リモートワークが進む中、どこでも仕事ができるようになりました。新しい暮らしの体験としてご紹介したいのが、ゲストハウスにヘルパーとして滞在しながら空いた時間を自分の時間として使う暮らしです。

温泉ゲストハウス「HAKONE TENT」、囲炉裏ゲストハウス「TENMAKU」

神奈川県の小田原駅から箱根登山電車で強羅駅へ。所要時間約2時間半、強羅駅から徒歩2分のところに、温泉ゲストハウス「HAKONE TENT」はあります。定員は約30名。その名の通り、家族や友達同士で入れる温泉がついたゲストハウス。内装も温もりを感じさせる色調で、一階は食事とお酒が飲めるバーになっています。近くの宿の宿泊客がバーに来ることもあり、バーは毎晩にぎやかです。共有スペースにはハンモックやピアノがあり、さまざまな形で人と交流することができます。

温泉には、グループでも個人で入ることができます

1階共有スペース

入口

HAKONE TENTと同じオーナーが経営する囲炉裏ゲストハウス「TENMAKU」は,予約制で囲炉裏で食事ができるのが特徴です。宿泊客は、TENTの温泉を500円で利用することも可能。和室、洋室、様々な部屋タイプがあり、好みに合わせて選ぶことができます。ゲストの定員はTENTと同じく約30名。1階共有スペースは広く、ウッドデッキがあるので、気分転換をしながら仕事できます。
共有キッチンや洗濯機もあるので、長く滞在するのにも困りません。どちらのゲストハウスからも歩いて7分のところにコンビニがあります。

囲炉裏の最後はマシュマロで〆

ウッドデッキで食事をしたりヨガもできます

詳細な値段や設備は各ホームページをご覧ください。
HAKONE TENT
HAKONE TENMAKU
HAKONE TENT 住み込みスタッフ募集 

「HAKONE TENMAKU」で「ゲストハウスヘルパー」体験

ゲストハウスヘルパーとは、ゲストハウスの業務を手伝いながら基本的に無料でゲストハウスに滞在できる仕組みです。具体的な条件はそれぞれのゲストハウスによって異なりますが「HAKONE TENT」「TENMAKU」では、3食付きで、宿泊無料、温泉や、地域の一部の美術館なども無料という条件です。
無償スタッフと有償スタッフの2種類があります。
無償スタッフは業務時間が1日6時間、期間は1か月~、休日は週2日です。掃除などのルーティーンが仕事のメインになります。
有償スタッフは業務時間が1日8時間、期間は3カ月、週休2日です。食事時間も業務時間に含まれています。お客さんの宿泊状況によって、両方のゲストハウスを行き来することもあります。
2つのゲストハウスのどちらに滞在するかは面接後に決定しますが、どちらになったとしてもお客さんのいない時間であれば温泉に入れます。食事はスタッフで交代で作るのですが、料理好きのスタッフが多いので、皆で作って美味しいご飯を食べることができます。お客さんが差し入れを持ってきてくれて一緒に食べることも。基本は昼食・夕食は一緒にとり、朝食は各自でとります。
もう一つ、このゲストハウスならではのスタッフサービスが、美味しいコーヒーを100円で飲めることです。「Ryusenkei」というキッチンカーを改造したカフェがTENMAKUの前で営業しており、通常500円程度の飲み物が100円で買えます。

ゲストハウスヘルパーの一日の流れ

シフトは2部制になっており、朝シフトは8:00~16:00、夜シフトは16:00~24:00で、無償スタッフは原則11:00~17:00です。
朝はお客さんの見送り、今日の予約の確認をし、お客さんのチェックアウト後は部屋、トイレ、シャワーなどの清掃を行います。
その後、次のお客さんのために部屋を整えて、チェックイン受付開始です。夜はお客さんの食事の準備やドリンク販売しながら、交流します。最後は貴重品など片づけて、消灯して業務終了です。
スタッフの部屋は男女別で相部屋ですが、ベッドにカーテンがついているので一人の空間も持てるようになっています。
業務の時間がまとまっているので、出かけやすく、休みもシフト制で希望できます。

箱根の魅力を存分に味わえる

このゲストハウスに一か月滞在して驚いたのは、箱根という地域の魅力です。

1)ハイキング
温泉で有名な箱根ですが、周辺には多くのハイキングコースがあります。コースによって歩く時間もさまざま、見える景色も異なるので、全部歩きたくなるくらいです。あまり人もいないので、自然を満喫でき、春は桜と新緑がきれいです。

ゲストハウスから15分くらいのところにある滝

スタッフでハイキングもしました

2)交通網
この地域のよいところの一つに、バスの本数が充実していることがあります。ハイキングして疲れたらバスに乗ることもできますし、ゲストハウスから富士山と鳥居が一望できる芦ノ湖に行くのも便利です。7時~18時の間、1時間に3本程度運航しています。携帯であれば小田急電鉄株式会社が出しているアプリ「EMot」がこの地域の交通情報を調べるのに便利です。また、バスだけでなく芦ノ湖の遊覧船など、周辺交通網の運行状況がウェブサイト「箱根ナビ」で一覧で確認できます。3)美術館めぐりなどの楽しみも
ゲストハウスの周辺には10以上もの美術館があります。スタッフであれば、その中で「星の王子さまミュージアム」、「ポーラ美術館」、「彫刻の森美術館」、「箱根ガラスの森美術館」の4つが割引、もしくは無料で入館できます。
また、最近箱根で芸者に出会える参加型の観劇スポットができました。(https://www.meetgeisha.jp/jp
単純な観光だけでなく、文化の体験も行えるのは箱根ならではの魅力です。4)小田原の海
周辺の山だけでなく、小田原にも近いので、海を楽しむこともできます。小田原の街には歩ける範囲にかまぼこや鰹節、豆腐屋や昔の薬屋など歴史が感じられるスポットがいくつもあります。時間があれば海だけでなく、街散歩もオススメです。

トンネルで遊ぶスタッフ仲間

ゲストハウスワーケーションの魅力

ヘルパーとして働きながら、休みの日や仕事が終わったあとに自分の仕事をしていました。ゲストの対応などもあるので、ある程度業務時間に融通がきく仕事の方にゲストハウスでのワーケーションをオススメします。時間の拘束がある分、基本的な生活費がかからないので、仕事で稼いだお金は自由に活用できます。

1)さまざまな出会い
ゲストハウスに滞在する一番の魅力は、やはりさまざまな人に出会えることです。観光地でもあり東京からアクセスのよい箱根は、日本に住んでいる海外の人に人気です。家族連れでお子さんがいることもありますし、大学生の卒業旅行や自転車で旅している人、面白い職業の人にも出会えます。スタッフメンバーには台湾からの留学生が多く、中国語と日本語を教え合ったり、お互いの国のことを話したりすることもできます。

2)交流の面白さ
ゲストは東京近辺から来ていることが多く、仲良くなるとまた泊まりに来てくれたり、東京に行ったで会えたりします。ゲストとの距離が近いのはゲストハウスならではの良さです。ひとりになりたいときはスタッフルームで過ごせますし、家が近ければ休みの日に戻ることも可能です。スタッフの行き来もあるので、その都度さまざまな情報を交換します。

3)地域とつながる拠点
地域で仕事をしている人から仕事を紹介していただくこともありました。人手が必要な土木作業や掃除のバイトなど、普段自分が体験することのない仕事を経験でき、地域の人と関われます。ゲストハウスという場が、地域とつながる拠点になっています。
普段なら何日か宿泊するだけの地域に長期で滞在してみることで、新しい地域の魅力を発見できるかもしれません。

おわりに

今回は箱根のゲストハウスを紹介しましたが、どんな地域のどんなゲストハウスに滞在したいか考えてみるといいかもしれません。
自分にあった場所でのワーケーションを通して、地域との関りをつくってみてください。