コロナ禍により生まれたテレワークなどの“場所を選ばない働き方”。
都市部から地方へ人・仕事の流れが生まれている中、 令和5年度より、鳴門市では「移住起業」の取組みをスタートしました。
移住起業アカデミー「NARUTO BOOT CAMP」は、その第1弾として6月から約100日間かけて取り組んできたもので、参加者42名の中から選ばれた6プラン、ファイナリスト7名の方に4泊5日のセレクションプログラムに参加いただき、最優秀賞として、藤井隆行さん(東京都・50)の「NARUTOらっきょピクルス」が選ばれました。

セレクションプログラム1日目

なると移住起業サポーター交流会

すでに鳴門市に移住して起業した方やサテライトオフィスを開設した事業者、地域おこし協力隊、地元企業家、地元メディアの方など、11名の「なると移住起業サポーター」と地方での起業や社会課題を通してのビジネスを検討するファイナリスト7名との交流会を実施しました。
なると移住起業サポーターは、鳴門市の「移住起業」への取組みにご理解をいただき、地域活性化に想いを持つ方々。鳴門でのビジネスなど興味深い話が盛りだくさんでした!

セレクションプログラム2日目

市長表敬訪問

ファイナリスト7名は、約100日間のNARUTO BOOT CAMPの報告と創業計画ピッチコンテストへの意気込み等を兼ねた市長表敬訪問を行いました。市長は、「実際に鳴門でビジネスに携わっている方々との交流を通して、ビジネス環境を肌で感じ、ぜひ本市での新たなチャレンジにつなげて頂きたい。」と激励の言葉を述べました。

企業訪問(株式会社ワイ・ジー・ケー)

釣糸・化成品・リベルテージ・エンジニアリング事業などを手掛け、世界最大級のシェアを誇る株式会社ワイ・ジー・ケー。代表取締役の齋藤様からは最前線でビジネスと向き合う経営者として、人のマネジメントや適正配置、ビジネスをスケールさせる難しさ、ビジネスをする楽しさなどのお話を聴かせていただきました。

セレクションプログラム3日目

企業訪問(フレンチモンスター瀬⼾内フードアート)

鳴⾨市島⽥島の頂上に位置する絶景ポイント「四⽅⾒展望台」の隣にあるフレンチモンスター瀬⼾内フードアート。「鳴門は都会にはないものがある。“世界を代表する美味しい展望台”にしていきたい。」と意気込む館長の杉山様からは、実際に店頭で販売されるこだわりぬいたコーヒーとお菓子を振る舞っていただきながら、地元に愛される商品づくりやお店の作り方など、地方で食と人に向き合うマネージャーとしての生の声をお聴きしました。

企業訪問(NOMAyado)

鳴門市においてゲストハウスの運営等を行うNOMAyado。兵庫県と鳴門市の二拠点で活躍をされているオーナー能勢様からは、仕事とプライベートを上手く両立させるライフスタイルの在り方や、都市部とのアクセスの良さを上手く活用したビジネスモデルのご提案などのアドバイスをいただきました。最後は、渡し船の停留所まで一緒に散歩しながら、人生相談にも乗っていただきました。

セレクションプログラム4日目

基調講演

創業計画ピッチコンテストの前には、ビタミン株式会社の高松裕美氏・高梨大輔氏とHAKOBUNE株式会社の栗島祐介氏による基調講演が行われました。
高松氏と高梨氏は、美容・代替医療業界のHR事業を担う株式会社リジョブの創業役員として出会い立ち上げを経験。約8年の経営を卒業後、2015年末に再集結しビタミン株式会社を共同創業、スタートアップ企業の支援家となりエンジェル投資やライフワークの相談を通じて、2000社を超える起業家たちの悩みと向き合ってきました。その経験から得た、「まず3歩動くとわかることが増えてる」という言葉の意味について、起業施策事例を紹介しながら、成功率の上がるヒントを説明していただきました。

ビタミン株式会社の高梨氏(写真左)・高松氏(写真右)

栗島氏は、三菱UFJ投信を経て、2014年よりVilingベンチャーパートーナーズCEOとして教育領域特化のシード投資を行うと同時にレガシー領域の起業家コミュニティを創設。2016年11月には起業家コミュニティをMBOし、プロトスター株式会社を設立、起業家・投資家の情報検索サービスStartupListなど多数の事業の立ち上げを経験し、2022年5月よりHAKOBUNEを設立されております。ビジネスを成功させる上で「大きな価値を生み出す」ための「良い課題を選び、高い解決度を達成する」というロジックについてご説明いただきました。

HAKOBUNE株式会社の栗島氏

創業計画ピッチコンテスト

参加者42名の中から選抜されたファイナリスト7名、6ビジネスプランの中から最優秀者を決定する創業計画ピッチコンテスト。
ビジネスの背景にある課題を正しく認識する「課題発見力」、地方の課題解決などの社会貢献につながる「地方活用力」、ビジネスが大きくなることを予見させる「スケール・将来性」、従来の製品・サービスにない「新規・独創性」、机上の空論に終わらずやり抜くことができる「実行力」の5つの基準で8名の審査員に審査をいただきました。
今回、最優秀者に選ばれたのは、「NARUTOらっきょピクルス」の藤井隆行さん!誠におめでとうございます!

交流会

ピッチコンテスト終了後には、今回ご参加いただいた県内の経営者等約40名の方々とともに交流会を開催しました。
ファイナリストの皆さんの緊張も解れて、肩の力を抜いてお話が出来たご様子。

今後も鳴門市は、「移住起業」を推進することで、新しい移住・働き方のカタチを提案し、移住イメージの構築、移住交流促進に向けたブランディングをすすめるとともに、地域の課題解決や地域資源の活用を通した地方ならではのビジネスに取り組む社会起業家を育成し、活動していただくことにより、地域イノベーションの創出、地域活性化につなげてまいります。