リコー社員、富良野ワーケーションへ
はじめに
近年、リモートワークの普及に伴い、ワーケーションが定着しつつあります。
ワーケーションは、仕事をしながら非日常の環境で過ごすことで、リフレッシュしながら生産性を高める働き方として注目されています。
特に自然豊かな地域でのワーケーションは、都会では味わえない新たな発見や刺激を得られる点が魅力です。
デジタルサービス企業「株式会社リコー」のエンジニアやデザイナーなど入社2年目の社員6名が北海道富良野市でワーケーションを実施しました。
リコー社員の富良野ワーケーションは4年目の実施となります。
今回は、ただリモートワークするだけでなく、地元高校生への特別授業やスノーシュー体験、地域の人々との意見交換を通じて、富良野ならではのつながりを深めるワーケーションとなりました。
ワーケーション概要:株式会社リコーとは
株式会社リコーは、オフィス機器やITソリューションを提供する、デジタルとアナログ両分野で活躍する企業です。
リモートワークの普及に伴い、社員自らの生産性を向上させるため、また地域とのつながりを深めるため、ワーケーションを積極的に導入しています。
参加日程と参加者
・実施日程:2025年1月27日(月)~1月30日(木)(3泊4日)
・参加者:株式会社リコー入社2年目社員6名
※今回は、こちらの6名の中から、増田さん(開発設計:デザイン担当)と伊藤さん(開発設計:ソフト担当)に代表してインタビューを受けていただきました。

増田さん(左)、伊藤さん(右)
目的と背景
今回のワーケーションでは、リモートワークの合間に富良野の自然や地域文化を体験することで、心身のリフレッシュを図り、個々の作業効率を向上させることが目的とのこと。
特に、都会では味わえない自然環境と地域とのつながりを感じながら、仕事の合間に新たな発見や刺激を得ることが重要なテーマとなっているそうです。
ワーケーションプログラム
参加者は、富良野市内でNPO法人「富良野自然塾」が企画するワーケーションプログラムに参加。リモートワークを行いながら、地元の自然や文化に触れることをプログラムのテーマにしています。
このプログラムは、リコー社員がワーケーションの魅力を感じ、自然環境の中で働きながら新たなアイデアを育む場として設計されています。
スケジュール
仕事とチームビルディング
コミュニケーションワークショップ
富良野市に到着後、市役所でワーケーション受入を担当するシティプロモーション推進課の職員への挨拶、情報交換後、NPO法人 富良野自然塾のアトリエへ移動し、富良野GROUPの松本さんから「コミュニケーション」について学ぶ時間が始まります。
富良野GROUPでは、「コミュニケーション・プログラム」を実施しており、シアターゲームやコミュニケーションアクティビティを通じて、身体を使った表現の大切さを体験します。
▼詳しくはこちらから
ジャンプするゲームでは、口にする言葉と実際の動きをズラすことで、思考と行動が噛み合わなくなる感覚を実感。
拍手をぴったり合わせるワークでは、言葉なしで相手とシンクロする難しさに気づきました。
また、「ステータス(立場や振る舞い)」がコミュニケーションに与える影響」を探るワークも。
姿勢や声のトーンで印象が大きく変わることを体感し、「自分の状態をコントロールできると、より良い対話ができる」という気づきがありました。
最後に行なったのは、「実は私は……自己紹介」。
最初は普通の自己紹介でしたが、少しずつプライベートな話題も出てきて、自然と距離が縮まるのを感じました。
コミュニケーションは「話さなきゃ」と無理に言葉を探すのではなく、自然と生まれるもの。
参加者たちは、ゲームを通じて、言葉よりも「相手を感じること」の大切さを、松本さんから学びました。
リモートワークと滞在中に得られた効果
快適なリモートワーク環境
ワーケーション中のリモートワークは、個々のスタイルで進められました。
ホテルの部屋でPCとモニターを使って仕事をする人、カフェで仕事する人とさまざま。
Wi-Fi環境は場所によって異なり、オンライン会議には不安定な場面もありましたが、社用スマホの回線を利用するなどの工夫で乗り切りました。
伊藤さん:特に問題なく仕事ができました。ホテルのWi-Fiは使わなかったので不明ですが、持参した環境で十分対応できました。
非日常がもたらすリフレッシュ効果
自然に囲まれた環境は、創造的な仕事をする人にとってプラスの影響がありました。
増田さん:デザインの仕事は創造性が求められるので、環境によっては作業しにくいこともあり、場所を変えたりすることもあります。富良野は景色が良くて。朝の雲海を眺めると気持ちがリフレッシュされました。
また、仕事と余暇のバランスが自然と生まれ、集中力もアップしたとのこと。
増田さん:今回のプログラムは、スケジュールが詰まっていたことで、限られた時間で仕事を終わらせる意識が生まれ、オンとオフのメリハリがついてスピード感も増しました。
伊藤さん:時間の使い方について改めて考えさせられました。規則正しい生活により、仕事をしっかりこなせることを実感し、『食べて、寝て、起きて、仕事する』という生活リズムの良さを再認識しました。帰ってからも続けたいと思います。
新しい発見や視点の変化
ワーケーションを通じて、業務の視野が広がったという声もありました。
伊藤さん:普段開発の仕事をしているので、PCに向かうことが多く、これまで社内チームやクライアント以外と会話する機会はほとんどありませんでした。しかし、今回の滞在を通じて、地域や現場の方々と直接お話しすることで仕事につながることもあるのかと実感しました。現在、図書館のシステムを担当していますが、会話の中で図書館の話題になり、新たな気づきと発見がありました。開発職はもっと現場の実情を知り、声を拾うことでより良い仕事に反映させることができるのかもしれません。
リモートワークで利用されたカフェはこちら!↓
Café Lounge “EVELSA”(ワーケーションフラノ)
富良野の自然を満喫する時間
①スノーシュー:大自然でリフレッシュ
スノーシューを履いて、真っ白な世界を踏みしめながら歩く。
いつもと違う景色、いつもと違う足元の感触が非日常の感覚を呼び起こします。
冬の森の自然が残した痕跡の説明を受けながら、都会の喧騒を離れ、ただ歩くことに集中する時間は、
参加者をリフレッシュさせ、心穏やかにさせました。
②焚火&星空観察:非日常の時間
ワーケーションのメンバーだけで過ごした焚火の時間。
焚火を囲み、満天の星空を眺めながら過ごしたこの時間は、参加者同士で共有できる貴重な経験となりました。
普段の生活では味わえない特別な時間は、心からの交流につながりました。
地域とのつながりを感じる時間
高校生への特別授業
今回で4年目となる高校生への授業。
参加者は、これまでの経験を踏まえ、さらに充実した内容を提供しようと取り組みました。
キャリア教育の一環である特別授業のテーマは「社会人になる前にやっておくべきこと」。
生徒たちは自分の目標や夢を真剣に考え、グループワークや個人ワークを通して将来像を描いていきました。
生徒たちの反応
生徒からは次のような感想が寄せられました。
・「社会人になることについてあまり考えたことがなかったので、良い機会となった。講演の中であった『森を育てる過程は人生そのもの』という言葉がすごく響いたので、自分の中の木をもっと大きく育てられるように頑張りたいと思った。」
・「自分が本当にやりたいことが何なのかを考えたことがなかったので、今回を機に自分とじっくり向き合えた。将来を考えるにはまず自分を知ることが大事なんだなと思った。」
授業を通して、生徒たちが自分自身の将来に対してより積極的に考えるようになったことが伺えました。
メンバーの感想と振り返り
増田さんは、「高校生はアイデアの発想力が自由で、会話がとても刺激的でした」と振り返りました。「生徒個々のプロフィール等を事前に知れたら、さらに深いコミュニケーションを図れたのではないか」と感じたそうです。
伊藤さんも、「話しやすい雰囲気を作ろうと意識したが、声かけする難しさを感じた」と述べていました。
また、今後に向けて、テーマの選定に関しても意見がありました。
増田さんは、「高校生の関心が高く(教育にも繋がる)テーマも選択肢にあったら面白いのでは」と提案し、今後の授業内容にも柔軟なアプローチを求めていました。
まとめ
今回の授業を通じて、高校生は卒業後の進路や社会人への心得を考えることができたと同時に、教壇に立ったメンバーも授業の組み立て方やコミュニケーションの難しさを改めて感じることができました。
生徒とメンバーの双方にとって、貴重な学びの時間となった授業となりました。
地域の方との懇親会
地域の方との懇親会では、地元の方々と直接交流し、食事を交えながらの会話の中で、地域ならではの課題や文化、地元の人々の思いに触れることができました。
地元の人々との対話から見えた「リアルな富良野」
増田さんは、こう振り返ります。
「事前に富良野市に関することや先輩方の報告書を読んできましたが、実際に地元の方と話すと、地域課題や地域独特の文化や風習、都会には無い住民の距離感や関係性などが見えてきました。観光目線とは異なるリアルな富良野を知ることができたので良かったです。」
地球環境ワークショップ
今回のワーケーションでは、「地球環境ワークショップ」として、富良野の自然と向き合い、未来へとつながるアクションを実行しました。
このワークショップでは、富良野自然塾のプログラムである「自然返還事業」の一環として、ウッドバーニング(防草プレート製作)を行い、自然環境を守る大切さを学びました。
富良野の自然を知る
ワークショップの前半では、まず富良野の自然環境について学ぶ時間がありました。
富良野自然塾の岸上さんから説明を受け、富良野の自然がどのように変化してきたかについてを学びます。
この話を聞くことで、「この土地に木を植え、新たな生命を育むこと」が持つ意味を深く理解できる時間となりました。
説明を受けた後は、実際に植樹する際に使用する防草プレート(木材)にデザインをそれぞれ施していきました。
「このワーケーションで何を感じたのか?」
「富良野での経験をどのように未来へつなげたいのか?」
参加者それぞれが、植える木に想いを込め、ワーケーションでの思い出を刻みました。
振り返りと未来へ
ワークショップが終わった後は、ワーケーション全体の振り返りを行い、富良野自然塾の岸上さんから最後のメッセージがありました。
▼参加者の振り返りと岸上さんのお話はこちらからご覧ください
まとめ:富良野ワーケーションの価値
今回のワーケーションでは、「仕事×自然×地域交流」を軸に、富良野ならではの体験が詰まった時間が提供されました。
リモートワークの合間に広大な自然の中でリフレッシュし、地域の方々と深く関わることで、ただの観光では得られない視点や繋がりが生まれました。
参加者からは「また富良野に来たい」「地元の方との交流が印象的だった」といった声が多く寄せられ、単なる滞在ではなく、地域と関わりながら働くことで新しいアイデアや価値観に触れる機会となったようです。
この記事を読んで、「富良野でのワーケーションに興味を持った」「自然に囲まれながら働くことを体験してみたい」と感じた方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。
きっと、ここでしか得られない学びや出会いが待っています。
また、企業の皆さまにとっても、ワーケーションは社員のモチベーション向上やチームビルディングに効果的な手段です。
富良野の自然に囲まれた環境で、業務のパフォーマンスを高めるだけでなく、地域との交流を通じて新たな価値観やアイデアを得る機会を提供できます。
企業ワーケーションを検討している企業様には、ぜひ富良野での体験をお勧めしたいです。
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