私達の生活と直結している人口減少、少子高齢化といった社会問題。身近な話題ながら普段あまり意識することのないこの課題を見える化し、今の暮らしがどう変わるのか、その変化にどのように対応し、未来に向けてどう行動するかを住民主導で考える『先よみWS(ワークショップ)』が、香川県まんのう町琴南地区で行われています。このWSの企画運営を行うのは徳島大学の田口太郎先生と学生達。将来を予測し、今できることを考える取り組みについて、紹介します。

▲徳島大学大学院 社会産業理工学研究部社会総合科学域 地域計画学研究室 田口太郎先生。

2019年夏に行われたワークショップでは、地域の現状を把握するため、簡易版集落点検を実施。まずは集落ごとに分かれ、学生がファシリテーターとなり、地図に草刈りなどの共同作業を行う、地域の担い手となっている世代(18歳~74歳)の男性を青、女性を赤、18歳未満の子供は緑、75歳以上は黄色のシールを貼り、現在の集落の人口構成を把握します。

▲WSは廃校になった旧琴南中学校を利用して実施。まんのう町旧琴南町の人口は昭和60年、4250人だったのが、平成31年には2183人と半減し、地域の人達は危機感を感じている。話し合った内容を発表し、情報共有。金色のシールはこの地域に住んでいないが定期的に戻ってくる親族。この金色の人が今後のキーパーソンになる可能が高い。

さらに、地域に住んでいなくても定期的に通いながら地域の担い手となっている転出家族の存在も同様に示しました。同じ要領でもう一枚の地図に+10した年齢のシールを貼って、10年後の集落の担い手の状況のイメージを掴みます。簡単な方法ですが、構成人口を視覚的に捉えることで、10年後の地域の姿が実感でき、集まった人達からは自然と問題点が挙がり始めました。


WSは連続3回。3週間おきに行われる2回目、3回目のWSでは課題に対してどのような手を打っていくか、その課題に誰が取り組み、何から始めるべきかを話し合っていきます。「地域づくりは『新たな特産品を開発しよう!』ということだけではない。より現実的なことに取り組んで、取り組みのリズムが出来たら少しずつ難しいテーマにも挑戦していく。ひとつでも行動に移すことで人口減少への対応が進んでいくと思います」と話す田口先生。
地域課題と向き合うとき、ともすれば悲壮感が漂う雰囲気になりがちですが、学生たちも参加するWS形式でざっくばらんに行うことで、地域の未来を創造する建設的な話し合いに。学生たちの活躍が微笑ましく、たのもしい授業でした。

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