
私たちが日常的に口にしている食事は、特別なことを意識しなくても、当たり前のようにそこにあります。スーパーに魚が並び、飲食店で料理が提供される。その背景にある流通の仕組みを、普段意識することは多くありません。
福山市を拠点に、水産物流通を担ってきた 株式会社クラハシ は、そうした「当たり前」を支える側に立ち続けてきた会社です。目立つ存在ではなくても、流れを止めないこと。その積み重ねが、仕事の価値になっています。
水産流通という仕事の役割
地域の食を支える
クラハシは、福山地方卸売市場の運営を担いながら、鮮魚・冷凍食品・水産加工品などを扱う総合水産商社として事業を展開しています。市場というインフラを支える立場でありながら、量販店や飲食店など、多様な取引先へ商品を届ける役割を担ってきました。
魚を仕入れて売る、という単純な仕事ではありません。市場の運営、産地との調整、商品の選定、物流の手配。流通のどこか一つが滞れば、その先に影響が及びます。だからこそ、全体の流れを見ながら仕事が組み立てられています。
売買ではなく、流通として成立させる仕事
水産物は、天候や漁獲量に左右される不安定な商品です。一方で、売り場や飲食店には、それぞれの事情やタイミングがあります。その間に立ち、「今、どう流すか」を考えることが、この仕事の中心になります。
短期的な利益を優先するのではなく、流通として無理が生じないかどうかを重視する。販売先の仕入れ計画を一緒に考えたり、季節ごとの旬商材を提案したり、時には調理方法やメニューの相談に乗ることもあります。流れを成立させること自体が、仕事の成果になっています。

人の判断で成り立つ現場
人と人の間に立つ
水産流通は、データやシステムだけでは完結しません。産地、仲卸、売り場、飲食店など、多くの人が関わり、信頼関係の上で成り立っています。その先には、魚を獲る漁業関係者がいて、海があります。
クラハシの仕事も、人と人の間に立つことが中心です。相手の状況を聞き、無理のない提案をする。一度きりの取引ではなく、継続する関係を前提に仕事を進めていきます。「この人に任せれば大丈夫」と思ってもらえることが、何よりの評価になります。
若手社員の一日から見える、仕事の現実
たとえば、鮮魚部で働く若手社員の一日。市場に並ぶ魚の中でも、本マグロなどの大型魚を扱う部署では、朝早くから仕事が始まります。市場で仕入れた魚を解体し、注文に合わせてカットし、重さを計りながら商品を整えていきます。
スピードと正確さが求められる現場では、自分の判断がそのまま次の工程に影響する場面も少なくありません。最初は迷うこともありますが、先輩のフォローや経験を重ねる中で、「なぜその判断をするのか」を少しずつ理解していきます。
作業だけでなく、販売先の状況を見ながら、「今はどんな魚が動きやすいか」「どんな提案なら喜ばれるか」を考えることも仕事の一部です。若手であっても、現場で感じたことをもとに意見を出し、挑戦できる環境があります。
海の向こう側まで考えるということ
資源を守ることも、流通の仕事
水産流通の仕事は、目の前の商品を動かせば終わりではありません。その先には、漁業に携わる人がいて、海があります。資源がなければ、流通そのものが成り立たなくなってしまいます。
クラハシでは、海の資源を守る取り組みの一つとして、シロギスの養殖にも関わっています。獲るだけではなく、育てるという選択は、これからも水産流通の仕事を続けていくための現実的な判断です。流通を支えることと、資源を守ることは切り離せない。その前提に立って、仕事が組み立てられています。

仕事を続けるための環境
日々の仕事を支える、働く環境
判断の積み重ねが求められる仕事だからこそ、働く環境も重要になります。クラハシでは、無理を前提に仕事を回すのではなく、長く続けられるかどうかを基準に環境が整えられています。
朝が早い日もありますが、市場のカレンダーに沿った勤務体系のため、生活のリズムは比較的安定しています。社会保険制度に加え、各種手当や昇給・賞与といった仕組みが整えられ、日々の仕事に安心して向き合える土台があります。制度の充実を誇るのではなく、仕事を続けるための支えとして位置づけられています。
この仕事に向いている人

クラハシの仕事は、スピードや派手な成果を最優先する人にとっては、もどかしく感じる場面もあるかもしれません。正確さや丁寧さが求められ、流れ全体を見ながら判断することが必要になります。
一方で、人と人の間に立ち、関係を積み重ねていく仕事に価値を感じられる人にとっては、長く向き合える仕事です。経験よりも、流通を支える側の仕事に向き合える姿勢が重視されています。
次に、この仕事を担う人へ
私たちが何気なく口にしている食事の裏側には、流通を止めないための地道な仕事があります。クラハシは、その一端を担ってきた会社です。
目立たなくても、必要とされ続ける仕事。その現場で、次に判断を積み重ねていくのは、これから入る人かもしれません。企業紹介として知ってもらうだけでなく、「自分が関わるとしたらどうか」という視点で読んでもらえたら、この仕事の輪郭がよりはっきりと見えてくるはずです。
