和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
紀州マルイチ農園
住所:和歌山県海草郡紀美野町西野686-3 事業内容:果樹農家、農産加工品製造・販売、カフェ運営
和歌山県北部の山間に広がる〈紀美野町〉で、13代つづく農園を営んできた「紀州マルイチ農園」。梅、栗、柿などを中心とした果樹に加え、豊かな土を活かしたじゃがいも、筍や原木シイタケ、山菜など幅広い農産物、特用林産物の栽培、収穫、加工を行っています。自然との共生を掲げ、何代にもわたってできるだけ環境に負荷を与えないような農園運営を心がけてきました。
今回お話をお伺いした紀州マルイチ農園の北裕子さんは、大阪で働いていた50代の時にUターンし、実家の農園運営を支えてきました。「やっぱり生まれた場所を離れるっていうのも、離れてこそ気づくこともたくさんあるので、大事ですね。」Uターン前には、野菜ソムリエ上級プロの資格も取得。現在は、農園運営はもちろん、農産加工や販売、カフェ運営、そしてまちづくりや、地元中田地域の棚田再生プロジェクトなど様々な活動に関わっています。
「最近は紀美野町でも、若い移住者が増えてきました。」と、北さん。農として長年やってきたからこそ、田舎暮らしをして生計を立てていくことの面白さ、そして厳しさをよく知っています。田舎暮らしと農業は距離が近いだけに、どのようにして生活をしていくことができるのか。半農半Xのような取り組み方をはじめ、移住後の生活についても出来る限り相談に乗りたいと話します。
今回体験できる内容
紀州マルイチ農園では、幅広い体験が可能です。季節によって変化しますが、収穫や出荷作業、草刈り整地などの農作業のお手伝いに加え、こだわりの栗をふんだんに使った「栗ジャム」の製造作業なども体験いただけます。農業や田舎暮らしに関心がある人にとって、少量多品目で独自の農園運営をされてきた、紀州マルイチ農園さんの仕事は参考になるはず。
また関心のある人は、加工場のすぐ近くにある、カフェスペース「くらとくり」での体験も可能です。このカフェスペースは、使われていなかった古い米蔵を改装したもの。
「JAさんから、この加工場の裏にある米蔵の話を聞いたんです。もう古いので解体するということだったんですが、ちょっと待って、それはもったいない! って。それで中の改装をしながら、活用方法を考えて、今では『もみのき食堂』さんとのシェア店舗として、カフェやランチの提供をするスペースになりました。」
来てもらうことで現場の空気感や仕事のノウハウを伝えることはもちろん、今回のしごと暮らし体験を通じて、紀州マルイチ農園が大切にしてきた姿勢や方法も併せて伝えたいと北さんは考えています。
「ただ体験するんじゃなくて、なぜこういう方法でやってるのかということを、しっかり聞いてもらって。やっぱり私たちは、来てくれる限りはそういうこともきちっとお伝えしたい。そうすることで、都会を離れて田舎で暮らすっていうことがどういうことかも見えてくると思うんです。もちろん、そういうことを言うとちょっと気が重くなってくるから、もっと軽い気持ちで移住とかを考えても構わないんだけどね。」
まちづくりへの想いを知る
紀州マルイチ農園が長く根ざしてきた紀美野町も、長く人口減少の一途をたどってきました。そうした現実に直面する中で、北さんは多くのまちづくりや地域おこしの活動に関わってきました。人と自然、その二つが合わさってできる地域をどのように作っていけばよいのか。体験の際には、そんな北さんの活動の移住や地域づくりに関する活動の紹介や体験も、積極的にできればと考えています。
例えば、中田の棚田再生プロジェクト。紀州マルイチ農園からちょうど見通せる、600年以上の歴史ある棚田(詳しくはこちらのページをご覧ください)を再生させる取り組みは、地元の人はもちろん、多くの移住者や外部のサポーターとともに行われています。ご希望があれば、そうした活動を体験スケジュールの中に組み込むことも可能です。
地域の人たちと一緒に、豊かな地域をつくっていく。長年続く農園を運営する傍ら、そうした活動に取り組む北さんの想いは、移住を考える際の大きな手がかりになるのではないでしょうか。
スケジュールイメージ
1日目(13:00~17:00)
1. ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2. マルイチ農園の仕事の説明
3. 地域、農園の見学
2日目(9:00~15:00)
1. 農作業のお手伝い
・収穫、選別、出荷補助等
3日目(8:30〜12:30)
1. 加工体験/カフェ運営体験
2. 最後のまとめ
※体験内容はご希望に合わせて柔軟に変更可能です。また農業・加工については、季節によって変動いたします。
補足事項
最少催行人数:1名
宿 泊 場 所 :桜庵
宿泊先住所:和歌山県海草郡紀美野町大角486-3
宿泊先HP:http://www9.plala.or.jp/hana1ban/03_sakura_an.html
体験経費
宿 泊 代 金 :1泊2食6,500円(税込)桜庵のホームページのお食事内容とは異なります。
※5,000円/泊まで補助あり。初回の体験のみ適用
取 消 料:宿泊の15日前まで0%
宿泊日の2日前まで 宿泊料金の50%
宿泊日の当日・不泊 宿泊料金の100%
食費:実費負担
交通費(自宅~集合場所):実費負担
体験者の声
栗拾い・栗むき・選別・出荷まで経験させていただきました。
そして、移住定住のお話しや地域活性活動されている方々のご紹介もしていただきました。
とても有意義な体験期間でした、
紀美野町へ移住したいなぁという気持ちも生まれました、町役場に登録をしておきました。(40代・大阪府在住)
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この度は、紀州マルイチ農園さんで、栗加工の体験をさせていただきました。作業を一緒にさせていただいた方からいろいろとお話を聞かせていただいたり、紀美野町での様々な取組、移住者のお話、要所をご案内してくださいました。
短期間でしたが、とても有意義で今後を考える上で大変勉強になりました。お忙しい中、このような機会をいただき、本当にありがとうございます。
紀美野町には、またゆっくりとお伺いしたいと思っております。(20代・大阪府在住)
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マルイチ農園の北さんが御多忙の中を3日間、色んな方々、場所へアテンドして下さった事がすべてです。 地域に根付いた農業をやりたいと思いましたし、林業が出来れば地域が整っていく事になるなと思いました。又この地域にない店やイベントを行える人になれれば更に地域活性化が出来るなと思いました。地域おこし協力隊の方々を中心に棚田に愛情を注いでいる姿はかっこいいですね、地域が繋がる要素になっていて更に興味がわきました。そして半農半Xの意味が解釈できました。今回関わってくださった方々皆さんに感謝したいと思います(兵庫県在住)
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