和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
そばと農園 和わく(NPO法人 ええとこねっと龍神村)
住所:和歌山県田辺市龍神村西376 事業内容:飲食店の運営・蕎麦の栽培
全国各地で問題になっている耕作放棄地問題。雑草が生い茂ることで害虫が発生したり、猪や鹿の住処となってしまうことから、近隣の獣害問題にも繋がります。和歌山県田辺市でも、農家の高齢化や後継者不足により、年々耕作放棄地が増加しています。
NPO法人ええとこねっと龍神村では、2015年から耕作放棄地を利用した蕎麦の栽培を開始しました。そこで栽培された蕎麦粉を使用した「龍神そば」の開発に成功し、地域資源化を目指しています。
「龍神は温泉地。温泉観光地といえば蕎麦と地酒だ!と思い立ち、耕作放棄地を使って蕎麦の栽培はどうかと考えました。昔は各家庭で蕎麦の栽培をしていたとも聞いて、やってみることにしたんです」
そう話すのは、NPO法人ええとこねっとの返町和直さん。点在する耕作放棄地で蕎麦の栽培を行い、田畑の管理を一手に引き受けています。
2018年には保育所だった場所を再利用し、龍神そばを提供する”そばと農園 和わく”をオープン。季節のイベントを開催するなど、地元の人や観光客を集める活動にも力を入れています。
今回体験できる内容
今回体験できる内容は、蕎麦栽培のお手伝いがメイン。時期によりますが、草刈りや種まき、収穫、選別や乾燥など、作業工程は多岐に渡ります。また、地域資源とも言える日高川でのカヌー、サップ体験も可能。
「蕎麦の栽培には雑草が大敵。現在は2ヘクタールほどの耕作放棄地を管理していますが、各農家さんの土地なのでまとまった場所にあるわけではないんですよね。農機を入れながら、地道に作業をしています」
種まきから65日ほどで収穫できるという蕎麦ですが、その前の畑の管理や準備など、6月頃から作業が忙しくなるといいます。
若い人にも来てもらえたら、と話す返町さん。2011年に奥様の地元である和歌山に移住した経験もあるため、この体験で得られることは多いのではないでしょうか。
また、蕎麦の栽培や”そばと農園 和わく”での営業などを担ってくれる後継者も募集中。”そばと農園 和わく”では現在、11-15時までのランチ営業を行なっていますが、夕方以降の時間の活用など、アイディアややってみたいことがある人も大歓迎。
「自分の好きなことをオープンにして知ってもらって、できることを掛け合わせながら、和わくを賑やかにしてくれたら嬉しいですね」
和歌山の魅力を伝えたい。住みたいと思ってもらえるような活動ができたら
蕎麦の栽培は初めてだったと話す返町さん。最初からうまくいったわけではないと言いますが、最初は3000平方メートルほどの畑からスタートしたそう。
少しずつ拡大する中でも、台風の被害や雨量が多いと生育が良くないこともある中で、安定した収穫量が課題でした。そこで、龍神温泉が日本三美人の湯のひとつであることに着目し、三美人の湯である島根県の湯の川温泉ちかくの出雲の蕎麦粉と、群馬県川中温泉ちかくの小麦粉をブレンド。こうして、日本三美人湯つながりの「龍神そば」が出来ました。
「NPO法人ということもあり、潤沢な資金があるわけではないので、必要な農機を買ったりするのもひと苦労で。黒字で運営していくために奮闘しています。一緒にやってくれる人が来てくれたらありがたいですね」
設備や人手が足りていない中でも続けられたのは、「管理しきれなくなった畑を使ってくれてありがとう」という感謝の言葉や「蕎麦の花が咲くと観光に来てくれる人もいて、自分の畑がにぎやかになって嬉しい」と喜んでくれる畑の持ち主さんの声があるからだといいます。
地域課題を解決するだけでなく、資源に変える活動をしているNPO法人ええとこねっと。主力事業である蕎麦の栽培を通して、地域貢献、地域づくりに携わってみませんか?
体験スケジュール
1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.仕事のお手伝い(畑の管理、蕎麦の栽培、カヌー・サップ体験など)
※時期によって作業が変わります。
2日目(7:30~16:30)
1.仕事のお手伝い(畑の管理、蕎麦の栽培、カヌー・サップ体験など)
※時期によって作業が変わります。
3日目(7:30~15:00)
1.仕事のお手伝い(畑の管理、蕎麦の栽培、カヌー・サップ体験など)
※時期によって作業が変わります。
2.体験の感想、質疑応答
注意事項
最少催行人数:1名
集合場所:和歌山県田辺市龍神村西376
体験経費
参加費:無料
宿泊費:5,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:自費負担
交通費(自宅~集合場所):自費負担