吉野川の源流が流れ、美しい棚田と山々に囲まれた高知県嶺北(れいほく)地域。

コンビニの光よりも星空が眩しいこの場所で、いま、日本の教育の最前線とも言える挑戦が続いています。

舞台は、地域唯一の高校である「嶺北高校」。

かつて廃校の危機に瀕したこの学校は、地域ぐるみの熱狂的なプロジェクトによって、全国から生徒が集まる場へと生まれ変わりました。

私たちが探しているのは、「教育のプロ」ではありません。

生徒の隣で、正解のない問いに共に悩み、共に面白がる「伴走者」です。

「教えない」教育現場で、あなたの人生の新しいページをめくりませんか?

地域住民の想いから始まった、再生の道

物語の始まりは、2011年頃まで遡ります。

当時、嶺北高校の入学者数は激減し、一時は17名に。「廃校」の二文字が現実味を帯びていました。

「高校がなくなれば、地域も衰退する」。

その危機感が、地域住民の魂に火をつけました。

「単に学校を残すだけでは意味がない。高校そのものを魅力的にし、地域全体を元気にしよう」。

そうして立ち上がったのが、「嶺北高校魅力化プロジェクト」です。公設塾をつくり、寮を整備し、地域課題を学ぶ授業を創る。この挑戦は実を結び、現在では毎年30名以上の新入生を迎え、全校生徒数は回復傾向にあります。

しかし、私たちが目指しているのは「数」の回復だけではありません。

不確実な未来を生きる生徒たちが、自らの足で立てる「土台」をつくること。それが、私たちの真のミッションです。

「教える」ことを手放す勇気

私たちの教育哲学を一言で表すなら、「余白の設計」です

事務局長の岡田光輝はこう語ります。

「スタッフが『こっちだ』と先に道筋を示すんじゃなくて、生徒自身が考える余白を残したい。自由に考えていいんだという安心感を、絶対に担保したいんです」

大人が先回りして正解を用意すれば、失敗は防げるかもしれません。でも、そこからは「主体性」は生まれない。だから私たちは、あえて「教える」ことを手放します。

  • 地域課題に挑む「嶺北探究」

    フィールドワークの一環で地域事業者の方にヒアリング

  • 生徒の『やりたい』に火を灯す公設塾「燈心嶺(とうしんりょう)」

    タイピングゲームで対戦

  • 生徒自身がルールを決める公設寮「嶺北研修交流学舎」

    寮生が企画した節分イベントの一幕

これらすべての場所で、私たちは指導者ではなく、生徒が安心して試行錯誤できる環境を守る「伴走者」として存在しています。

「大人だって、ブレブレでいい」

「教育に関わりたいけれど、立派な指導なんてできない」。そう思う方にこそ、知ってほしい仲間たちがいます。

公設寮で働いていたあるスタッフは、かつてこう言いました。

「大人だって、ブレブレでいい」。

寮の消灯ルール一つとっても、すぐにトップダウンで決めません。生徒と意見が割れたとき、彼女は答えを急がず、3ヶ月もの間、生徒たちと対話を重ね続けました。完璧な大人である必要はない。共に悩み、揺れ動く姿を見せることも、大切な教育だと彼女は教えてくれます。

公設塾のあるスタッフは、元球児で教育未経験。ある時、高校数学の難問を前に、生徒にこう言いました。

「ごめん、これはわからんわ…ちょっと一緒に考えよう」。

「先生=答えを知っている人」という仮面を脱ぎ捨て、「僕も隣で考える」というスタンスをとる。それが生徒の安心感につながりました。

元カラオケ店員の事務局スタッフは、「雑談」の達人です。「やりたいことがない」と嘆く生徒との何気ない会話から、その子の心の奥にある興味の種を見つけ出します

 

ここには、画一的な「先生」はいません。

多様なバックグラウンドを持つ大人が、それぞれの「得意」や「弱さ」をさらけ出しながら、生徒と関わっています。

あなたの色で関わる「オープンポジション」

今回の募集は、あなたの「やりたい」に合わせて役割を調整する「オープンポジション」です。

「寮生活のサポート(ハウスマスター)」または「学びの伴走(公設塾スタッフ)」をベースに置きつつ、探究学習のコーディネートや広報、国際交流など、領域を横断して活躍できます。

▼ 主な役割のイメージ

  • 生活の伴走(ハウスマスター等)
    親元を離れた生徒たちの暮らしを見守ります。管理するのではなく、生徒が主体的に動ける「自治」の文化を、生徒と共に育みます。手を出したくなっても一旦立ち止まり、じわじわと効く様な関わりが求められます。
  • 学びの伴走(公設塾スタッフ等)
    教科書の中だけにとどまらず、広い意味で「学び」を捉え、サポートします。教科学習や面談、キャリア教育や探究支援を通じて、生徒の「好き」を掘り起こします。
    目指すのは「すべての生徒が主体的に自己実現できる学びの場づくり」です。

地域に「暮らす」ということ

嶺北で働くことは、豊かな自然と温かいコミュニティの中で暮らすことでもあります。

「地域が好きになるのは、そこに好きな人がいるから」。

そう語るのは、地域の支援者・山首さん。彼女も所属する「嶺親(みねおや)の会」では、地域住民が寮生を我が子のように支えてくれています。

職場の窓から見える山々の緑、ご近所さんからのお裾分け、吉野川のせせらぎ。

都会の喧騒から離れ、人間らしい時間を取り戻す暮らしがここにはあります。家賃は町が全額負担するため、経済的な不安も少なく移住生活をスタートできます。


募集要項

私たちは、単なる欠員補充ではなく、一緒に未来を面白がる仲間を探しています。

項目詳細
雇用形態

地域おこし協力隊(土佐町または本山町の会計年度任用職員)

契約期間

採用日〜年度末(勤務状況により最長3年間まで延長可能)

※任期終了後の定住・継続雇用を歓迎します

給与

①週4日勤務(土佐町):月額185,000円(年収約300万円)

②週5日勤務(本山町):月額210,000円(年収約350万円)

※期末・勤勉手当あり(年間約4.5か月分/規定あり)

勤務地

れいほく教育魅力化・交流支援センター「とまり木」

(高知県長岡郡本山町本山821-1)

勤務時間

例:8:15~17:15、13:00~22:00など(休憩含む)

※生徒対応のため夕方〜夜間が中心です。
※シフトや開塾時間等によります

待遇・
福利厚生

家賃全額町負担(住居無償貸与)
・社会保険完備
・活動経費負担(ガソリン代等)
・起業・副業可能(届出制・起業補助最大100万円有)
※高校の探究コーディネーター兼任も可能

応募条件

・三大都市圏等都市部から住民票を異動できる方
・教育、地域づくりに関心がある方(未経験歓迎)
・普通自動車運転免許(AT可)
・「主体性」「伴走」という理念に共感できる方

最後に

「今の自分のままで、誰かの役に立てるだろうか?」

もしそう迷っているなら、その「迷い」こそが、生徒たちに必要なものかもしれません。

正解のない時代を生きる生徒たちに必要なのは、完璧な指導者ではなく、隣で一緒に悩み、それでも前を向いて歩く大人の背中です。

まずは一度、オンラインでお話ししませんか?

嶺北の風土と、私たちの「熱」に触れてみてください。ご応募をお待ちしています。

現場スタッフ、町役場担当者、高校担当教員と

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