■世界最大級の渦潮が有名な四国の玄関口「徳島県鳴門市」では、家庭菜園・アルバイト・兼業等、形態や規模を問わず農業を生活に取り入れながら、農業以外の仕事・ライフワーク・得意なことといった、自身のライフスタイルに合わせたX(=天職)で世の中に貢献する新しい生活様式「半農半X(はんのうはんえっくす)」を応援しています。
■令和7年度半農半Xシェアハウス事業 第2弾のなると金時編では、(株)JA里浦ファームと(株)おてつたびと鳴門市とで連携し、参加者のみなさんにシェアハウスで交流していただきながら、午前は特産品の「なると金時」の農作業、午後からはフリータイムの鳴門暮らしを約2週間体験していただきました!
今回お話をお聞きしたのは、東京都から参加の中川 若(なかがわ わか)さん。
子どもの頃からさつまいもが大好きな中川さん。
大学に入学後、友人から教わり加入した「いも好きが集まる」学生団体での活動を通して、彼女が描いた未来へのビジョンとさつまいもへの熱い想い、そして鳴門市での生活の様子をお伝えします。
さつまいもが大好きな大学生
『私はさつまいもが世界一好きな食べ物です!』
中川さんの半農半Xシェアハウス事業への応募理由は、力強いこの一文から始まっていました。
正直なところ、「さつまいもが好きなので参加したい」という人はたくさんいます。そんな中でわたしたちが中川さんにお会いしてお話をお聞きしたい!と思ったきっかけは、彼女が大学を休学して「ある旅」をしていることでした。
「大学でいも好きが集まる学生団体に入り、さつまいもに関わる活動をしているうちに『さつまいもに関わる人たちがさつまいもで幸せになってほしい!』と思うようになりました。」

中川 若(なかがわ わか)さん
「大学生活も2年が終わって、将来自分が何をしたいかを考えたとき、わたしは『さつまいもに携わっている人をサポートできる人間』になりたい、と思ったんです。でも、そのためには生産の現場や生産者の方のことを知らないといけませんよね。だからわたしはそれを知るために、大学を休学して全国のさつまいもの産地を旅して回っているんです。」
「さつまいもに携わる人をサポートする人間になる」―――――口で言うのは簡単です。
しかし、中川さんはただ「なりたい」と言うだけでなく、自分の足で全国を回って、自分の目と耳で生産の現場を見て、生産者の声を聴き、自分の肌で生産の現場を感じるために、旅をしているというのです!
とてつもない行動力と「さつまいもへの愛」がそこにはある、と感嘆せずにはいられませんでした。
きっかけはおやつの「干しいも」
中川さんをさつまいも好きにしたきっかけは、小学生のころにお父さんからおやつにもらった「干しいも」だそうです。
もともと、さつまいもをよく食べる家庭で育った中川さん。
まずは「干しいも」の見た目に驚き、食べてみてそのおいしさに驚いたそうです。
それからはすっかり干しいもやさつまいものとりこになったとのこと!
さつまいもへの深い愛は、こうして生まれました。

※画像はイメージです
あこがれの地「里浦町」での農作業
鳴門市里浦町は、なると金時の一大生産地です。
生産現場を知る旅をする中で、「なると金時の産地である鳴門市里浦町は心の底から訪れたかった場所」だと語る中川さん。
これまでの旅の中で、1~2日の農作業をしたことはありましたが、ひとつの土地に2週間滞在しての農作業は鳴門市が初めてとのこと。
実際に、なると金時の収穫作業をやってみた感想をお聞きしました。
「よく写真や映像で、収穫用の機械に乗っての収穫作業を見ると思いますが、実はそこに至るまでの準備がすごく大変なんです!作業工程もすごく多いし、機械で掘る前に少し手でいもを掘っておかないといけないので手作業もすごく多くて・・・
あと、想像はしていましたが、やっぱりとても暑くて、厳しい環境の中でのお仕事だなと思いました。」
わたしたちが作業中の中川さんを訪れたときには、農家さんと他の参加者の方と一緒に倉庫内でさつまいものひげ取り※をしていました。
倉庫内には大型の扇風機や、作業中に腰などを痛めないように低めのいすなども用意されており、体を気遣いながら作業ができるよう整えられた環境の中で、和気あいあいと作業をされていました。
※ひげ取り・・・さつまいものひげ根を手で丁寧に取っていく作業

ひげ根を取ったさつまいもをコンテナに並べていく
農家さんや参加者との交流
「生産の現場や生産者のことを知る」ために鳴門市を訪れた中川さん。
鳴門市滞在中に5~6軒のさつまいも農家さんや、さつまいもの加工品を製造する企業にも足を運んだそうで、精力的に活動されている様子がうかがえました。
また、他の参加者とは、夕食の時間になると誰かの部屋にメンバー全員が食べ物を持ち寄ってみんなで食事をしたり、SNSでグループを作ってやりとりをしたりと、楽しく交流されているようでした。

午後からのフリータイムを利用して、「なると金時」に関する石碑にも足を運んだ
東京と地方の二拠点生活も視野に
「わたし、さつまいも農家さんに嫁ぎたいって想いがあるんです。」
笑顔でそう言う中川さん。
思わず、「結婚で地方に移住することに抵抗はないんですか?」と聞いてしましました。
すると、
「全然ないです。」
と一言。
その後、中川さんの描く将来のビジョンについて話してくれました。
その言葉には熱がこもっており、中川さんの想いが力強く伝わってきました。
「大学卒業後はさつまいもに関係する仕事に就きたいと思っています。どこかの会社に就職するのでもいいし、自分で起業するのでもいいので、とにかくさつまいもに関わりたいなと・・・。
そして最終的には、たくさんの人にいろいろな産地のさつまいもの魅力を知ってもらい、それぞれに違う良さがあることと同時に生産者さんの想いをしっかりと伝えられるような、そんな活動をしていきたいです。
その活動が、さつまいもに携わっている人たちのサポートになるんじゃないかと思っています。
また、結婚で地方に移住することに抵抗はないのですが、わたしの夢を実現するためにはやっぱり東京の方が都合がいいので、さつまいも農家さんに嫁いだあとは、地方と東京との二拠点生活になるだろうなと思っています。」
今後の参加者へのメッセージ
最後に、今後半農半Xシェアハウス事業への参加を検討している方へのメッセージをいただきました。
「半農半Xシェアハウス事業のなると金時編は、さつまいも好きには本当にもってこいの事業だと思います。さらに、2週間という期間はその土地の人のことや街の様子をよく知るにはちょうど良く、一般的な旅行とはひと味違った体験ができます。参加するかどうか迷っている人は、ぜひ思い切って参加してほしいです!きっと楽しいし、思いがけない体験がたくさんできると思いますよ!」
■過去の記事はこちらから
■令和7年 半農半Xシェアハウス事業レポート
地域密着型お試し移住生活で描く、『移住へのビジョン』~半農半Xシェアハウス事業体験レポート vol.14
おためし移住体験を通して結ばれたそれぞれの『縁』~半農半Xシェアハウス事業体験レポート vol.15
写真の力で日本の魅力を世界へ伝える~半農半フォトグラファーへの道~半農半Xシェアハウス事業体験レポート vol.16