(株)リジョブ本社にて

株式会社リジョブは、美容・ヘルスケア・介護などのおもてなし業界に特化した求人メディア事業、またその業界で活躍する方に向けた応援メディアを運営しています。リジョブが目指すのは、社会課題・業界課題を事業を通じて解決し、心豊かで持続可能な社会を創ることです。思いやり、いたわり、心づかいという日本の心を大切にした「人と人を結ぶ」事業を通じ、労働力不足やおもてなし業界に携わる方々の、仕事を通じた夢の実現に向き合っておられます。

あわえの主催するマッチングイベントにご参加いただき、首都圏から近くとも、過疎化の進行する、神奈川県真鶴町にサテライトオフィスを進出し、2年近く活動を継続されています。その背景や、今後の展望などを取締役 長南 岳彦 様、広報担当 那須 りな 様にお伺いしてきました。
地方進出を検討している企業のみなさま、ぜひ参考にしてみてください。
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サテライトオフィスの検討背景

 

 

あわえ:「まず、地方へサテライトオフィスを進出することになった背景をお伺いできますでしょうか。」

長南様:「当社では2015年から、毎年1回、経営陣と若手幹部候補との未来経営会議を行っています。関わっている業界へのアプローチの広げ方や価値貢献の拡大を考えることだったり、組織の再構築だったりと毎年テーマは変化しますが、“日頃の業務以外の分野で、新しいことができないか”をフラットに議論し、提案し合い、会社としての取り組みに発展させています。その中で、“地方創生の取り組みとして、首都圏以外の地域の活性化をしたい”という想いがあって、地方創生プロジェクトが発足しました。」

あわえ:「なるほど、それでサテライトオフィスを開設する地域を探しておられたのですね。」

長南様:「当社としては、新規事業を“その地域の課題を解決するという観点を絡ませながら生み出すこと”を大事にしたいと思っていました。また、本社から約90分という物理的にも目が届くところに拠点を設け、私たちの手の届く範囲で実績をつくりたいと考えていました。新規事業だけではなく、本社で担っている業務を切り出して拡張し、安定して更なる価値を生み出す体制を構築したい、という意向があったのです。」

あわえ:「そこで白羽の矢が立ったのが、マッチングイベントで出会った神奈川県の真鶴町だったのですね。」

長南様:「はい。実は御社のマッチングイベントだけでなく、官公庁や新聞社の主催するPRイベントなど、様々なイベントに参加しました。その中でも、あわえさんのマッチングイベントに出展されていた真鶴町の担当者の方の熱意に惹かれました。“神奈川県唯一の過疎地域”という課題を抱えながら、首都圏からほど近く行き来のしやすい町である点も、我々が最初に手を組ませていただくパートナーとして最適と判断しました。」

あわえ:「他のイベントにも参加されていたのですね。」

長南様:「イベント毎に特色がありましたが、弊社としてはあわえさんのマッチングイベントは、特に自治体さんとの距離が近いと思いました。現場の課長さん係長さんがいらっしゃって、現状や課題について赤裸々に語っていただけたことにも、誠実さを感じました。」

 

(株)リジョブ 取締役 長南 様

 

サテライトオフィス進出の決め手

 

 

あわえ:「具体的には、どんなところがサテライトオフィス進出の決め手になったのでしょうか。」

長南様:「補助金をPRされる自治体も多いと思うのですが、真鶴町は補助金によるサテライトオフィス誘致は行わない方針でした。その一方で、コミュニティの豊かさを強みにし、進出企業への徹底的なサポートに注力されていました。その点に共感しましたね。もちろん補助金は進出にあたって魅力的なポイントだとは思いますが、真鶴町の担当者の方のお話は、私たちが取り組みたい“持続可能な地域活性化”に通ずる価値観だなと思いました。」

あわえ:「なるほど、御社として取り組みたいことと、先方の自治体側の価値観が合致し、それが決定打になったのですね。」

長南様:「そうですね、ほぼ、マッチングイベントでお話を伺った際に即決の状態、と言っても過言ではなかったのですが、早速翌週には2泊3日の視察日程を組んでいました。」

あわえ:「真鶴町の担当者も熱いですが、御社のそのスピード感もすごいですね。」

那須様:「決定までのプロセスにご尽力をいただいた、関係者の皆さまのおかげだと感じています。12月の視察後、早々にサテライトオフィス進出が決まり、翌1月の全社イベントで、長南から新規事業を開始するという社内発表を行いました。社内も大きく盛り上がっていましたね。」

あわえ:「双方の熱量があってこその、スピード進出ですね。」

 

(株)リジョブ 広報担当 那須 様

 

進出後の歩み

 

 

あわえ:「実際に視察時の真鶴町の印象はいかがでしたか。」

長南様:「実際に行ってみて、東海道線沿いのこんな身近な場所に、過疎とされる地域があったのかと改めて驚きと実感が深まりました。同時に高齢化や、オフィスワークの少なさといった理由から働き手が流出してしまうので、“昼間人口が少ない”など、地域の課題が現実のものとして認識できました。」

あわえ:「実際に行ってみると、イメージだけだったものがより鮮明になりますよね。現地でもやはり担当者様がサポートしてくださったのですかね。」

長南様:「そうですね、すぐに現地でキーマンの方とお繋ぎいただきました。現在、真鶴町サテライトオフィスで勤務する方々はキーマンの方からのご紹介です。そのおかげで、オフィス決定度にすぐ稼働を開始することができました。」

あわえ:「最終的には人とのつながりですね。もう進出されてから2年近く経過しますが、継続してみなさん働かれているのですね。」

長南様:「そうです。当社のサテライトオフィスで働きたいと言ってくださって、募集を待ってくださっている方もいらっしゃるそうです。」

那須様:「町の方からは雇用を生み出したことへの感謝や、地域のママさんにとって貴重なオフィスワークの仕事ということもあり興味を寄せていただき、真鶴町との関わりが深くなっているなと感じます。最近では、真鶴町が企画した町づくりワークショップに、サテライトオフィスで働く従業員が登壇したり、といった関係性もあります。真鶴町と当社とのやりとりを私が身近で見ていて感じるのは、片方だけが過度な負担を背負っていたらここまで続かなかったということです。持続可能かどうかに重きを置いて、お互いの課題を解決していったのが、問題なく活動を続けてこられた秘訣だと思います。組織としても、地域での交流を通じて、コミュニケーションの幅が広がったと感じますね。」

 

 

(株)リジョブ 真鶴町のサテライトオフィス前

 

真鶴町のサテライトオフィスで働くメンバー

 

今後の取り組み

 

 

あわえ:「最後に、今後のサテライトオフィスでの取り組みについてお聞かせください。」

長南様:「サテライトオフィスを開設した直後がコロナ禍ということもあり、地域課題を解決することを目的とした新規事業の動きが想定通り進んでいない現状なのですが、この2年間で地域の方との交流も深まり、「お客様」という立場から、地域に根差した「当事者」として取り組める土台が少しずつ醸成されつつあるとは感じています。

 

サテライトオフィスの規模拡大も然り、既に地域課題に取り組んでいるまたはこれから取り組もうとしている企業やパートナーとの伴走も視野に入れつつ、真鶴町のより良い町づくりに貢献できる糸口を探り続けていきたいと考えています。」

 

あわえ:「弊社も引き続き、地域課題解決の事例をお届けして参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。」

 

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