地方移住を検討した時、いちばん気になるのが仕事のこと。テレワーク移住できれば問題なさそうだけど、本当に実現可能か? 地方で働く場合は、どういった仕事があるのか? 今回は、地方移住した際の仕事について検証してみる。

普通の会社員として地方移住したい

最近は地方移住した方と話す機会(オンライン含む)が多くなった。出会いのきっかけは、移住イベント、移住ネサロン、SNSだったり。真っ先に彼らに聞くことは、やはり仕事のこと。どういった仕事をしていて、どれぐらいの収入を得てるのか? 初対面にもかかわらず、何と失礼な質問をするんだと思うが、聞かずにはいられない。

何人かの移住者に話を伺って、ある共通点に気づいた。それは積極性であり、行動力であり、自立心。サラリーマンには少ない能動的なタイプ。正直、移住者の話を聞くほどに自分にできるだろうかと不安に思う。起業して成功、フリーランス、地域おこし協力隊員など、みな能動的だ。凡人サラリーマンの私には出来そうにない。ということで、今回は普通のサラリーマンとして、どんな仕事があるのかを検証。

今の仕事を継続

ひとつめの選択肢が、今の仕事を継続すること。新型コロナの影響からテレワークが推進された。会社への出勤が週1〜2回になり、オフィススペースが縮小され、いくつかの支店は閉鎖される。2021年以降は、さらにリモートワークが推進され出勤が許可制となる。このような状況なので、会社へ地方移住&継続勤務を認めてもらえるかも知れない。

■今の仕事を継続するメリット&デメリット
+家族への理解を得やすい
+給料は概ね維持される
+キャリアがリセットされない
+週末移住だとハードルが低い
ー会社がNoと言えば、それまで

地方優良企業または東京本社の支店へ転職

年齢やキャリア、職種によっても違ってくるが、転職が出来るのであれば良い選択だと思う。知らないだけで地方には優良企業が数多くある。この場合、東京で探すよりも地域に根ざした就職・転職サイトで探した方が良いと移住者に教わった。また東京本社の地方支店に転職することが出来れば、給与水準は地元企業よりも高いことが多い。

■地方企業の探し方
・移住先の就職・転職サイトを活用する
・自治体の就職紹介窓口を活用する
・地方支店の募集がないか大手転職サイトで調べる
・東京ハローワークの活用(地方就職支援) など

完全リモートワークの会社へ転職

リモートワーク
リモートワークと聞くと、クリエーターやエンジニアなどが頭に浮かぶ。ところが最近は営業マンをリモートワーク採用する企業も増えてきた。経理や会計分野に特化したリモートワーク求人もある。「フルリモート 求人」や「完全リモート 求人」などで検索すれば、多くの求人広告がヒットするので、興味があれば一度検索してみて欲しい。

■リモートワークのメリット&デメリット
+完全リモワなら何処に移住しても問題ない
+通勤がなくなり自分の時間を確保できる
+育児や介護などの両立を図りやすい
ーコミュニケーション技術が必要
ー長期雇用に不安定な会社が多い

移住支援金対象企業に転職

移住支援金は、東京一極集中の是正及び地方の担い手不足対策のため、地方における起業、UIJターンによる起業・就業者を創出する地方公共団体の取組を地方創生推進交付金で支援するという国の取り組のひとつ。

■移住支援金の概要
東京23区(在住者又は通勤者)から東京圏外へ移住し、移住支援事業を実施する都道府県が選定した中小企業等に就業した方又は起業支援金の交付決定を受けた方に都道府県・市町村が共同で交付金を支給する事業
*条件に合えば最大で100万円(単身の場合は60万円)が支給される
*条件は実施する自治体で異なる場合がある

■移住支援金の対象
以下の3つの条件にすべてに該当する方が対象
1【移住元】東京 23 区の在住者又は通勤者(5年以上)
2【移住先】東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域への移住者
3【就業・起業】移住支援事業を実施する都道府県が、マッチングサイトに移住支援金の対象として掲載する求人に新規就業した方又は起業支援金の交付決定を受けた方

*本事業詳細は、事業を実施する都道府県が公表する情報及び地方創生HPの確認して欲しい。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/shienkin_index.html

地域おこし協力隊になる

地域おこし協力隊
地域おこし協力隊になりたい人が急増している。兵庫県豊岡市では、「地域おこし協力隊」として農業や伝統工芸の従事者を募ったところ応募が殺到。2020年度の応募で56人もの応募があったという。新型コロナがきっかけで、若者を中心に地方移住して地域の仕事に携わりたいという人が増えた。

■地域おこし協力隊とは?
おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事する。

■地域おこし協力隊の仕事例
・農林水産業への従事等
・水源保全・監視活動
・水源地の整備や清掃活動等
・環境保全活動
・不法投棄パトロール、道路等の清掃等
・住民の生活支援
・見守りサービス、通院・買物等の移動サポート等
・地域おこしの支援(観光や移住の促進等)
・地域行事、伝統芸能等コミュニティ活動の応援等
・都市との交流事業、教育交流事業実施の応援等
・地場産品の販売その他の地産地消の推進のための取り組みの応援等
・産直施設支援員
・再生可能エネルギー企画と運営
・空き家の保全や再生
・ドローンを使ったPR活動
・ふるさと納税のサポート など

■地域おこし協力隊の収入
月166,000円(多い場合は200,000円)の自治体が多い
(各自治体で違うので要確認)

*加えて家賃補助等
*上記から社会保険料や年金の支払いが必要
*ほとんどの自治体でボーナス等はない
*残業等もないと考えた方が良さげ
*地域活動費はあるが自由に使えない

■地域おこし協力隊になる際の留意点

1、隊員の約4割が女性
2、隊員の約7割が20歳代と30歳代
3、任期終了後、約6割が同じ地域に定住(※H29.3末調査時点)
4、副業を禁止している自治体も多い

仕事内容に比べ、厳しい現実が読み取れる。収入的にも家族を養っている人には難しいだろう。とは言え、地域おこし協力隊の経験や培う人脈で、その後も地域で活躍できる可能性は大いにある。特に若い世代には良い経験になるのではないだろうか。

地方で求められる人材になる

どのような仕事に就くにせよ、我々が地方で求められる人材であるならば、きっと仕事は見つかる。ポストコロナ時代の地方に求められているのは、とりわけDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートできる人材だろう。移住や観光のオンラインプロモーション、公立学校でのICT教育、オンライン健康診断、デジタル技術を活用した地域の危機管理など、デジタル化を加速させることが出来る人材なら、地方にとって必要な人財になるはずだ。

筆者について

都内在住、旅行会社勤務40代会社員。この先1〜2年で地方移住を検討している。東京から脱出したいわけだが、単に田舎暮らしをしたい訳ではない。衣食住、仕事、人、金、情報、趣味、すべての自由度を今よりぐんと上げるために地方移住を計画している。あたらしい働き方でテレワークが日常になった今、もっとライフスタイルを重視した生き方ができると考えている。

■ブログ
地方移住してテレワークで働けば、人生めちゃ楽しいやん!と思う。

■ツイッター
https://twitter.com/c7local

【著者】加藤 椎成(かとう しいな)
大阪市出身、都内在住。関西大学経済学部経済学科卒業。通信インフラ、Web広告会社を経て、大手旅行会社に勤務。2016年からは地域交流事業に携わる。学生時代から現在まで国内外100都市を旅する。仕事や旅を通して、地方の素晴らしさを再認識し、近い将来の地方移住を計画。移住先探しノウハウや地域メモを個人メディア(地方移住してテレワークで働けば、人生めちゃ楽しいやん!と思う。)で公開中。地方で自分らしく生きるを目標に、テレワーク中心のあたらしい働き方も実践中。2020年より移住先探しダイアリーを執筆。