愛媛県の北東部に位置する今治市は、瀬戸内海沿岸に広がる穏やかな地域。中心市街地と緑豊かな山間からなる陸地部、瀬戸内の多島美が見られる島しょ部と多様な市域を有しています。

多様な魅力に惹かれた移住者も多く、年々移住を希望する方が増えてきたことから、2022年度に誕生したのが「おいで今治!お試し移住事業費補助金」制度。「いまばり暮らし」を体験する際に活用したいこの制度について、今治市しまなみ振興課の移住コーディネーターに聞いてみました。

詳しく知りたい!「おいで今治!お試し移住事業費補助金」制度

移住を検討し始めると、気になることも増えてくるもの。実際に暮らし始めてから「移住前に知っておきたかった」と思わないためにも、現地に足を運ぶことは大切!  移住前の費用をサポートしてくれる制度があったらなあと思う人も多いのではないでしょうか。

そんな場合に嬉しい制度が「おいで今治!お試し移住事業費補助金」です。この制度は、愛媛県外に居住し、今治市に移住相談された方を対象として、本人+同一世帯員の同行者1名分のお試し滞在にかかる費用の一部を補助しようというもの。今治市内の宿泊施設に泊まって、移住に関する現地活動をする場合に、1人あたり最大5千円を最長6泊分補助してもらえるんです!

この制度を利用するには、事前に移住相談をすることが条件。まずは今治市に連絡して、移住コーディネーターに暮らしや仕事、子育て環境など、気になることをなんでも確認してみましょう。電話やオンラインでの相談はもちろん、メールでもOK!移住相談を担当するのは、移住コーディネーターの池田さんと木村さん。今治市の陸地部、島しょ部それぞれの地域の特徴や雰囲気、病院やスーパーマーケットといった生活利便施設や教育環境などの暮らしに関すること、どんなことでもまずは質問してみましょう。お二人はUターン、Iターンの先輩でもあるので、移住する際にチェックしたいこと、知っておくとよい情報も教えてくれますよ。

移住コーディネーターの池田貴充さん(上)と木村知代さん(下)。

「お試し移住事業費補助金」制度の上手な活用の仕方は?

制度の利用者の年代は幅広く、家族連れから単身者までさまざま。「この制度ができたことで、私たちも『一度現地に来られてはいかがですか?』と声をかけやすくなったんですよ」と移住コーディネーターの木村さん。「この制度を活用してまずは足を運んで、地域の人との縁を紡いでいただけたら嬉しいですね」と池田さんも微笑みます。

1回の滞在で6泊分を使用することもできますが、年度内であれば何回かに分けて利用することもできるのだそう。

移住相談後は、現地活動計画書の提出が必要です。例えば、1日目は陸地部に宿泊して不動産業者を訪問、2日目はハローワークでの就職相談や今治市しまなみ振興課での相談、3日目には島に滞在して気に入ったエリアを散策し情報収集、というように、今治市への移住に関して必要な活動について計画を立てましょう。ここでのポイントは、できるだけたくさんの地域を見られるように計画を立てること。というのも今治市は、陸地部も市街地と山間部に分かれ、島も3つある多様な市域だから。「1つの島であっても集落によって雰囲気は異なるので、地域ごとの空気感も知ってもらえれば」。「興味を持ったエリアをいくつか回ってみるのがおすすめ」だそうです。

おいで今治!お試し移住滞在事業費補助金の詳細はこちらをご覧ください。

地域の人たちの思いを汲みながら、自分に合った地域探しを 

大三島(おおみしま)出身で都会や海外での暮らしを経験したのちに地元に戻った池田さんと、関東生まれ東北育ちで、島での暮らしを魅力に感じて今治市を選んだ木村さん。移住したいという気持ちに寄り添い、この地域に住んでいる人たちの思いも大切にしながら、移住コーディネーターとしてさまざまな相談に対応されています。

「観光で来たことがあったけれど実際に移住しようと考えたら見え方が全然違いますね、と言われる利用者の方もいらっしゃいます。ぜひ、いろんな地域に足を延ばして、多様な魅力を知って、移住につなげてもらえたら嬉しいですね」。山もある、川もある、海もある、島もある。工業地帯もあるし、大きな商業地域もある。一言で説明するのが難しいけれど、その分多様な暮らしができるのが今治の魅力。さあ、制度を活用して、おいで今治!

伯方島「船折瀬戸観潮台」からの眺め。お気に入りの景色を見つけると、移住したくなる気持ちもさらに高まるはず。