大切なことは、その土地に誇りを持つこと
新産業を作っていこうという様々な動きは美瑛町にもあるというが、地方の経営者のビジネスはどうしても自分たちが住んでいる域内で行われていることが多く、スケールさせられている経営者は少ないという。しかし、佐竹さんは域外、つまり自分たちが住んでいる地域の外にビジネスを展開していくことが大切だと考えている。
「新産業を作り出そうという動きを加速させ、具現化させて、さらに掻き立てるのが、CRMによるマーケティングデータを使った地域の公共経営・産業の育成・振興。その土台と環境づくり、それが私のミッションであり仕事です。」
域外にビジネスを展開する上で大事になってくるのは域内の人たちがどれだけ地域に誇りを持ち、自分たちの地域を楽しめているか、自分たちの住んでいる土地を大切にする精神である。
「もちろんお金儲けする人達もいれば、そうではなく今が楽しければ良いと考える人達もいたっていいのです。大切なことは、いろいろな人達が誇りを持って生活できるような環境を作っていくことです。」
佐竹さんが率いる企みは始まったばかり。すでに観光地として成立しているがゆえの先進課題を持ち、その解決だけでなく、さらなる観光と地場産業の振興と洗練を見据える新しい取り組みから目が離せない。
取材・文・撮影:編集部
●佐竹 正範(さたけ まさのり)
北海道美瑛町 政策調整課課長補佐(ヤフー株式会社から出向)ふるさと名品オブ・ザ・イヤー実行委員会 幹事長。
ヤフー株式会社でブランド・マーケティングや社会貢献活動、地方創生関連を担当した後、2016年10月より北海道 美瑛町に出向中。美瑛町 地域創生活動のサポートと情報発信戦略の一環として、町内関係機関を横断したCRM事業を立上げ、データ・ドリブンな観光施策を模索中。また、在京企業24社や内閣府などと立ち上げた、地域に隠れている名品を表彰していく「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー実行委員会」の幹事長として、地域商社協議会の運営なども行っている。