佐賀県といえば、どのようなイメージを持たれるでしょうか。有田焼や伊万里焼といった焼き物や、国内のブランド牛の中でも群を抜くと言われる佐賀牛や、嬉野茶などが思い起こさせるかもしれません。総じて、文化や伝統といった言葉が似合う佐賀県が、実はITでのイノベーションをリードする地域になりつつあります。

今回は東京で、佐賀県内の有田・伊万里・嬉野・唐津といった地域が集まり開催された「SAGA×IT INNOVATION Summit」の模様に触れながら、地域の可能性に触れる場の魅力に迫ります。

ローカルビジネスは地域の環境整備と表裏一体

イノベーションという言葉は、ビジネスにおいて今最も注目されるもののひとつでしょう。IT産業の誘致に力を入れる佐賀県では、「イノベーションを起こす環境づくり」に取り組んでいるといいます。

中でもポイントは、挑戦する人を増やすこと。そして、挑戦する人が挑戦する際に、必要なものやことにアクセスできることが重要な鍵だとして取り組んでいるそうです。

そんな佐賀県の取り組みへの意気込みから始まったイベントの第一部は、佐賀県にゆかりのある若手経営者と、ミドル経営者が「佐賀県で仕掛けたい10のこと」と題し、それぞれの構想を語るというものです。

約30分という短い時間にも関わらず、それぞれの視点から佐賀県内の課題を捉え、今後仕掛けてみたいことを語ります。

「IT人材の育成と雇用の創出」や「YouTubeを活用しての地域情報発信の仕組み化」や「佐賀県内の企業とのコラボレーション」など、矢継ぎ早に提案が交わされていきます。

ここでポイントとなっているのは、地域内での人材やアイデアの循環を行っていくという視点でしょう。個別のアイデアの根底に流れているのは、どのように協力・協働しながら、佐賀県内にあるモノ・コト・ヒトの資源を活用していくかということでしょう。

実際に地域に入っているからこその視点で、イノベーションの可能性を示す場となりました。

実際に佐賀県に行って体験すると見えるもの

後半となる第二部では、会場に集った有田・伊万里・嬉野・唐津の4つの地域から、地域ピッチとも言えるプレゼンテーションタイムです。伊万里と嬉野からは、市長も参加し、会場も大きく盛り上がります。

それぞれの地域の強みや、進出するメリットが語られる中で、共通していたことがあります。それは、「訪れてほしい」という言葉。これは、多くの地域が感じている本音として取り出せるのではないでしょうか。

多くの地域が大雑把なイメージや印象で語られてしまっては、魅力を伝える言葉も効果が半減してしまいます。インターネットにより、情報の取得が容易になったからこそ、少しの情報からイメージが強化されてしまうことも増えているのではないでしょうか。

本当は、同じ県内であっても、まったく違う風土や人柄をもつ地域の良さが、「わかった気」になることで薄れてしまっているとしたらそれはとてももったいないこと。今回の佐賀県内の各地のプレゼンテーションは、地域は現場が最前線なのだから、まずは訪れることで見えるものがあるということを、投げかけていました。

東京に集い、地域の可能性に触れる機会

まずは地域を実際に訪れることが大事だといっても、気軽に訪れられる機会というのも数少ないでしょう。そして意外かもしれませんが、実際に地域を訪れた際には、地域にキーマンに直接あったり、具体的な交流や提案ができる機会は限られています。

では、最初の入り口として何が大事なのかといえば、東京で開催されるイベントでしょう。今回の佐賀県のイベントように、首長をはじめ、地域のキーマンが参加し、参加者とのダイレクトなつながりを求めている場が数多くあります。

今回のイベント開催をサポートしたシビレ株式会社も、東京にとらわれない働き方「OFF TOKYO」を掲げ、様々なイベントを実施しています。

地方への移住や、働き方を変えたいと思っている方は、自分で調べることはもちろん、様々なリアルの場に参加してみるのはいかがでしょうか。

直接つながることで見えてくる新しい可能性があるはずです。