「仕事のパフォーマンスが約20%向上」「心身のストレスが約37%軽減」「運動量の増加(歩数が約2倍)」・・・いま話題の「ワーケーション」は、仕事の生産性やストレス解消に効果

コロナ禍をきっかけにリモートワークが普及するとともに、心身の健康についても注目が集まるなかで話題となった「ワーケーション」。リゾートや地方などで働き、併せて休暇も取るという、新たな地方創生の手段としても期待されている働き方です。
まだ実際の効果や効用については不透明な部分もあったことから、NTTデータ経営研究所、JTB、JAL(日本航空)が、「ワーケーション」の効果検証実験を実施しました。

2020年6月に実施された実験では、上記3社の社員18 名に対してワーケーション前・中・後にそれぞれ活動量や睡眠時間のデータを収集するとともにアンケートを行いました。

沖縄の「カヌチャベイリゾート」にて実施。WiFi環境とソーシャルディスタンスを保持した執務エリアと、自室における執務を併用(執務エリアではマスク着用し手指消毒を徹底)。

仕事とプライベートのメリハリがつくように

公私の区別が付きにくくなると懸念されることもあるワーケーションですが、実験ではむしろ公私分離思考が向上していました(下図)。仕事の生産性向上やメンタルの健康改善につながることが予測されます。

実施中は仕事のパフォーマンスが20.7%向上、ストレスは37.3%軽減。終了後も5日間効果が持続。活動量も2倍に

仕事の効率を表す指標「WHO-HPQ」の値がアップ。一方でストレスは軽減し、特に不安感などの軽減、活気の向上が目立って見られました(下図)。また、これらの効果はワーケーション終了後1週間近く(実験終了まで)継続したことで、実施中だけでなくその後の効果も期待できることがわかりました。

実施中の歩数は従来の2倍に。在宅ワークの懸念点である運動量の低下に対しても解決策になりそうです(下図)。

「ワーケーションが生産性や心身の健康に与えるポジティブな効果が分かった」と発表。今後は自治体や企業に対して効果検証支援を行い、多くのデータを集めることでより詳細な内容を明らかに、データに基づくワーケーションの科学的な検証と普及を進めたいとしています。

政府や環境庁による推進から注目を集めているワーケーション。働く人の健康だけでなく、企業の生産性、地域の活性化や旅行需要の再興、新しい関係人口の創出にも効果がありそうです。

関連リンク

ワーケーションは従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与する ワーケーションの効果検証を目的とした実証実験を実施
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/200727.html