今回は、地方から「面白いもの」を発信し続ける株式会社クラビズ代表取締役・秋葉優一(以下秋葉氏)が見据える未来の倉敷と、その地方創生の一環として来年春開業される「HOSTEL KAG」プロジェクトについて紹介する。
株式会社クラビズ
時代の変化に対応しながら、「面白いもの」を倉敷から日本中や世界中に発信することを目指し、企画、広告、webシステム、ポスティング、そして冷えとり靴下のくらしきぬと幅広く事業を展開。平成26年度に子育て応援宣言を行い、平成29年に県知事賞を受賞。
記事のポイント
- 倉敷の現状
- 「HOSTEL KAG」に託す想い
- クラウドファンディングを通じて生まれる「意識の共有」
倉敷が抱える問題
倉敷は江戸幕府の直轄天領地として栄え、大原家の多彩な事業などによって大きく発展し、多くの著名人が訪れる芸術・文化都市であった。しかしながら、大型商業施設などの影響もあって駅前周辺のにぎわいが低下し、商店街はシャッターを閉じた店舗が点在するようになった。特に感性豊かな20代、30代の若者たちも刺激を求めて県外に流出するなど、いつの間にか“かっこいい最先端な街”のイメージから遠ざかっている。
「古くからの歴史は尊重しつつ、子どものころから異文化に触れられる場所を身近につくり、若者たちが目の前で本物の音楽やアートに触れられる機会を増やすことで、アヴァンギャルドな倉敷を取り戻すきっかけをつくりたい。」と秋葉氏は語る。
「HOSTEL KAG」の役割
「HOSTEL KAG」の仕掛け人である秋葉氏はこう語る。「世界中で斬新かつユニークなアーティストが次々と登場している今日、ここ倉敷に求められている場所。それは最先端の音楽やアートが楽しめ、自分の想いを自由に表現でき、なおかつそんなひとときを寝る間際まで誰かとシェアし合える拠点です。」これが「KAG -kurashiki avant garde- 」の原点である。
完成イメージ
倉敷に多く訪れる外国人観光客と地元の人たちとの接点を増やし、日常的に触れ合える機会をつくることで、新しい文化が生まれ、アカデミックな世界を広げることができる。
また、岡山瀬戸内には現代アートの聖地として有名な直島、サイクリングやアート巡りで人気の尾道など世界に誇るおもしろいコンテンツやアクティビティがあふれている。長期滞在する外国人観光客も多く、KAGが滞在拠点の選択肢の1つになれば、ここから瀬戸内の魅力を世界中に発信していくことも可能である。
「HOSTEL KAG」の概要
「HOSTEL KAG」は倉敷駅から徒歩4分の好立地にて開業予定。駅前の一番街に入ってすぐにある大熊旅館が、リノベーションによって新たな交流の場として生まれ変わる。1Fはカフェ&バー、2F・3Fはドミトリーと個室、屋上はルーフトップバーとなる。現在は工事中で、開業は来春を予定している。
HOSTEL KAGの館内MAP
そして、倉敷出身の芸人、あの浅草キッドの「水道橋博士」が「KAGアンバサダー」に就任。コメントも寄せている。(クラウドファンディングページ、KAGのインスタグラムなどで公表中)
また、現在人気セレクトショップBEAMSや1LDKとのコラボ商品や多くの大手企業の広告で活躍する倉敷出身のイラストレーター「金安亮」が、今回KAGのイメージイラストを手がけている。
クラビズよりメッセージ
現在、多くの著名人も利用するクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて、「HOSTEL KAG」プロジェクトは支援を募集しています。
クラウドファンディングを利用する理由は、岡山や倉敷を地元とする方々に、倉敷を盛り上げるプロジェクトに自ら参加する一つの方法として提案したいからです。つまりクラウドファンディングを通して、地元の人々を巻き込んだ、倉敷を元気にしたいという意識の共有が可能となると考えています。
このプロジェクトの掲載期間は2017年12月28日まで。リターンには金安亮のイラストが入ったKAGオリジナルグッズをはじめ、宿泊券や企業向けの広告プランなども取り揃えているのでぜひご覧ください!
取材・文:編集部
写真提供:株式会社クラビズ
●金安亮
1981年、岡山県倉敷市出身、大阪府在住。2006年、デザイン事務所退社後独立。フリーランスのイラストレーターとして雑誌、広告、書籍、TVCMなど幅広い分野で活動。
●秋葉優一
岡山県倉敷市に生まれ、大学で上京して30歳まで東京で人材・IT業界でのスタートアップなどを経験。2007年地元である倉敷に戻り、実家の家業を継ぐ。地方から世界に通用する企業をつくるため日夜奮闘中。
●株式会社クラビズ
- 住所:岡山県倉敷市昭和2丁目1-68
- 設立:1972年
- 代表取締役:秋葉優一
- 事業内容:企画・広告・デザイン・WEB・システム・ポスティング・EC事業・ホテル事業