どちらへ地方移住しますか? 東京人が地方移住を考えた時、すぐに頭に浮かぶのが長野県と山梨県。ともに富士山や日本アルプスなどの山々に囲まれた豊かな自然が魅力。最終的には、その土地にいる人や訪れた際の感・感覚で決めることになるんだろうけど、予備知識として2つのエリア情報を整理しておきます。
長野県と山梨県の地域と特徴
■長野県/山梨県
面積:13,562㎢/4,465 km²
人口:206万人/81万人
市町村数:77/27
長野県
・北アルプス地域(北アルプスのふもと、北部は全国有数の豪雪地帯)
・松本地域(名だたる観光地に囲まれ、多彩な魅力を備えてる)
・木曽地域(山に囲まれ、美しい森林に覆われている)
・上伊那地域(天竜川と、その流域の河岸段丘に様々な都市と農村が共存)
・南信州地域(穏やかな気候と南アルプスを臨む雄大な自然に恵まれている)
・北信地域(豪雪地帯としての特性を生かして、ウィンタースポーツや観光地として発展)
・長野地域(善光寺平を軸に、上信越国立公園など四方の美しい山並みに囲まれている)
・上田地域(地形、気候ともに穏やかな地域。中心の上田市は真田昌幸が城を築いた町)
・佐久地域(北に浅間山、南に蓼科山、八ヶ岳を臨む豊かな自然に恵まれている)
・諏訪地域(諏訪湖を中心に、八ヶ岳、蓼科高原、霧ヶ峰高原など変化に富んだ地域)
山梨県
・中北地域(八ヶ岳や南アルプスをはじめとする雄大な自然に囲まれた地域)
・峡南地域(富士川や南アルプスの山々に育まれた歴史と伝統文化が残る地域)
・峡東地域(桃やぶどうなど、全国屈指の果樹生産地域。ワイナリーや温泉など観光資源も豊富)
・富士東部(世界文化遺産・富士山を擁する世界的な観光地。都内へのアクセスにも優れた地域)
長野県と山梨県のデータを比較
項目:長野県/山梨県
●平均寿命:全国1位(女性)、2位(男性)/全国18位(女性)、21位(男性)
*平成27年都道府県別生命表(厚生労働省)
●野菜の摂取量:全国1位(女性)、1位(男性)/全国4位(女性)、5位(男性)
*平成28年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)
●2021年版移住したい都道府県ランキング:1位/3位
*月刊 「田舎暮らしの本」(宝島社)発表
●ぶどう収穫量:全国2位/全国1位
*令和元年産果樹生産出荷統計(第1報) 農林水産省
●もも収穫量:全国3位/全国1位
*令和元年産果樹生産出荷統計(第1報) 農林水産省
●すもも収穫量:全国2位/全国1位
*令和元年産果樹生産出荷統計(第1報) 農林水産省
●図書館数(人口100万人当たり):全国4位/全国1位
*総務省統計局 ※2015年度時点
●ワイン生産量:全国2位/全国1位
*国内製造ワインの概況(平成30年度調査分) 国税庁
●年間日照時間:全国16位/全国1位
*総務省統計局 ※2018年度時点
●幸福度ランキング:全国5位/全国7位
*全47都道府県幸福度ランキング2020年版(一般財団法人日本総合研究所)
「街の住みここち」と「住みたい街ランキング」
■街の住みここち(自治体)ランキング 〈甲信越3県〉
順位 自治体 偏差値
1位 【山梨県】中巨摩郡 昭和町 74.2
2位 【新潟県】新潟市 西区 66.3
3位 【長野県】安曇野市 65.8
4位 【長野県】松本市 65.1
5位 【長野県】上伊那郡南箕輪村 64.9
6位 【長野県】北佐久郡御代田町 63.8
7位 【長野県】佐久市 61.6
8位 【山梨県】北杜市 61.3
9位 【新潟県】新潟市江南区 61.3
10位 【長野県】長野市 60.5
11位 【新潟県】新潟市中央区 60.4
12位 【山梨県】甲斐市 58.9
13位 【新潟県】新潟市東区 58.3
14位 【長野県】上田市 58.1
15位 【山梨県】中央市 57.5
16位 【長野県】小諸市 56.7
17位 【山梨県】南アルプス市 56.6
18位 【新潟県】新発田市 56.1
19位 【長野県】北佐久郡軽井沢町 55.6
20位 【新潟県】新潟市秋葉区 55.2
■長野県民の回答
街の住みここち総合トップ5
順位 自治体 偏差値
1位 安曇野市 67.5
2位 松本市 66.4
3位 上伊那郡南箕輪村 66.2
4位 北佐久郡御代田町 64.7
5位 佐久市 61.5
住みたい街総合トップ5
1位 松本市
2位 長野市
3位 佐久市
4位 安曇野市
4位 上田市
■山梨県民の回答
街の住みここち総合トップ5
順位 自治体 偏差値
1位 中巨摩郡昭和町 73.5
2位 北斗市 59.7
3位 甲斐市 57.1
4位 中央市 55.5
5位 南アルプス市 54.5
住みたい街総合トップ5
1位 中巨摩郡昭和町
2位 甲府市
3位 北杜市
4位 甲斐市
4位 富士吉田市
リニアモーターカーで地方も通勤圏内
2027年にリニアモーターカーが開通すれば、長野県も山梨県も通勤圏内。テレワークも進んでいるだろうから、東京へ出勤する必要はなくなっているかも知れない。たまの出勤はリニアでという時代になっているのだろう。
リニア中央新幹線が開通すると、起点となる品川駅からの所要時間は以下のようになる。
品川駅~神奈川県駅(相模原市):約10分
品川駅~山梨県駅(甲府市):約25分
品川駅~長野県駅(飯田市):約45分
品川駅~岐阜県駅(中津川市):約60分
品川駅~名古屋駅(名古屋市):約40分
品川駅~新大阪駅(大阪市):約67分
長野県と山梨県どっちを選ぶ?
仕事や遊びで長野には15回以上、山梨にも5回ほど足を運んでいる。ともに大好きな県。空気感といい、地域の人の優しさといい、日本人としての良さも感じることができる。何となく長野県は優等生で、山梨県がちょっとやんちゃなイメージ。データを見ると、判断基準が小学線目線で笑えるが、晴れ日が多くてフルーツが美味しい山梨がいいかなと。
まあ最終的に移住の決め手は人だと思う。そこに誰がいるかで移住先を決めたい。その地で事業を成功させている人、周りに素敵な仲間が集っていて、真剣に地域の活性化を考えている人がいる町へ移住したい。町の未来は、国や自治体ではなく、そこに住む人が未来。だから未来を描いている人がいる地へ移住したい。
逆に補助金漬けになっているような町には移住しない。移住促進も自分たちで出来ることを考えずに、国からの補助金だけを呼び水にしている地域へは行きたくない。税金を無駄に使って、使われてもいない豪奢な建物が多い町にも行かない。町を会社と考えたら選びやすいかも知れない。儲かっている会社の方がいいに決まっているし、イケてる社長がいい。死んだ目をした社員が多い会社より、未来を担う若者がどんどん入社してくる会社が良い。どんどん新しいことにチャレンジする会社、社員の幸せを考える会社、そんな会社(町)へ移住したい。
筆者の地方移住の進捗
会社がリモートワークを推進していることもあり、移住へのハードルはかなり下がった。とは言え、大学までは都内で学びたいという娘の要望があるため、完全移住は少し先になりそう。なので第一ステップとして週末移住あるいは週中移住を検討中。家族としては、私が単身移住することで、ひと部屋自由に使えることになるし、思春期まっさかりの娘にとってパパ不在は願ったり叶ったりらしい(笑)
今のところ、移住第一ステップとして都内アクセスが良いテレワーク移住を検討
・山梨県(都留市、大月市、甲州市)
・茨城県(結城市、那珂市、土浦市)など