21年の公務員経験と企業の経営・売却という異色のキャリアを持つ大倉義弘さんは、2025年9月22日に大熊町へ移住し、現在は大野駅西「CREVAおおくま」の施設管理マネージャーとして活躍されています。町の「発展する匂い」を感じ取ったという大倉さんに、移住した経緯、快適な施設運営へのこだわり、そしてこれまで三つの事業の立ち上げから、その後の事業承継・売却までを経験してきた立場から、CREVAおおくまを通じた町の将来像について、実務に即した視点でお話を伺いました。

大熊に移住した理由:これから発展していく可能性を感じて

奈良県出身で、 大学卒業後、大手住宅総合メーカーに入社し、住宅営業に携わる中で宅地建物取引士の資格を取得しました。その後、市役所に入庁し、公務員として21年間、行政実務に従事しました。在職中に大学院にてMBA(経営学修士)を取得し、公務員在職中には、家業である不動産事業の整理・承継にも携わり、事業の将来性や地域への影響を見据えた形で次の担い手へ引き継ぐ経験をしています。

大熊町に来る以前は、京都において経営者として宿泊施設の立ち上げ・運営に携わり、 事業としての一定の役割を終えた段階で外部へ承継しました。また、大阪では美容関連事業の創業・運営を行い、こちらも事業譲渡を完了しています。行政と民間の双方の立場から、組織運営や事業経営について学びを深めてきました。

現在は、これまで培ってきた行政実務および民間事業運営の経験を踏まえ、指定管理者の一員として、CREVAおおくまの円滑かつ持続的な施設運営に取り組んでいます。

大熊町に来ることになったきっかけは、現在の会社からのお声がけでした。

公務員として21年間行政実務に携わってきた経験と、民間における事業運営・承継の双方を経験してきた点を評価いただき、CREVAおおくまの運営に関わることとなりました。

ちょうど自身の事業運営が一つの節目を迎えていた時期でもあり、 「新しい環境で挑戦してみないか」というお誘いを前向きに受け止め、大熊町への移住を決断しました。

実際にこの地に足を運ぶ中で、復興の過程にありながらも、これから大きく広がっていく可能性を強く感じています。今後は、その成長の一端を担う立場として、
復興の途上にあるこの地域において、民間と行政双方の経験を生かしながら、一歩ずつ現場に向き合っていきたいと考えています。

CREVAおおくまを快適な空間に

現在は、株式会社タイズスタイルにてマネージャーを務め、2025年3月に開業した「CREVAおおくま」の管理・運営を担当しています。CREVAおおくまは、来館される方が長時間滞在しても快適に過ごせるよう、空調、照明、湿度、香りといった環境要素に配慮した設計がなされています。例えば、床吹き出し式の空調を採用するなど、建物全体で快適性を高める工夫が随所に取り入れられています。また、館内外の照明計画にも配慮しており、日中はもちろん、夜間においても、周辺環境と調和した景観が形成されており、日中とは異なる魅力を感じていただける空間となっています。

これまで、美容や宿泊施設の運営を通じて、照明や湿度、香りといった環境要素が人の快適さに与える影響を重視した空間づくりに携わってきました。そうした経験は、現在の施設管理業務において、CREVAおおくまが持つ設計上の工夫や魅力を、より深く理解するうえで役立っていると感じています。今後も、多くの方にこの施設を訪れていただき、さまざまな交流や活動が生まれる場となることを願っています

また、大熊町の今後の動きとして特に関心を持っているのが、住宅や賃貸住宅の整備です。
人口が増加し、住まいへの需要が高まる中で、暮らしの質にも配慮した住環境のあり方が、今後ますます重要になると感じています。

これまでの不動産やホテル運営の経験を生かしながら、町の状況やニーズに寄り添った住まいづくりについても、将来的には関わっていけたらと考えています。

また今後、大熊町が「ここにしかない特徴を持つ町」として、多くの人に認知されていくことが重要だと感じています。全国に数ある自治体の中で、人を惹きつけ続けるためには「この町といえばこれ」と自然に想起されるような、分かりやすい強みを持つことが一つの鍵になると考えています。

大熊町は、ゼロカーボンの推進をはじめ、広い土地や柔軟なチャレンジが可能な環境といった、 他にはない条件を備えています。例えば、電動モビリティを活用した体験型の施設や、世代を問わず楽しめるスポーツを通じた健康づくりなど、環境政策と親和性の高い取り組みを展開していく可能性も考えられます。(EVゴーカート場、パデルなど)

こうした挑戦を通じて、大熊町ならではの個性や魅力を少しずつ積み重ね、将来的には、環境分野や健康分野などにおいて、「この分野なら大熊町」と言われるような取り組みが生まれることを期待しています。 

心穏やかで健康的な生活

大熊町で暮らす前に抱いていたイメージと、実際に住んでみて感じた印象との間に、良い意味での大きなギャップはありませんでした。実際に暮らしてみると、事前に想像していたとおり、地域の方々のあたたかさを日々感じています。皆さん穏やかで接しやすく、過度に気を張る必要がない点も、暮らしやすさにつながっていると感じています。

現在は、仕事を通じて地域のさまざまな方と関わる機会が多い一方、仕事以外の場面で住民の方々と交流する機会は、これから広げていきたい段階にあります。今後は、地域の行事や日常的な集まりなどにも少しずつ参加しながら、大熊町での暮らしをより深めていければと考えています。

移住して感じた点としては、日常の買い物環境については、現在まさに整備が進んでいる途中であり、これからの充実に期待している部分があります。

また、健康や美容といった分野についても、今後さらに選択肢が広がっていく余地があると感じています。例えば、運動や健康づくりに気軽に取り組める施設や、日々の暮らしの中で体に配慮した食事を楽しめる場などが増えていけば、住みやすさは一層高まっていくのではないかと思います。

大熊町は、今まさにこれから形づくられていく段階にある町であり、
そうした変化の過程に立ち会えること自体に、大きな魅力と可能性を感じています。今後、町がどのように発展していくのかを、 楽しみに見守りながら関わっていきたいと考えています。

移住を考えている方へのメッセージ

大熊町は、日々を落ち着いて過ごすことができる、穏やかな環境が整った町だと感じています。都市部とは異なる時間の流れの中で、自分のペースを大切にしながら暮らせる点は、この町ならではの魅力の一つだと思います。

また、大熊町は今後、医療機関や生活に必要な施設の整備が進むことで、さらに住みやすさが高まっていくことが期待される地域でもあります。これから良くなっていく過程にある町であることも、大熊町の大きな特徴だと感じています。

そして大熊町には、新しいことに前向きに取り組もうとする方々が多く集まっています。
私自身もこれまで、さまざまな挑戦を重ねてきましたが、何かアイデアが生まれたときには、まず行動に移してみることが大切だと考えています。実際にやってみることで見えてくることも多く、そうした積み重ねが次につながっていくのではないでしょうか。

移住を検討されている方には、ぜひ一度、大熊町の今の姿を実際に見ていただきたいと思います。
CREVAおおくまにも、機会があれば足を運んでいただければ幸いです。