業着、汚れてもよい靴(農作業用)、
カフェ用の服装・靴(派手でないもの)、着替え、タオル

応募方法

参加をご希望の方は、以下のフォームよりお申し込みください。

募集締切:2026年1月21日(水)23:59まで

村田さんからのメッセージ

「農業の魅力や、鉾田の良さを知ってもらうことが一番ですね。
特別なことを感じてもらう必要はなくて、「こういう農家もあるんだ」と知ってもらえる一日になれば良いなと思います。」

プロジェクト詳細について聞いてみたい方は以下より「チイオシ公式LINE」を追加してみてくださいね!

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