名物は「すき」

福岡県内2位の食料品製造出荷額を誇る古賀市。 毎月の工場直売所特売セールや、年に一度の食をテーマとしたお祭りを開催するほど食との関係が深いまちです。
全国でも鶏肉の消費量が非常に多い福岡県の中でも、古賀市周辺では「鶏すき」が有名です。

 

 

その歴史のはじまりは、江戸時代の飢饉による財政立て直し

その昔、江戸時代の飢饉で福岡藩の財政が枯渇する中、「鶏卵仕組」という役所を作り、庶民や下級武士へ養鶏を推奨し、鶏卵を江戸や大坂に出荷することで財政を立て直そうとしていました。そのため養鶏が盛んになり、福岡県で鶏肉を食べる習慣が生まれたと言われています。その当時の古賀の地名を指す「筑前」の名がつけられた「筑前卵」という鶏卵が特産品だったようです。鶏卵生産のための養鶏であったため、古賀市の「鶏すき」は産卵後の親鶏を使用した料理で、鶏肉は“庭野菜”と呼ばれるほど身近な食材でした。

 

「鶏すき」は昔からのもてなし料理。

飽きずにたくさん食べられるのが魅力!

現在でも、親戚一同が集まった時やお祭りの直会、田植えや稲刈りの時期などによく食べられており、食材を準備しておけばあとは煮込むだけなので酒席にもよく使われます。
鶏肉と皮、肝、玉ひもなど一羽無駄なく使いますが、昔は一羽と言わず数羽しめてふるまわれていたこともあるようです。
鶏すきの良いところは野菜もたくさん摂れるところ。また、旬の野菜を使うことから年中食べられる料理でもあり、季節ごとで鍋の具材が変化することも楽しみの一つ。毎回、一期一会の鶏すきを生み出してくれるのです。牛肉だと年配者は飽きてしまいますが、鶏肉だとたっぷり食べられるところも好まれる点です。

 

なんといっても、その特徴はたっぷりの砂糖と醤油による濃厚な味付け。

基本的な味付けは、たっぷり砂糖と醤油のみというシンプルなもの。まず始めに、鍋底に砂糖を敷き詰めて鶏肉をのせるという光景には驚きます!
しかし、この砂糖と醤油の濃厚な甘辛味は一度食べるとやみつきに!

砂糖が溶けて鶏肉と絡めた後に他の食材を入れ、最後に醤油を加えて完成。鶏から出る油や野菜から出る水分が加わって味に広がりが出て、後になればなるほど美味しい煮汁に仕上がります。出汁要らずだから材料を揃えて鍋に入れるだけと、作り方も簡単です。
溶き卵につけて食べた後は、〆にそうめんを入れて頂きます。

鶏から出る油や野菜から出る水分が加わって味に広がりが出て、後になればなるほど美味しい煮汁に仕上がります。出汁要らずだから材料を揃えて鍋に入れるだけと、作り方も簡単です。
溶き卵につけて食べた後は、〆にそうめんを入れて頂きます。

野菜の中でもマストアイテムは「かつお菜」

福岡県の定番野菜である「かつお菜」は、しっかりとした茎と少し厚めの大きな葉のシャキシャキとした食感が特徴。鶏すきの他に鍋、お雑煮などに使用される万能さで、福岡県民にとってはマストアイテムです。

栄養豊富で奥深く、みんなでワイワイと鍋を囲むのが古賀流鶏すき。
人との接点、「口伝」される機会が減ってしまった今だからこそ、日常の中に「地域の食」、「文化」を取り入れて、歴史を学び、後世に残していきたいですね。

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