北海道下川町で移住コーディネーターをしている、立花祐美子と申します。移住コーディネーター歴8年目、2人の子どもを育てるワーママです。

私の暮らす北海道下川町は、人口約3,000人の小さな町。JRも通っていない、冬は-30℃近くまで冷え込むこの町に、毎年人口の1%強の移住者が移住してきます。その中には、子育て世代や、どこか別の街に移住をした後、次の拠点として移り住んでくる人が多くいます。さらには、交流人口としてつながりのある方もリピーターが多く、それもちょっと自慢です。

「田舎じゃ暮らせない」は本当?

地方暮らしに興味のない都会の人には、たまに「そんな田舎じゃ”暮らせない”ですよね?」という言葉をかけられることがあります。決めつけないで欲しい…そんな風に思うけれど、田舎での暮らしはきっと想像もつかないのだろうな、と言葉を飲む。

地方都市での不便のない暮らしを経てから下川町に移住した私だけど、実態は、”暮らせない”どころかこちらの暮らしの方が「息を吹き返す」という表現がしっくりくるぐらい、生きている実感に満ちた豊かな暮らしが楽しめるようになりました。

そして、この暮らしに彩りを添えてくれるのは「地域への馴染みやすさ」。この地に縁もゆかりもない移住組の我が家が、なぜ楽しく暮らせているのか?そんな話も少しずつ散りばめていけたらと考えています。

ご飯支度が面倒な時は「豚しゃぶ」がおすすめ

さっそくですが私は働く主婦。ということで、初回からかなりニッチな話題ですが、私の半径1kmというリアルな生活圏での食材事情をご紹介します。

この町には『肉のキクチ』というお肉やさんがあります。ここはお肉の専門店で量り売りをしてくれ、サザエさんに出てくるような「んー、じゃあ、豚バラ300を一口大に切って!」みたいな頼み方ができるお店です。

町民それぞれキクチさんのお肉のお気に入りがあるけれど、私のお気に入りは隣町・名寄市で育てている「ひまわり豚」のしゃぶしゃぶ肉が買えるところ。何より、ずぼら主婦の私が嬉しいのは、まったく手間がかからないメニューというところ。

しゃぶしゃぶ鍋にお湯を沸かして、レタスをちぎってお皿に乗せ、買ってきたお肉を包んである薄皮ごと広げたら、さぁ、夕食の始まり!

お湯に潜らせたお肉とレタスに「ソラチのたれ」※をちょいとつけて、パクリ!!
目の前でスライスしてくれた新鮮なしゃぶしゃぶ肉はお湯にくぐらせてもジューシーで、気づいたら一人300gぐらいペロリと食べられてしまいます。

そもそもの話。
北海道民のしゃぶしゃぶは、牛ではなくて豚か羊。当たり前のことすぎて説明を忘れていました!

※ソラチのたれ・・・人気の北海道ご当地たれ。しゃぶしゃぶのたれ以外にも、ジンギスカンのたれ・豚丼のたれなども取り揃えています。

専門店ならでは。臓物系も豊富

他にも、下処理済みで食べやすくなった白モツや、鳥ハート・砂肝・牛タンなども店頭に並んでいます。中でも、我が娘のお気に入りは牛スジ肉。

近年でこそ居酒屋さんで食べられるようになったけれど、北海道の食文化ではあまり触れることのなかった「牛スジ肉の煮込み」を、一昨年、広島旅行をした時に口にして以来、娘がすっかり虜になってしまいました。まさかこんな北の果てには売ってなかろう…とキクチさんをのぞくと、まさかの500gや1kgで売っているではありませんか!その日から、我が家では月イチペースで「牛スジ肉の煮込み」が食卓に並びます。

ちなみにな話。
この調理には欠かせない圧力鍋は、お隣さんにもらったもの。たびたび漬物や畑で収穫した野菜をお裾分けしてくれるのだけど、「家に2つあるんだけど、よかったら1ついらない?」と圧力鍋までお裾分けしてくれたのです!

私の半径1kmのニッチな話題を連載していきます

こんな感じで自由気ままに、私的でニッチな情報をベースに北海道下川町での暮らしを紹介していきたいと思います。

もっと北海道下川町の情報を知りたいたいという方は、SNSのフォローや月イチで開催している町民交流会「タノシモカフェ」 に参加するなども検討してみてくださいね。

次回は「タノシモカフェ」についてご紹介していきます!