数々のテレビ番組を手がけてきた町田達男さんは、2025年3月に大熊町へ移住しました。現在は、その経験を活かし、クマSUNテラスとCREVAおおくまを中心に、賑わいを創出するイベントを企画しています。雑誌社とコラボしてアメ車ファンミーティングを開催するなど、積極的に活動を展開する町田さんに、大熊に移住した経緯や具体的なイベント内容そして移住者の視点から見たこの町が持つ魅力について伺いました。

大熊町に移住した理由:復興のお手伝いをするため
以前はテレビ局のグループ会社につとめ、主に関東一都六県の金曜午前中の番組を担当していました。しかし、その会社が解散したことをきっかけに、「さあ、これからどうしよう」と考えるようになり、「がっつり働くのではなく、自分の好きな仕事をしたい」と思うようになりました。次は地方創生や復興に関わる仕事がしたいと考え、2025年3月1日に大熊町へ移住してきました。
大熊町を知ったきっかけは、インターネットで地方創生や復興に関わる仕事を探していた際に目にした「くまジョブ」です。年齢や希望年収などの条件と照らし合わせながら探していたところ、大熊町の仕事がとても魅力的に映り、応募を決めました。実際に移住を後押ししたのは、やはり「復興に携わりたい」という強い気持ちでした。
根底にあるのは、「誰かの役に立ちたい」という想いです。以前は、視聴率や売り上げなど、常に数字に追われる仕事で、それが大きなストレスにもなっていました。だからこそ次は、人から「こういうものがなくて困っている」「これがあったら嬉しい」といった声に寄り添い、サポートできる仕事をしたいと思うようになりました。そのような思いから、人との繋がりやサポートを重視する役割へと方向転換し、自分がこれまで培ってきた企画力や人脈を、まちづくりの現場で活かしたいと考え、大熊町への移住を決断しました。

町に賑わいを生み出す様々なイベントを開催
現在の私の仕事は、クマSUNテラスとCREVAおおくまの来場者数を増やすために、賑わいづくりや住民交流につながるイベントを企画・開催することです。
例えば、2025年10月には、アメ車ファン向けのイベント「アメ車ファンミーティング in Fukushima」を開催しました。「アメ車マガジン」という雑誌のイベントとしては東北初開催で、当日は全国各地からアメ車ファンが集まり、愛車と一緒に写真を撮ったり、ファン同士が交流したりと、盛り上がりを見せました。
当日は100台近くがエントリーし、来場者は500人を超えました。東北だけでなく関東、東海からの参加者も多く、大熊という町を知っていただく非常に良い機会になったと感じています。
私自身もアメ車に乗っていることもあり、好きなものを通して町の魅力を発信できたことがとても嬉しかったです。

今後、CREVAとクマSUNテラスでの活動として、3月までは引き続き来場者数を増やすことを目標にしています。そして4月以降は、来場者にいかにお金を使ってもらうかを重視していきたいと思っています。例えば、今年の8月に毎週金曜日にビアガーデンを企画したところ、各店舗の売り上げも好調だったので、そのようなイベントを開催していきたいです。

また、大熊の羊牧場とコラボして、来年には羊の毛刈りショーをクマSUNテラスで開催する計画も立てています。大熊の人たちを巻き込みながら、町の活性化を目指したいです。
さらに、長期的な展望として、「浜通りの特産品を使ったおせちを作り、ふるさと納税に生かす」という夢があります。私は以前、14年間おせち開発に関わってきたので、その経験を活かし、広野の塩や浪江の魚など、浜通りの食材を使って商品化できれば、地域全体が喜ぶのではないかと考えています。今後も町に人を呼び込み、経済効果を生む企画を続けていきたいです。
ホタル舞う豊かな環境での生活
町で出会った人や出来事の中で印象に残っているのは、やはり人々の温かさです。以前、東北を営業で回っていた時も感じましたが、東北の人は本当に人があったかいです。若い方からご年配の方まで、人が温かいというのは日々感じています。
生活リズムも好転しました。以前は満員電車で片道1時間半、往復3時間かかっていたのですが、今はほとんど通勤時間が無いため、プライベートな時間がすごく増えました。休日は食品の買い出しに週に一度、富岡や南相馬に行ったり、自分の乗っているアメ車をいじったり、地域のイベントに顔を出したりしています。
大熊での生活で特に気に入っている場所は、坂下ダムです。人がいなくて、ぼーっとするのにちょうどいい隠れ家的な場所で、お気に入りです。春には、桜の花の開花段階を毎週チェックしに行っていました。また、大熊町内にある羊牧場もよく通っています。最近では、ホテルの草刈りに羊やヤギ達に協力してもらったりしています。私自身、羊年ということもあって、近寄ってきてくれる羊たちに癒やされています。

また、特に感動したのが、ホタルが飛んでいることです。ホタルが飛ぶということは水が綺麗だという証拠です。この事実をうまくアピールできれば、観光にも繋げられるのではないかと考えています。仕事でもプライベートでも、ワクワクするアイデアをどんどん実現させていきたいです。
移住を考えている方へのメッセージ
大熊町は現在、20代・30代の移住者も多く、これから再スタートを切る町です。新しい事業を始めたい人、人の温かみを感じたい人、自然と触れ合いたい人には、大熊町は本当におすすめです。頑張りたいという想いがあれば、今がチャンスだと思います。
また、挑戦を応援してくれる人たちがたくさんいる町でもあります。私自身も、様々な人脈を持っているので、困っている方を見ると「ちょっと連絡してみますよ」と繋ぎ役をすることが多いです。大熊にはいいものを持っているもののまだそれを100%生かしきれていない人もいるので、「こういうルートがあるよ」「こうやったらどう?」とアドバイスやバックアップをさせてもらっています。私も積極的にサポートしますので、ぜひチャレンジ精神を持って、大熊町へ来てください。
