和歌山県が、2018年4月から企画している起業・就農、就労の体験プログラムが
利用者が希望する事業者のもとで「しごと」を体験しながら、
周辺地域の先輩移住者や地域住民の方との交流を通じて「くらし」の体験を行い、
移住後の生活をイメージすることができます。体験費は無料です。その“体験先”をご紹介します。
一ノ橋観光センター株式会社
【一の橋天風本店】
和歌山県伊都郡高野町大字高野山737
【天風てらす】
和歌山県伊都郡高野町大字高野山53-3
【玉川旅館】
和歌山県伊都郡高野町高野山53
事業内容:レストラン(和食、洋食カフェ)・セレクトショップ・ワークショップスペース・旅館の運営、名産品の商品開発および販売、観光案内・コンシェルジュ
しごと・暮らしの特徴
1200年の歴史を持つ高野山の天空に吹く新しい風
和歌山県北東部の山間部に位置する高野町は、弘法大師空海が開いた真言密教の聖地・高野山を中心とした宗教都市です。大阪から電車とケーブルカーを乗り継ぎ約2時間で、高野山の1200年の歴史が生み出す非日常にアクセスできます。
今回の体験先は、この地で1960年に土産物店「一の橋観光センター」として創業した企業です。長年にわたり国内外から多くの観光客を迎え入れ、2021年には店名を「一の橋天風」に改めました。
2023年には、新たに個人のお客様向けのカフェ・セレクトショップ・ワークショップスペースからなる複合施設「天風てらす」を開業。団体のお客様向けの観光施設「一の橋天風」、高野山唯一のビジネスホテル「玉川旅館」と合わせて3つの店舗を運営しています。
「一の橋天風の目の前のお寺には、豊臣秀吉がお花見をしたと言われる“太閤桜”が花を咲かせます。高野山で一番有名なこの桜の開花が毎年楽しみなんです」
そう話すのは、若女将の馬場麻美さんです。東京都出身でウエディングプランナーとして活躍されていた馬場さんは、2011年の結婚を機に和歌山に移住しました。
現在は「天風てらす」を中心に店舗運営に携わりながら、YouTubeで「Koyasan天⾵チャンネル」を開設。⾼野⼭の魅⼒の発信にも取り組んでいます。
「本来であれば、多くのお花見客で溢れる時期も、コロナ禍には誰も歩いていませんでした。再びお客様に戻ってきてほしいという思いで、高野山の空気、季節感を感じてもらえるSNSの発信を始めたんです」
今では、YouTubeを見たお客様から声をかけられることもあるという馬場さん。そんな馬場さんと一緒に、高野山の奥深さに触れてみませんか?

奥之院の参道が通勤路に!3店舗で柔軟な対応力を磨く
運営する3つの店舗*でそれぞれのお仕事を体験しましょう。
「天風てらすでは、お客様一組一組のご要望に合わせた丁寧な接客が、一の橋天風では、団体バスで来られた大勢のお客様のスケジュールに合わせたスピーディな対応が求められます」
繁忙期には300〜400名のお客様に食事を提供する「一の橋天風」。一方、外国人のお客様が多い「天風てらす」には、豊富なメニューや名産品が並び、柔軟に対応しなければなりません。「玉川旅館」のベッドメイキングや全店舗の清掃も欠かせない業務です。
店舗ごとに求められることが異なるからこそ、相乗効果で接客のスキルが高まり、仕事の面白さにつながります。
「接客の正解は一つではありません。メディアに取り上げていただく機会が増え、お客様の期待値が高まっているからこそご要望の一歩先まで考えることを意識しています」
その積み重ねによって、自分で仕事を見つけられるスタッフが増えていると馬場さん。他店舗を視察するなど日々の気づきをスタッフ間で共有し、自らのアイデアを具現化できる環境です。
「一の橋天風と天風てらすの移動は奥之院参道を歩くことができます。高野山で働き始めて、四季の変化にも気づきやすくなり心が豊かになりました」
霊木が立ち並ぶ参道の木漏れ日、奥之院で毎朝行われる生身供(弘法大師空海に食事を届ける儀式)、壇上伽藍の夜のライトアップなど高野山の一日を間近に感じながら仕事ができる点もこの体験の魅力です。
*参加時期によっては、3店舗の仕事をすべて体験していただくことが難しい場合があります。

高野山を訪れるお客様への思いが、チャレンジの原動力
馬場さんは、東京、京都、神戸などさまざまな店舗でウエディングプランナーとしてのキャリアを積み、本社では人事業務も経験しました。
「お客様に喜んでいただくために何をするべきかを考え抜くという点は前職と同じです。きめ細かなお客様とのやり取りにおいて、これまでの経験は役立っていますね。
チームで店舗を運営すること、協力してくださるメーカーさんや農家さんなど多くの人を巻き込んでモノやサービスを作り上げていく点も共通しています」
「天風てらす」オープン前には、胡麻豆腐や高野豆腐などの特産品を販売する地元企業に返礼品の協賛をお願いし、クラウドファンディングにも挑みました。高野山を盛り上げたい一心で、地元企業や真言宗寺院、高野参詣道の保護団体などにもご協力いただき、地域の活性化のために奮闘したそうです。
「美味しいものがたくさんあることをお客様に知ってほしいんです。商品への理解を深めるために、地元の農家さんにも足を運んでいます」
一方で、コンビニなどの生活利便施設は少なくアクセス面でも都会に比べて便利とは言えません。しかし、その不便さが心の余裕につながると感じています。
「電車に乗るにも、高野山では待つのが当たり前だから早めに行動している」と話す息子の言葉から、不便だからこそ知恵を働かせ、自分で考える力が付くのだと改めて気づいたという馬場さん。
不便さを受け入れる一方で、もっと多くの方に高野山へ来てほしいという思いも変わりません。現在は自治体に働きかけ、ヘリコプターを使った新しいアクセス手段の実現も模索しているそうです。
「高野山にはるばるお越しになる方に、どのようにしたら喜んでいただけるかを常に考え行動できる方に来ていただきたいですね」
体験スケジュール ※2泊3日の場合
1日目(10:00~17:00)
※遠方で上記の時間が難しい場合は、14:00~18:00に変更可
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.「一の橋天風・天風てらす・玉川旅館」の仕事の説明
3.仕事のお手伝い
・お土産セレクトショップ販売
(接客、商品の陳列、補充、梱包等)
・旅館業務
(ベッドメイキング、清掃等)
※実際の仕事状況によって変更があります。
2日目(9:00~17:00)
1.仕事のお手伝い
・旅館業務
(ベッドメイキング、清掃等)
・ホール/キッチン補助業務
(ご案内、料理提供、簡単な調理補助、盛りつけ、清掃等)
※実際の仕事状況や、参加者の要望・適性に合わせて行います。
3日目(9:00~15:00)
1. 仕事のお手伝い
・ホール/キッチン補助業務
(ご案内、料理提供、簡単な調理補助、盛りつけ、清掃等)
※タイミングが合えば下記の体験にもご参加いただきます。
・ワークショップの準備や商品開発体験
・地域事業者との交流
2.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答
※実際の仕事状況によって変更があります。
集合場所・アクセス情報
集合場所:和歌山県伊都郡高野町大字高野山53-3(天風てらす)
・南海高野線「極楽橋」駅で高野山ケーブルに乗り換え、「高野山」駅下車
・「高野山」駅から南海りんかんバスで約15分、「一の橋口」もしくは「奥の院口」下車すぐ
補足事項
最少催行人数:1名
宿泊場所:近隣宿泊施設
体験経費
参加費:無料
交通費/宿泊費/食費:自費負
