長野県立科町は、観光地の面的な再生に向けた地域の取組みを支援する観光庁の補助事業「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」において「立科町女神湖エリア」の地域計画が、令和4年7月15日に観光庁の採択を受けました。
 これにより、女神湖エリアの周辺の民間事業者と町が地域一体となって宿泊施設の高付加価値化や廃屋の撤去、女神湖を眺めながら快適に仕事ができるシェアオフィスの設置等に取り組みます。レイクリゾートとしての特徴を活かし、自然の中で働きながら中期滞在も可能な、これからの時代のニーズに合わせた“新しい別荘地”を目指します。

■ 余暇を楽しむだけの場所から、仕事や暮らしも楽しめる次世代の観光地・別荘地へ
 立科町は女神湖を中心とした豊富な自然資源を背景に発展してきた観光地・別荘地です。夏は湿気が少なく涼しい高原で快適に過ごし、冬は山岳でウィンタースポーツを楽しむなど、年間を通じて様々なアクティビティを楽しむことができます。また、これまでテレワークによる住民雇用の創出や、ワーケーションの開催誘致などを積極的に行い関係人口の創出・増加を図るなど、“働く”を軸に先進的な事例を多数生み出してきました。
 しかし、エリアには 80年代に建設された団体客向けの宿泊施設が多く、外観の劣化が進んだことに加え、個人客への対応など、時代の変化を捉えた改修が行われていないことや、別荘所有者の高齢化により、売却を希望しても別荘の所有方法が売買のみのため購買層が限られ、売却先が現れないことで別荘地としての衰退を招いているなど、時代の変化に対応できていない観光地・別荘地となりつつありました。
 そこで、観光庁の補助事業「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」において“豊かな自然資源と中長期滞在”という新しい観光需要を掛け合わせることで、時代に合わせたレイクリゾートへ進化させることで観光地としての再生を目指した取組をスタートしていきます。

■ 事業概要

「宿泊施設の高付加価値化改修」「観光施設の改修」「廃屋の撤去」
 老朽化した観光施設の改修や廃屋の撤去により景観を向上し、レイクビューを活かした施設用地としての活用やエリアの賑わいを創出します。また、宿泊施設の高付加価値化改修を行うことで、個人客への対応など時代のニーズに合わせたサービス提供を可能にします。
「公的施設の観光目的での利活用のための民間活力の導入」
 女神湖の湖畔に位置する女神湖センターを周辺宿泊施設の滞在者や観光客向けのシェアオフィスとして整備し、旅先で仕事をしながら滞在するという新たな旅のスタイルや、中長期滞在や多拠点居住を望む層に対応した環境を提供します。

「貸別荘の実証実験」
 買う以外の選択肢がなかった別荘において、借りるという選択肢を増やすことで中長期滞在や多拠点居住など、これからの時代の多様なライフスタイルに合った別荘のあり方について実証実験を行います。

エリア名 長野県立科町「女神湖エリア」
狙い 豊かな自然資源と中長期滞在という新しい観光需要を掛け合わせることで、時代に合わせたレイクリゾートへ進化させ観光地としての再生を目指す。
ターゲット レイクサイドでのリゾートステイに魅力を感じるミドル層、多地域拠点での「暮らすような旅」を体験したい・実現したい層
総事業費 877,936千円(予定)
参加事業者 13事業者

■ レイクリゾートとして別荘地を盛り上げていくことで観光・別荘・移住の好循環を目指す

■ 茅野市と合同発表した「レイクリゾート構想」
 7月6日、立科町は白樺高原・蓼科高原において、行政と民間事業者で協力しながら女神湖・白樺湖・蓼科湖の湖をつなげ、日本のレイクリゾートの象徴的エリアとなるべく、長野県茅野市と「レイクリゾート構想」を合同発表しました。
 湖は、山や高原において、高い木々に囲まれた森の中でオアシスのような存在です。従来より湖を中心とした別荘地である白樺高原・蓼科高原は、女神湖・白樺湖・蓼科湖の高原の湖を有し、標高の高さゆえの澄んだ空気と、のどかな景色や高山植物などの大自然、温泉などを楽しめる観光地・別荘地として親しんで頂いてきました。近年コロナ禍を経て大きく価値観やライフスタイルが変化してきた中で、「レイクリゾート」の概念は、白樺高原・蓼科高原の次世代に向けた地域づくりに必要な概念であると考えています。
 今回の補助事業を通じて立科町は女神湖を中心としたエリアの整備を行い、レイクリゾート構想をさらに推進してまいります。