和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
合名会社 丸正酢醸造元
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町天満271 事業内容:無添加の酢の製造・販売
明治12年創業の「丸正酢醸造元(まるしょうすじょうぞうもと)」。世界遺産、熊野古道に近い那智勝浦で、熊野杉の木桶による古式醸造の伝統を受け継いできました。
防腐剤等の薬品を一切使わず、那智の山々から湧き出た伏流水と、減農薬米などこだわりの素材で生み出されるお酢は、良質な酸味とさわやかな独特の旨味が特徴です。
近年では欧米数十か国にも輸出され、食通や自然食品愛好者を中心に多くの方に親しまれています。
今回体験できる内容
米酢づくりは、米を蒸して水と麹を加えて仕込むことから始まります。その後、アルコール発酵させた液に種酢を加え酢酸発酵を促し、樽を40度に保ったまま、90日〜500日かけて醸成させていきます。
熟成すると果物が熟したような香りがしますが、この香りによる判断が、商品の出来不出来を大きく左右するとのこと。
醸造行程は企業秘密も多いため、体験では、出荷のお手伝い・瓶洗い・ラベル張りといったお仕事が中心となりますが、伝統を担う小阪康夫さん・和子さんご夫妻のお話から、伝統を感じることができるでしょう。
仕事のこだわり
こだわりの一つは、創業当時から醸造蔵に並ぶ熊野杉の木桶です。木製の桶は、醸造熟成に酢が5%ほど蒸発してしまうので、経済効率を考えれば、樹脂製の方が好ましいのですが、納得のいく酢の香りが出ず、木桶を使い続けています。
その他にも素材選びなど、本物のお酢作りへのこだわりは随所に垣間見ることができます。
その行動の元になっているのは「利より質を重んじて」という先代の考え。丸正酢醸造元のお酢は、利よりも質を取ることで、世界が欲する品質を保ち続け、今日も海外へ輸出されています。
補足事項
宿 泊 場 所 :Why Kumano
宿泊先住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地5丁目1−3 2F
その他:紀伊天満駅から徒歩1分のため公共交通機関での参加も可能です。
体験経費
参加費:無料
宿泊費:4,000円/泊
※5,000円/泊まで補助あり。初回の体験のみ適用
食費:実費負担
交通費(自宅~集合場所):実費負担