
地方で起業する――。
それは単なる移住ではなく、地域と共に新しい価値を創ること。
30名の参加者から選ばれた6名のファイナリストたちが、
12月1日~4日にかけて徳島県鳴門市で過ごした濃密な4日間。
彼らのビジネスプランが『本物』へと磨き上げられていく、その熱い舞台を追いました。
目次
【セレクションプログラム Day1】
1. 移住起業サポーター交流会
初日の12月1日に顔合わせ。オリエンテーションを行い、宿舎や鳴門市内を案内。
最初は緊張した様子でしたが、すぐに打ち解けた様子でした。
その後、最初のプログラムとして、市のインキュベーション施設・「UZULAB」を会場に、「なると移住起業サポーター」との交流会を実施しました。

初代グランプリ・藤井さん(写真:右端)とファイナリスト。
サポーターは、すでに鳴門市に移住して起業した“移住起業の先輩”をはじめ、地域おこし協力隊を経て移住された方、地元企業家、地元メディアの方などで構成されています。
さらに、NARUTO BOOT CAMP初代グランプリの藤井隆行さんも参加し、ファイナリストの皆さんとの交流を深めました。

移住起業サポーター交流会からコラボ案件が誕生しました。
自身のビジネスに近いサポーターと自然に繋がり、「鳴門で事業をやる意味」を感じられた様子。
「釣りの廃材×アパレル」のアップサイクル事業を考えている伊原さん(写真:右から2人目)は、この場で一般社団法人TSURIBITOとのコラボが決定。
2月のイベントに向けてミュージカル衣装を共同制作することになりました。
【セレクションプログラム Day2~3】
2. 市長表敬訪問

2日目は、泉市長への表敬訪問を実施。
泉市長からファイナリストの皆さんへ、「滞在中、鳴門市として全力で皆さんをサポートさせていただきますので、ぜひ最後まで力を尽くしてください。」といった激励の言葉が贈られました。

歓談では、鳴門市が抱える課題や現在の状況、これから鳴門市が目指す姿について話し、ファイナリストの皆さんは鳴門市への理解をさらに深めた様子でした。
3. 企業訪問(株式会社貴彩/株式会社マヤ/株式会社鳴門屋)
この短期合宿のねらいのひとつは「鳴門のビジネス環境を肌で感じる」こと。
セレクションプログラムでは、特色のある地元企業3社を選定し、経営者の方に直接お話を聞く機会を設けています。
今回は、
①株式会社貴彩(きさい)
②株式会社マヤ
③株式会社鳴門屋
の3社を訪問しました。
ビジネスの話はもちろん、それぞれの人生、生き様など、「経営者としてのあり方」の話もあり、非常に興味深く聞き入っていました。

株式会社貴彩の福山代表取締役(中央)とファイナリスト。

株式会社マヤの中神代表取締役(中央)とファイナリスト。

株式会社鳴門屋の川端代表取締役社長(中央)とファイナリスト。
4. 金融機関・メンタープレピッチ
2日目、3日目ともに、午後からは市役所に戻り、ピッチ練習。
日本政策金融公庫、徳島県信用保証協会を交えた「金融機関プレピッチ」や、本プログラムのメンターを務めるプロトスター株式会社の前田さんを交えた「メンタープレピッチ」を実施しました。

プレピッチの様子。ピッチ後、多角的な視点からフィードバックをいただきました。
日を追うごとに、参加者のピッチ資料や説明内容が急激に変化していきます。
たくさんのフィードバックをもらい、最終日のコンテストに向けて、自身のビジネスプランをブラッシュアップしていきました。
【セレクションプログラム Day4】
5. 会場入り~基調講演
迎えた最終日、この日は15:00までフリータイム。
ファイナリストたちは、ピッチコンテストに備えて、思い思いの時間を過ごしました。
緊張感漂う雰囲気で現地入り。
「昨日からだいぶ変わりましたよ!」
「今日のピッチ、見といてください!」
と、最後の最後まで準備を重ねてきたことがわかりました。
創業計画ピッチコンテストの前には、ことでんグループ・HOXIN株式会社代表の真鍋 康正氏、ライトアップベンチャーズ株式会社シニアアソシエイトの浅田 圭佑氏の2人のVC(ベンチャーキャピタル)による基調講演がありました。

そして、ピッチ開始直前には、初代グランプリに輝いた藤井さんから激励の言葉が贈られました。
6. 創業計画ピッチコンテスト
9月18日に始まったオンラインプログラムから約80日、参加者30名の中から選抜されたファイナリスト6名のビジネスプランから、グランプリを決定する創業計画ピッチコンテスト。
- ビジネスの背景にある課題を正しく認識する「課題発見力」
- 地方の課題解決などの社会貢献につながる「地方活用力」
- ビジネスが大きくなることを予見させる「スケール・将来性」
- 従来の製品・サービスにない「新規・独創性」
- 机上の空論に終わらずやり抜くことができる「実行力」
この5つの基準で、6名の審査員による審査が行われました。
コンテストでは、「『お墓清掃』から『空き家清掃』、さらに『空き家のデジタル総合管理商社』」のプランを発表した蔭山 貴弘さんが、見事グランプリに輝きました。

そして、準グランプリには、「鳴門から始める地域ブランドの持続可能な海外展開戦略『知恵と食の往還点』」のプランを発表した青木 奈津子さんが選出されました。

最後の記念撮影では、緊張がほぐれて、ホッとした様子でした。

7. 交流会
ピッチコンテスト終了後には、今回ご参加いただいた審査員や県内の経営者らの方々と交流会を開催。ここで、次のアクションに繋がる話、出会いも生まれたそうです。
8. 参加者の声
ファイナリストの1人が語りました。
「実はプログラム中、『なんで自分が選ばれたんだろう。みんなに比べて全然できていない』と、どこか受け身になっていた自分もいました。」
「上手くいかなくて、積極的になれなくて、正直、悔しさしかありません。でも、その悔しさが今の僕のエネルギーになっています。」
事業への思いはあるけれども、控えめで殻を破れない。
そんな彼が、プログラムを成長の糧とし、強い意志を持つ『経営者』に変わっていた姿が印象的でした。
また、
「同じ志を持つ仲間たちと過ごした4日間は、刺激的で大きな財産になりました。」
「自分の事業と真摯に向き合えた、貴重な4日間でした。」
と、応援したい仲間の存在ができ、事業にも集中して取り組めたようです。
コンテストの後には、鳴門市の企業やコミュニティからの反響も、参加者にとって大きな励みとなったようでした。
今後も鳴門市は、こうした熱い想いを持ったチャレンジャーをサポートしていきます。
そして、地域の課題解決や地域資源の活用を通した地方ならではのビジネスに取り組む社会起業家を育成し、地域イノベーションの創出、地域活性化につなげてまいります。