世界に注目される日本の観光エリアのひとつ、瀬戸内地域があります。2018年に海外の著名なメディアが発表した訪れるべき地域ランキングで上位に入り、「SETOUCHI」が世界ブランドになったことは記憶に新しいでしょう。

この瀬戸内地域に、予約の絶えない一棟貸しの民泊リゾートがあります。一棟貸しという形態もあり、コロナ禍にあっても人気が衰えず、外からの注目のみならず、近隣からも、地域ビジネスの成功例として注目されています。

発起人は、もともと東京でのサラリーマン生活を経て、広島県に家族で移住した高掛智朗さん。瀬戸内隠れ家リゾートという屋号で、予約が絶えない「瀬戸内隠れ家リゾートCiela」を、広島県尾道市百島で経営されています。

民泊から始まるソーシャルグッドなビジネスモデル

高掛さんが地方移住を決めたのは、結婚・子育てというタイミングで東京で生活するイメージがわかなかったから。日本各地をまわり、家族とも相談しながら、「これからは瀬戸内がおもしろい」と、この地域が選ばれました。

「この地域で自分の理想の暮らしや、生活空間を作りたいという思いがあって、偶然、今のCiela(シエラ)の場所を見つけられたんです。当初は別荘としての利用を考えていたのですが、ちょうどAirbnbが少し話題になり始めた頃で、シェアするという発想になりましたね。」と、高掛さんは語ります。

目の前に海が広がる瀬戸内隠れ家リゾートCiela(シエラ)

「シェアする」というところから始まった民泊ですが、高掛さんの求めるかたちは、地域にとってもプラスになるものでした。それは、オーナー業を高掛さんが担い、海岸の清掃や、チェックイン・アウト、施設の清掃、シーツやタオルなどのクリーニングは、百島在住者に委託、その他にも、海辺の出張料理や、目の前の砂浜からシーカヤックで漕ぎ出すサンセットクルージングやカヤックフィッシングなども、百島在住の方々と連携したサービスとなっています。

高掛さんとゲストの間だけでなく、この取組に関わる全体が地域とのシェアでなりたっているというわけです。

その結果、空き家、地域の雇用創出、漂着ゴミの回収など、地域の様々な社会課題を解決する手段として機能しています。

民泊経営は地域経営と不可分

高掛さんの取り組みは、地域課題へのアプローチとして大事なヒントを提示しているといえます。それは、民泊をはじめ、広く宿泊を伴う観光体験は、地域の魅力発見し、伝えることと不可分であり、その意味で、広く地域経営とも不可分であるということです。

観光体験は、高級な施設だけで成り立つものではなく、地域との連携ではじめて価値を生むものだということです。そのためには、地域内での理解が欠かせません。島外からやってきた高掛けさんも、最初は自分の事業について説明し、一緒に飲み会しながら時間を共にし、どこの誰が何を始めるのかということを伝えていったそうです。

よそ者だから、地元だからとうところを超えることで、持続可能な地域づくりにつながるようなビジネスモデルが生まれているというわけです。

オンラインコミュニティでノウハウ共有も開始

そんな高掛さんが現在取り組んでいるのが、瀬戸内隠れ家リゾートの2棟目をオープンさせるプロジェクトです。Cielaと同じく百島の空き家を改修し、瀬戸内の自然に包まれ、異日常を体験できる一棟貸しの宿泊施設とすることに向けて活動が始まっています。

防潮堤もなく、眼前に瀬戸内海が広がるという立地を活かし、BBQやマリンスポーツを中心としたアウトドアを快適に楽しめる空間となる予定だそう。

現在告知も兼ねてクラウドファンディングをしながら、改修も始まっているところだといいます。

クラウドファンディングでは支援の特典として、宿泊券などの他にも、高掛さんが発起人のオンラインコミュニティ「瀬戸内隠れ家リゾートSalon」にお得に参加できる権利も提供されています。

オープンから4年連続で120%成長を達成している民泊経営のノウハウをはじめ、地域との関係性の作り方や、ソーシャルグッドなビジネスモデルの裏側など、ここだけでしか発信されない内容も盛りだくさんとのこと。

全国で民泊をはじめ、地域資源や魅力を生かした観光体験創出が注目される中で、とても魅力的な試みだといえます。

地方移住を経て、独立をしたいという方にもおすすめ。民泊経営のトップランナーと一緒に新しい取り組みを始めてみませんか。