今回はふるさと納税にグリーンアスパラをご出品されている、益田農園益田 享明ますだ たかあき)さん、麻美まみ)さんご夫婦にお話を伺いました。
3人のお子さんとともに大阪から移住し、「農業は楽しい!」と笑顔で語るお二人。周囲の叱咤激励も糧にして自分たちの想いを形にしていく前向きな姿勢に、とても驚かされました。

ワクワクする農業を北海道・富良野で

ー 富良野市に移住される前はお二人とも大阪で農業以外のお仕事をされていらしたようですが、農業を志した経緯を教えてください。

(享明さん)
「僕は結婚前にワンシーズンだけの農業体験をさせてもらったことがあり、興味を持ちました。それから、奥さんの実家が農業をしているので、帰省する度に様子を見ていて身近だったこともきっかけになっています。」

(麻美さん)
「私は子どもの頃から親の農作業の手伝いをしていたりと、やはり農業は身近にありましたね。」


ー 農業のどんなところに魅力を感じたのですか?

(麻美さん)
「最初の取っ掛かりは、シンプルに面白そうだなと感じたことです。自分が農業をしている姿を想像しただけでワクワクしましたね。
誰でも美味しそうな料理を目の前にしたら『食べてみたい!』と思うじゃないですか。私にとって農業はそれと同じ感覚で、純粋な興味から農業に飛び込んでみたいと思ったんです。」

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ミニトマトを収穫するお二人

ー 富良野市で就農すると決意した決め手はなんでしたか?

(享明さん)
農業=北海道というイメージがあって、就農するなら北海道というのは決めていました。大阪で農業フェスに参加して色々な自治体を一通り周ってみたら、富良野市の担当者の方が親身に対応してくれたんです。大阪在住の僕でも知っている『富良野』というネームバリューに惹かれたという側面もあります。」


ー 大阪から北海道へお子さん3人とともに移住し就農するというのは、一見ハードルが高そうなだと感じますが、当時はどのように感じていましたか?

(享明さん)
「周囲の人たちにも結構言われますね。しかも僕たちは大阪に一軒家を買ってたんですけど、売り払って富良野市に移住しました。けれど当の本人たちはアルバイトを変えるくらいの感覚で、大きな決断を重荷に感じることはありませんでした。」

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ー お子さんをはじめ、ご家族の反対はありましたか?

(享明さん)
「どちらの親からも反対は全くありませんでした。
ただ当時小学4年生だった長男は、ようやく友達の輪がで出来始めたタイミングだったので、最初は少し嫌がってました。でも引っ越したら富良野の生活をとても楽しんでいましたし、こっちに来て良かったと言うくらいです。」


ー 2024年春で就農5年目となりますが、ご自身の農園を立ち上げる時に大変だったことはありますか?

(享明さん)
「夫婦間での情報共有や擦り合わせはとても意識しました。農作業のやり方といった細かい部分から始まり、これから益田農園をどうしていくかという大きな方向性や価値観の違いに、お互いに歩み寄って理解しようと努めましたね。
最初の頃は僕が従業員さんに農作業の指導をしていたんですが、ちょっとしっくりこないなと思い奥さんと話し合った結果、僕よりも得意な奥さんに託すことになりました。このように起きた問題を一つ一つ二人でクリアしてきました。」

(麻美さん)
「家には子どもたちもいるので、仕事で揉めたりぶつかったことを家庭に持ち込まないというのが結構難しかったです。
農業という仕事自体に対しては、試行錯誤はしていますが苦痛だとか大変だとは思ったことがないですね。」

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『益田農園に出会って良かった』と思う人を増やしたい

ー 今後のお二人の展望はありますか?

(麻美さん)
「一つは、私たちが育てる作物の安定供給・ブランド化という形で富良野市に貢献していくことです。そのために作付けを徐々に増やしていますし、これが富良野市にとっても私たちにとってもwin-winな貢献の仕方だと思っています。
もう一つは、ボランティアや支援活動を積極的に行っていくことです。年始に悲しい出来事が続いたこともきっかけになっていて、富良野市内に限らず日本各地で本当に困っている人や何か手伝ってほしいことがある人の元へ行って、全力を尽くしたいと考えています。」

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ふるさと納税返礼品のグリーンアスパラ

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益田農園が育てるミニトマト

ー 一見、農業と関わりが薄いようにも思えるボランティアや支援活動に積極的なのはなぜですか?

(享明さん)
「もちろん人助けという根幹への関心が第一にありますが、それを取り囲んでいる人たちと繋がりたいという思いもあります。
いろんな業種の方たちとのコミュニティができて、どこかのボランティアに一緒に行ったり、僕らがどのような人間で農業に対してどんな考えを持って取り組んでいるかを理解してもらった上で、僕たちの作ったものを手に取ってもらえたらと考えています。」


ー そういった考えから、WEBサイトやSNSで積極的に発信されていらっしゃるのでしょうか?

(享明さん)
「そうですね。僕たちは益田農園で働く人もお客さんも、そのほかの活動で出会う方も含め、関わったすべての人が、僕たちと出会えて良かったと感じてもらえるような活動をしていきたいんです。
そのためにまずは僕たちを知ってもらうことが最優先だと思っているので、SNSやラジオ企画では農業を全面に押し出すというよりも、考えやプライベートな部分を多く発信しています。

(麻美さん)
それでもやはり直接会わないと伝わらない部分がたくさんあるので、支援活動やボランティアを通して私たちから出向いていきたいですね。」

ー お話をお伺いしていると、農業を自己実現の手段の一つと捉えている部分もあるのかなと感じたのですが、実際のところいかがでしょうか?

(麻美さん)
「そうかもしれません。もちろん農業は好きですが、他にも選択肢があると考えています。農業だけをゴールにしていると、上手くいかなかった時に止まってしまうと思うんですよ。でもその先の目標を置いていたら、しなやかに対応できると思うんです。」

(享明さん)
「農業も枠を広げると、食という広いマーケットになりますよね。食は人間にとってなくてはならないことですし、ビジネスチャンスがまだまだあるなと感じています。」

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ー 農業をビジネスの一つと捉え農業だけに留まらないお二人の活動に、周囲の理解を得るのは難しかったのではないでしょうか?

(麻美さん)
「就農してすぐの頃は、私たちのぶっ飛んだ考えや目標に『農業はそんなに甘いもんじゃない』と言われたこともあります。地域の集まりでお酒を飲んでた時に『新規就農者がビール飲んでるぞ!』と笑われたこともありましたね。
でも5年経った今では、皆さんの長年の経験からくる助言だったんだなとありがたく思います。もちろん共感したり応援してくれる人たちが富良野にはたくさんいるので、そんな人たちも巻き込みながら今後も活動していきたいと思います。」

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益田農園の返礼品

富良野市に寄附できるポータルサイト

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