2020年から急速に普及し始めたテレワーク。そろそろ「テレワーク疲れ」も出てきているのではないでしょうか。
今回はテレワークを少しでも快適に進めるためのコツを5つに分けてご紹介します。

1.環境を整えるコツ

自宅とはいえ仕事は仕事。これまでオフィスと自宅を明確に分けることで仕事モードとリラックスモードを切り替えていた人も多いと思いますが、自宅で仕事をするからには自宅で仕事モードを作らなければなりません。
自宅で長時間仕事をするために整えるべきものをご紹介します。

(1)デスク
ダイニングテーブルやこたつ机で作業すると、姿勢が悪くなり肩や首のコリの原因になります。
テレワークが長期化する場合は仕事用のデスクを置くとよいでしょう。

最近は昇降式のデスクもあります。スタンディングデスクで仕事をすることで気分転換になります。
また、デスクに無駄な書類は置かず、常に整理整頓しておくと雑念が減り、集中力が高まります。

(2)椅子
テレワークでは座っている時間が長くなるため、椅子にこだわる人が多いです。
数千円のデスクチェアから数万円のゲーミングチェアまで、機能性や快適性は様々です。

必ずしも安いデスクチェアだから悪いというわけではありません。背もたれがある、高さ調節ができる、ローラーがついているなど、一般的なオフィスで使っているような椅子でも十分快適です。

やはり長時間テレワークをするのであれば、体の姿勢に直結する机と椅子は必要経費と割り切って揃えた方が長続きすると思います。

机と椅子の他に、テレワーク環境を整えるために「モニターを導入してデュアルディスプレイ(2画面)にする」「BGMをかける」「観葉植物を置く」といった意見もありました

2.Web会議のコツ

今やテレワークに欠かせないWeb会議。自分が参加している意識を強く持たないとマンネリになりがち、座っているだけになりがちなWeb会議を快適に進めるための工夫をご紹介します。

(1)動作や相槌は大きく
画面越しに顔が見えているとはいえ、ちょっとした動作や反応は見えにくいものです。オフラインだと気付けた「空気感」が画面越しだと伝わりにくい場合があります。

人が話している時は大きく頷く、少人数なら話の邪魔にならない程度に「はい」「なるほど」などと相槌をうつなどして「あなたの話を聞いていますよ」という態度を意識して作ることで積極的に会議に参加することができます。

自分がファシリテーターや発表者になった時こそ聞き手の態度の重要さが分かります。

(2)時間を有効に使う
自宅であるからこそ気が緩んで際限なく会議に時間を使ってしまうことがありますが、これは非効率で非生産的です。会議が長引くとその後の作業に差し障りが出る場合もあります。

オフライン以上に「人と時間を共有している」「人の時間を使っている」ことを意識する人も増えたのではないでしょうか。

できるだけ会議は時間内に終わらせられるよう意識することで、オフィスに戻った時の会議の質も上がります。

3.チームワーク形成のコツ

テレワークの懸念事項として、チームワーク形成と進捗管理の難しさが挙げられます。
同じオフィスで働いていれば、挨拶や雑談もチームワーク形成の一環となりますし、不明点や進捗をすぐ確認することができます。

オンラインではそれが難しいと思われがちですが、少しの工夫やツールの導入で解決できることもあります。

(1)朝礼・終礼をする
朝礼や終礼をすることで仕事始めと仕事終わりのオンとオフの切り替えがしやすくなります。

一見煩わしく思える朝礼・終礼ですが、仕事と生活のリズムを作ることは大切です。特に、自分で計画を立てたりやる気を出せなかったりする人にとっては、学校のチャイムのように形から入ることは効果的です。

成果が重視される働き方になったからこそ、時間を作って仕事をしないとよい成果も上げられません。

(2)雑談の機会を増やす
これまで当たり前のように行っていたちょっとした雑談がテレワークでは難しくなりました。

Web会議では要点だけ押さえてさっさと進んでしまうことが多く、効率的ではありますが「会話の余白」は少なくなりました。

雑談の時間を設ける、雑談専用のチャットルームを作るなどして仕事以外のコミュニケーションを取ることが大切です。

特にコロナ禍に入社した新入社員は、同期や先輩社員と1度も会っていないという人も多いはずです。仕事のみでしか繋がりがないから、実際にオフィスで顔を合わせた時にちょっとしたことで声をかけづらいという意見もあります。

日頃から雑談でコミュニケーションを取っておくと、仕事上の相談も話やすくなります。

(3)個別のやりとりより、プロジェクトごとのチャットルームなどで進捗を追えるようにする
進捗確認は個別でやりとりをするより、プロジェクトごとのチャットルームでする方が他のメンバーにも共有できて効率的です。

また、全体に共有することで人の目が入るので、「言った、言わない」といったトラブルを防ぐことができます。

チームの皆が見ているからこそ意思決定や軌道修正もスムーズにできます。必要な情報をチャットで追えるので、無駄なミーティングの機会も減ります。

4.テキストコミュニケーションのコツ

テレワークはメールやチャットなど、テキストによるコミュニケーションが圧倒的に増えます。オフィスであれば一言二言で済んでいたことがテキストだと伝わらなかったり、冗長すぎて逆に分かりにくくなったりする場合があります。

伝える側が少し工夫するだけで、「伝えたつもりなのに伝わっていない」という失敗が減ります。

(1)結論から書く
「○○と××という理由で△△になったのですが、よろしいでしょうか?」
このような書き方だと、理由部分が長いとなかなか結論を読み取れない恐れがあります。また、「よろしいでしょうか」の部分は確認してほしいのか、修正してほしいのかも不明です。

「何がどうなった(結論)」の部分と「相手にしてもらいたい行動」を最初に明確にすると伝わりやすい文章になります。

(例)プロジェクトのテーマは△△になりました。理由は以下の通りです。補足や修正があれば今日中にご連絡ください。

(2)箇条書きにする
要素が多くある場合は、長い分で列挙するより短い文で箇条書きにした方が圧倒的に見やすいです。
たとえ意味が同じでも、読みやすさには「見やすさ」も含まれています。

(例)
プロジェクトの企画意図
・○○○
・×××
・□□□

テキストでのコミュニケーションが増えた今、1日に大量のテキストを読んで理解しなければいけません。次から次へとチャットが流れてくることもあります。

多くを捌かなければならないからこそ要点は簡潔に伝える必要があります。人の目に留まる書き方をすることでチーム全体の効率化にもつながります。

テキストコミュニケーションのコツはこちらの記事で分かりやすく紹介されています。

5.リフレッシュのコツ

長時間座りっぱなしでテレワークをしていると知らず知らずのうちに体が凝り固まり、疲れやすくなります。また、通勤がないので運動不足になりがちです。
テレワークの場合、意識して体を動かさないと本当に1日中座りっぱなしになってしまいます。

人間の集中力は15分程度しかもたないと言われています。自宅だからこそできるリラックス方法を取り入れてみてください。

(1)時々立つ
一番簡単なリフレッシュ方法は立ち上がることです。デジタル機器から一度離れて目を休めること、立ち上がって血流をよくすることが大切です。

立ち上がったついでに腕を回したり伸びをしたり、少しでも体を動かすことで心もリフレッシュできます。

(2)運動や散歩をする
休憩時間など、少し時間ができた時は軽い運動や近所を散歩するとよいでしょう。ほんの数十分の運動でも思考が整理され、よいアイデアが浮かぶこともあります。

YouTubeには5分間ストレッチ、15分間筋トレなどスキマ時間でできる動画がたくさんあるので、取り組みやすいものを選んでみてください。

休憩時間に運動をすると決めておくことで、リフレッシュかつ運動不足解消になります。

(3)いい香りでリラックス
人間の嗅覚は、本来敵のにおいや食べ物のにおいを本能的に察知するためにあります。
視覚や聴覚の電気信号は知性に関わる「大脳新皮質」に送られ、「これはバラだ」「これは鳥の鳴き声だ」と認識します。

一方嗅覚は、鼻の粘膜に付着した香りの成分が電気信号として「大脳辺縁系」に送られ、「いいにおいだ」「不快なにおいだ」とダイレクトに気持ちを揺さぶります。

お気に入りのアロマを焚く、大好きなコーヒーを淹れて香りを楽しむ…など、香りでリラックスするのは脳科学的にも効果的です。

おわりに

テレワークが普及し、人々の働き方や暮らしにも変化が起きています。

・これまで都市部で仕事をしていた人が、同じ仕事を地方に持ち帰ってする。
・普段は地方に住み、必要な時だけ都市部で人と会う。
・遠方の優秀な人材を都市部で採用する。逆に、都市部の優秀な人材を地方で採用する。
・地方の企業や顧客とリモートで商談をする。

など、全国でテレワークをする人は今後も増えていくと思われます。
オフィスであれば「頑張る姿勢」も評価されていましたが、テレワークではそれが見えにくくなるためこれまで以上に成果が重視されます。

成果を上げるためには自分で自分を律し、考え、行動しなければなりません。そのためには自己管理が必要です。
いざ自分がテレワークになった時、テレワーク疲れを起こさないよう自分なりのコツを掴んでみてください。


小山 志織
和歌山県出身のフリーライター。「住むように旅をする」をモットーに、2020年7月〜12月まで九州を旅しながら執筆活動を続ける。noteで自身のワーケーション記やエッセイを綴っている。
Twitter:https://twitter.com/shiori_koyama
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