福岡県への移住や就職に興味のある方向けに、地域や仕事場に訪れ、
「くらし」と「しごと」を体験いただく企画が「福岡くらしごと体験」です。

利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。

 

うきはの宝株式会社


住所:福岡県うきは市浮羽町妹川4333-1 妹川保育所/事業内容:食品の製造・販売、商品の企画、商品開発。自社ECの運営。ばあちゃん新聞の制作、発行。高齢者就労のコンサルティング。デザイン(グラフィックデザイン・Webデザイン・ブランディング・広報業務受託)

 

福岡県南東部に位置するうきは市は、大分県との県境にある中山間地域です。北部には筑後川が流れ、東西に連なる耳納連山の麓には果樹園が広がっています。

“フルーツ王国”とも呼ばれるこの自然豊かなエリアに、「75歳以上のばあちゃんたちが働ける会社」として注目されている企業があります。「うきはの宝」です。地元のばあちゃんたちが生活の中で得た料理のノウハウを活かして食商品の開発・製造を行っています。

この会社の特徴は、「高齢化の進む地域で高齢者雇用を促進している」という単純なものではありません。特に食部門では「ばあちゃんたちのやりたいことや得意なことを仕事にする」こと(YouTubeやばあちゃん新聞等は会社の若いスタッフの企画)にこだわっている点がポイントです。

同社を率いる大熊充さんは言います。「仕事をやらされているのではなく、ばあちゃんたちが自分で考えてやっていることばかりです。これも人が働く上で重要な“自己実現”の一つだと思います」

元々は、デザイン事務所を経営していた大熊さん。ばあちゃんの知恵で開発された商品はおしゃれにパッケージされ、オンラインショップや地域のマルシェなどで販売しています。

これまで積み上げてきたキャリアを活かしてソーシャルビジネスに取り組む大熊さん。自分の経験やスキルを新たな形で、社会に活かしたい人にとって学びの多い体験になることは間違いありません。

 

うきはの宝

今回体験できる内容


食品の開発・製造を中心としながらも、「うきはの宝」では多種多様な事業を行っています。次の世代に伝統の味を伝えるお料理教室、ばあちゃんの家に滞在する里山体験など、食や暮らしを通じた世代間交流を促している点も魅力の一つです。

「若者とばあちゃんたちが力を合わせて、過疎地域で持続可能な産業を創っていきたい」と大熊さん。そのためには、ばあちゃんの知恵をマネタイズする力が不可欠だと話します。

だからこそ「うきはの宝」では、ばあちゃん達と開発したプロダクトの販売や流通の仕組みを考えられる方、様々なプロジェクトをマネジメントできる方を積極的にスタッフとして受け入れたいと考えています。

「自分のキャリアをもっと社会課題解決のために活かせるステージはないのか」そんな思いを抱えている方には、たくさんのヒントを与えてくれる体験になるはずです。

さらに「うきはの宝」では、YouTube番組を制作したり、「ばあちゃん新聞」の発行準備を進めるなど、情報発信にも力を入れています。これも大熊さんをはじめデザインのプロを擁する同社の特徴です。

 

うきはの宝

しごと・くらしの特徴


2019年に起業してから、あっという間に注目される企業となった「うきはの宝」ですが、ビジネスプランを形にするまでには、様々な試行錯誤がありました。

デザイン事務所を立ち上げ順調に仕事をしていたものの、もっと地域の課題解決に直接つながる仕事の仕方もあるのではないかと考えるようになった大熊さん。そこでまずソーシャルデザインを学び直し、社会起業家育成のボーダレスアカデミーに参加してビジネスプランを練り上げました。

さらに、ボランティアで高齢者無料送迎サービス「ジーバーうきは」を始めます。車を使えない高齢者の日常的な買物や移動をサポートしながら、「自分に何ができるのか」をリサーチしたのです。

そこで見えてきたのが「高齢者の孤独と経済的な困窮」です。「ばあちゃんに限らず、役割があったり、誰かのため、何かのために行動することが力を与えてくれます」しかし、その機会がない。

大熊さん自身も、交通事故により長期間社会から離れ、孤立感を感じた経験があります。だからこそ、ばあちゃんが活躍できる居場所を作りたいと考えたのです。

「私たちもいずれは高齢者になります。いま高齢者の問題について考え、解決しようとすることは、未来に生きる自分のためでもあるのです」

日本全国から視察に訪れる人が絶えない「うきはの宝」。数多くの講演をこなし、母校の専門学校でも教壇に立つ大熊さんから、これまでの経験に裏打ちされた興味深いお話を聞くだけでも意義のある体験です。

ぜひ「うきはの宝」で、自分のスキルを活かす方法を探るだけでなく、“多様な人が活きる社会”についても考えてみてはいかがでしょうか。

 

スケジュール


1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.「うきはの宝」の仕事の説明
3.スタッフやばあちゃんとの交流
・ばあちゃんの仕事のお手伝い
・地元野菜を使ったバーベキューや料理体験
※実際の仕事状況によって変更があります。

2日目(9:00~17:00)
1.仕事のお手伝い
参加者の経験や関心、参加のタイミングを考慮して実施
・食商品の開発・製造・販売に関する仕事
(干し芋、煎餅などの商品づくりや梱包)
・イベントや体験講座の運営に関する仕事
(マルシェや料理教室、農業体験等の準備・運営のお手伝い)
・ばあちゃん新聞の制作やYouTubeチャンネル「ユーチュー婆」動画制作に関する仕事
(YouTubeの撮影・編集、原稿制作等)
・デザイン業務や広報活動に関する仕事
(デザイン・広告制作、ECサイトやWebページのデザイン、商品パッケージ、販促に関わるデザイン等)
※実際の仕事状況によって変更があります。

3日目(9:00~15:00)
1.ソーシャルビジネスを学ぶ
・代表の大熊氏による講義
・ビジネスプラン作成体験
2.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答
※実際の仕事状況によって変更があります。

 

補足事項


最少催行人数:1名
費用:無料(宿泊費別)※宿泊費は一部補助されます。
宿泊場所 :近隣宿泊施設

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