「備えなければ鬱になる」
これは私が隠岐の島町に移住する前、先に移住していた人から教えてもらった言葉だ。隠岐の冬を無事に過ごすための心得である。

春や夏は、青空と青い山と海が眩しい隠岐の島町だが、冬になると一変する。日本海特有の気候で、空には厚い雲がかかり、天気は常に荒れがち。強い風に雪が混じり、海も荒れて、飛行機どころかフェリーですら欠航になる。フェリーが止まれば物資も止まる。スーパーの棚から品物が消えてしまうことも日常茶飯事である。(だから、冬場は特に食料を買い込んでおくのだ。)道路も雪が積もったり、凍結したりするので、外へ遊びに行ったり、飲みに出かけることも億劫になる。

よって、地元の人たちですら、冬は気分が沈みがちだという。この気候に慣れていない移住者は尚更である。

けれど、せっかくの隠岐の島ライフである。冬の寒さや暗さに負けて、気分まで沈んでしまっては勿体ない!そこで今回は、私が隠岐に来て見つけた『冬ならではの楽しみ』をご紹介したい。目いっぱい楽しんで、冬の憂鬱を吹き飛ばすのだ。

灯油ストーブという娯楽

白くてコロンとした小ぶりの灯油ストーブ…私の冬のお気に入りの一つである。
地元の愛媛にいた頃は、電気やガスのストーブを日常使いしていたが、ここ隠岐の島町に移住してからは灯油ストーブを愛用している。暖かくて、空気が乾燥しない。もし停電が発生しても、灯油ストーブがあれば安心である。

さらにこの灯油ストーブのお気に入りポイントは、部屋を暖めながら、天板で料理が出来るということ。冬は煮込み料理が美味しい。ぬくぬくの部屋で、シチューやおでんがじっくりコトコト煮込まれていくのを見届けるこの幸福感たるや堪らない…!
濡れたキッチンペーパーとアルミホイルでくるんだサツマイモを、これまたじっくり焼いて焼き芋にするのも良し。オーブンレンジで焼くのとは違う、ほっくり甘々に仕上がるのだ。
他にも、干し芋を炙ったり、果ては煎餅やクッキーまで温めたりする。暖かい部屋で温かくて美味しいものを食べる…これが冬ならではの楽しみなのだ。

内装にこだわる

冬は室内で過ごす時間が増えるもの。
冬が長く、日照時間が非常に短い北欧では、多くの時間過ごす室内を快適にするため、インテリアデザインにこだわるという文化がある。日本でも大変人気がある北欧雑貨だが、それは現地の人たちにとって、厳しい冬を乗り越えるための、生活の知恵でもあるのだ。北欧に倣い、私も自分好みのお洒落な内装で気分をアゲアゲにしてみたいと思う。

だが、ここで一つ問題が発生する。隠岐の賃貸物件のほとんどは、古民家・純日本家屋である。畳や障子の落ち着いた雰囲気も悪くないけど、出来れば冬はもうちょっと、明るい気持ちになれる部屋で過ごしたい。だって女の子だもの。

そこで活躍するのが、私のお気に入りのインテリア『アジアンリゾートスタイル』である。同じアジア圏の雑貨なので、日本家屋ともなかなかに相性が良い。ウッドカーペットを敷いて、その上からハッキリとした色柄のカーペットを重ねて敷けば、純和風だった部屋が一気に垢ぬける。アクセントに観葉植物を置けば、リゾート感マシマシで、心なしか体感温度も上がるような気がする。

見てると元気が湧くオレンジ色のラグ♪

あと、室内の面積を多く取る障子をお洒落にすることも大事である。最近は障子も、カラーだったり、モダンな和柄がプリントされていたりと、お洒落なものが増えてきたなぁと感じる。それに貼り変えるだけでも、明るく楽しい雰囲気になるだろう。
私はあえて全面張替えをせず、ところどころに違う色の和紙を貼ってステンドグラス風にアレンジするのがお気に入りだ。うっかり穴を開けてしまっても、簡単に貼り変えられる。この手軽さが、面倒くさがりの私にピッタリなのである。

お気に入りの障子。一部穴が空いてしまったため、マスキングテープで塞いでいる。 何故穴が空いているのか、理由はこのブログの最後に。

冬の散歩は最高!

隠岐の冬の天気はとにかく気まぐれだ。雨が降ったかと思えば晴れ、晴れた空が一転して曇り、雪が降り始める。こんな不安定な天気では、外出するのが億劫になるが、それでも隙を見て散歩に出かけるようにしている。筋肉を鍛えて、体を温めて新陳代謝を促す。寒さに負けない体を作るには、運動が欠かせない。何より、外に出て日光を浴びることは、鬱予防にも効果的だ。

冷たい強風が吹き荒れる中での散歩は正直大変だが、それを上回る魅力もある。それが、隠岐の美しい冬景色だ。この時期のお気に入り散歩コースは、高台に上がって、そこから荒々しい海を眺めること。曇り空の下で見渡す荒波は、「これぞ日本海」と言わんばかりの迫力があってカッコイイ!荒波を見ると、無性にテンションが上がってしまうのは、きっと私だけではないはず。そしてたまに…たまに晴れ間がのぞき、雲の隙間から日が差し込むことがある。コバルトブルーの海に、白い波しぶきが光を受けて、キラキラと輝く光景…!それを見ながら、冬の澄んだ空気を肺いっぱいに吸い込むと、なんとも清々しい気分になれる。

そして隠岐の冬と言えば、雪景色!
生活面では、雪が積もると厄介なことも多い。車を運転すればタイヤが滑ってヒヤヒヤすることもあるし、水道管が凍って水が出なくなることもある。私の地元・愛媛は温暖な地域なので、雪がほとんど降ることがない。だから、隠岐に来たばかりの頃は、水道の水を夜通しチョロチョロと流しておかないと凍るということを知らず、水道管が凍って大変な思いをした。

それでも、一面真っ白な雪景色を目にすると、内心子どものようにテンションが上がってしまう。無駄に歩き回って足跡をつけたり、スマホを片手に普段と違う風景を撮影しに出かけたり。寒くて冷たくて、生活は不便になるけれど、子どもの頃に雪に憧れた気持ちが蘇ってくるのだ。まあ、寒すぎるので、すぐ家の中に引っ込んでしまうのだけど(笑)

隠岐は四季折々の季節を楽しむ場所。冬も例外ではない。それを自分から積極的に見つけに行けば、厳しい冬も『楽しみな季節の一つ』になる。体だけでなく、心もぽかぽかに温めること。それが冬の憂鬱に効くのだ。

おまけ

なぜ障子に穴が空いたのか…犯人はこちら(笑)

 

▼あーささんの記事一覧

隠岐の自然に背を向け、私は引き籠る
《第1話》移住のきっかけ~
《第2話》地域おこし協力隊で漫画を描く【前編】
《第3話》地域おこし協力隊で漫画を描く【後編】
《第4話》隠岐の夏・隠岐の盆
《第5話》隠岐の虫事情
《第6話》大根の間引
《第7話》冬の憂鬱の特効薬?!隠岐の冬を10倍楽しむ方法
《第8話》隠岐ならでは?隠岐の『期間限定スイーツ』
《第9話》『隠岐移住の決め手は?→生活そのものがレジャー』

◆◇◆━━━━━━◇ プロフィール ◇━━━━━━◆◇◆

【ペンネーム】あーさ
【居住市町村】隠岐の島町
【UターンorIターン】Iターン
【移住前の居住地(都道府県)】愛媛県
【年代】40代
【お仕事】漫画家
【好きなこと】仕事で漫画を描くこと 趣味で漫画を描くこと
隠岐の美味しいご飯屋さん巡り インコを吸うこと
【Love shimaneとしてひと言】
隠岐の島町に愛鳥と共に移住して早4年。暇さえあれば家にこもって漫画を描いているため、まだ訪れたことのない隠岐の観光地がたくさんあるという、なんとも残念な体たらく。
そんなインドア派でオタクでおひとり様の私ですが、ここ隠岐の島町で豊かな暮らしを楽しんでいます。
普段は引きこもり、たまに外に出て隠岐の自然や人々との交流を楽しむ…そんな私の日々の感動をお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。